(政治)

1) テレビの特別番組で国会議員の実態が報道されましたが、いやはや。登院しただけですぐに国会から出てしまう人間、議論のあとの最終投票を同僚に任している不謹慎なやつ、議員活動のための事務所を他人に貸しているせこい男など。
笑ってしまうのはそれらの議員が、国会以外にも私たちの活動はある、地道に地域で活動している私たちを報道してほしいなどコメントしていますが、苦笑するほかない。下院議長が「報道された一部の不謹慎な事項は改めなければならないと反省している」とコメント。次の選挙でそいつらに投票しなければ良いわけですが、じゃ誰に入れればいいのかな?右も左も全員、不謹慎みたいだから。イギリスの政界も同じような問題が発展していますね。どこでも同じか。
しかしもっと面白いのは「不謹慎は国会議員だけではない、次回は文部省、大蔵省などの幹部の日常を追ってみたら?」ですが、本当に困ったことですね。
2) チリでは市民の意見調査(人気投票ですね)が頻繁に行われますが、その中で大統領の支持率が急上昇(40%に落ちていたそれがもう70%に近づいています)と1次選挙で社会党造反議員エンリケ・オミナミが始めて正当候補フレイの人気をしのぎました。夜のテレビのニュースでこれが報道されたので翌日の新聞を楽しみにしましたが、やや政府寄りのラ・テルセラにはほとんどこのニュースは無く、やや保守的なエル・メルクリオには少し詳しく報道されましたが、特に大見出しではありません。政府から派手に報道しないよう依頼を受けたからではと思わされました。しかし政府・与党が全力を上げて応援しているフレイの人気がいまひとつで、少数の議員が応援している社会党造反議員が注目を集めるのは皮肉なことですね。キリスト教民主党(DC)は左翼側の有権者はDCのフレイより社会党エンリケ・オミナミに一票を投じるだろうと心配しています。
与党側はこれら造反議員を次回選挙で党公認からはずそうとしていますが、彼らは党から公認されなくても選挙に勝ちそうなのが面白いですね。彼らに対抗して立てた候補が彼らに負けたら恥の上塗りですね。
で、そのフレイはバチェレットの人気を自分に移す方法はないかと、彼女と並んで国民の評価の高いべラスコ大蔵大臣を選挙参謀に招くことを考えている由。もちろん大臣職は外れなければいけないが。そこはそれフレイが大統領になれば再度大蔵大臣に任命すると約束するわけですよね。
大統領選挙に負ければ軍事政権が終わってから4代続いてきた与党連合は終わりをつげ、DCは社会党などの左翼グループと袂を分かつと見られています。
3)  しばらくニュースにならなかった空軍のミラジュ戦闘機の購入に関する不正疑惑に再度、焦点が当たってきました。今回の疑惑はベルギーから中古戦闘機を購入する前年、当時の防衛大臣ロハスと空軍指令官ベガがロンドンを極秘訪問していること、購入が正式に発表される前に空軍は1400万ドルをベルギーの銀行に払い込んでいることが問題になっています。ロンドンでブローカーと会い、購入条件(後のチリ側への戻しを含む)を決め、それを事前に支払うことで秘密条項を含む契約成立となったものと検察側は見ています。さぁ再度、ピンチに立つ与党側、どう対処するのか?裁判でロハス防衛大臣が有罪になれば、牢屋に行くでしょうが、刑務所にはキリスト教民主党(DC)関係者が励ましに行くでしょうね。巨額の金を全部彼が懐に入れたというより、大半がDCの選挙費用に使われたというほうが説得性がありますからね。