(経済)

1) 中銀総裁がチリの経済危機は他の国より早く終焉するとコメントしました。そして当初、マイナス成長と見られた09年の国内総生産は0.25%とプラスで終わると見ています。今年の上半期は厳しいが下半期から上昇に向うとの見方です。しかし私にはこれが良く分からないのです。どうしてチリ経済がこんなに好調なのか。
ドルに対してチリのペソは切りあがりを続けているし、サンティアゴの証券市場は毎週のように成長を示し、昨年後半に失った分を大幅に取り戻しています。確かに世界でもっとも順調に株式市場が回復している国のひとつです。じゃ素直におめでとうといえば良いわけですが、その基本、基礎がどこにあるのか正直わかりません。
2) もちろんちゃんと数字はあります。たとえば国際機関IMDの国際競争力ランキングでチリは世界参加の57か国中15位にランクされています。1位はデンマーク、続いてシンガポールです。日本はずっと下位の26位、アメリカは28位。これはチリが世界経済危機を切り抜ける力があることを示す指標と政府は見ています。
この数字の内訳は、たとえば、政府効率では世界13位、企業効率では14位、インフラ整備は36位とか。
3) 今年度どこに投資をしていれば一番儲かったかとの記事で、ブラジル株なら35%、チリの平均株式なら29%とか出ています。ペソに投資をしていればわずか1.9%の利益とか。
しかしアメリカ株価はまだまだ落ちそうだし、日経平均株価も低いですね。
4) チリとボリビアの間で争われていたシララ川の水の使用権について合意に達した由。ボリビアを起源とするこの川の水をチリは今まで無料で使ってきましたが、この合意の後は、ボリビア側に使用量を支払うことになります。チリでこれを使用しているのはコデルコとアントファガスターボリビア鉄道(チリのルクシック・グループ経営)の2社。コデルコ銅公社は自社の鉱山の精錬などに使い、鉄道会社はその水を各地で販売している由。今まで無料のものを高く売っていれば儲かったでしょうね。せこい。
5) 移民:2000年と2005年の間の移民の伸びを比べた統計がありますが、チリに移民してきた数はその間に31%の増加。これは中南米でトップでした。2位はなんとボリビア。他国からボリビアに移民した人の数はその間に29%増えました。もちろん絶対数ではアルゼンチンがトップ、2位はべネスエラでした。これを見てもチリの経済の安定さ、上昇振りは外国人労働者には魅力的と言うことが分かります。