(政治)

1) 欧州訪問中のバチェレットは旅を楽しんでいます。オランダではアンネの家を訪問し、自分が軍事政権時に逮捕され収容所に送られた経験を思い出し、フランスでは自分の祖先がいた村を訪問と、まるで休暇の旅のよう。そのフランスの村は人口500人くらいで、村の中央広場をこれからバチェレット広場と呼ぶそうです。
しかし彼女の場合、それがいいんですよね。一般庶民と同じようなレベルで歩き回るので、先方にもチリ側でも彼女に批判が向いません。しかしオランダのハーグ訪問では、現在領海問題で抗争中のペルーから外交手段で点を稼ぐ手法ではないかと疑問が出ましたが、さりげなく行くところが上手い。そうそうボリビアのモラレス大統領がペルーが国際法廷に持ち出した領海問題は国内のガルシア大統領のイメージをアップするためのもので、チリにとってもボリビアにとっても何のメリットもないときついクレームを出しました。
それからOECD機構にチリ加盟の話が進んでおり、先進国への仲間入りまで後一歩ですね。
フランスで作成中のチリ政府依頼の衛星が完成間近かですが、その会社は記者会見の席でチリ政府からミサイルのオーダーを受けたと報告。大統領に同行の例のおしゃべりな軍事大臣はミサイルのオーダーは出していないとコメント。どちらかが嘘をついているわけですね。しかしおばさんも庶民風を装ってミサイルの買い付けに来たのかな?オランダやベルギー(今回は訪問せず)からも武器の輸入をしているようだし・・・・。
2) もちろん、12月のチリ大統領選挙の話は陰に陽に、手を変え品を変え、話題が出てきますが、与党側のフレイ候補に人気が出ないので、若手だが、国民に人気のあるベラスコ大蔵大臣を候補者にしようと言う話が出てきました。もちろんこれは与党側から出た真剣な提案なのか、野党側が与党の混乱を狙って流したガセネタか知りませんが、こんな話はこれからも出るでしょうね。それからコキンボで大統領候補たちの演説会がありましたが、最後にピニェラが話を始めるとフレイの応援団が叫びだし邪魔をしました。ピニェラ側の国会議員が怒って彼らと揉み合いになっています。
キリスト教民主党のフレイが突然、同性間の結婚を認めるような発言をして問題になっていますが、これも新味を出す、自分は古い人間ではないとアピールするジェスチャーでしょうか。
3) べネスエラのカラカスで一般団体主催のフォーラムが開かれています。それがチャべスの独裁をけん制するかの様相を示しているので、それに参加するためにカラカス入りした参加者に現地で政府関係者が注意信号を出しました。チリから参加した四人のうちの一人ラビン(前回の野党側大統領候補)は「飛行場で警告を受けた。こんなことは共産主義の国を訪問したときにも受けたことの無い屈辱だ」とコメントしています。参加者の代表となるペルーの作家バルガス・ジョサの発言が楽しみですね。チャべスはこれに対抗して同じ時期に4日間連続でラヂオの番組で話すらしい。誰が4日間も聞き続けるのかな?おしゃべりに飽きたら、彼は歌いだすのでしょうね。確かに歌は上手い。しかしこの政権のおかげで外国企業は大被害を受けていますが、その中にはチリ企業も入っており、そのセラミックの生産会社は5月7日から操業が不可能になっている。このあたりのことは私のべネスエラレポートに詳しく書きたいです。