(政治)

1) 笑ってしまうのはおしゃべりで有名なビダルがまた問題発言。彼は大統領府の長官をしていましたが、問題発言が多いので、先日の内閣改造防衛大臣にまわりました。その彼は今週、例のスポーツ振興局の不正問題で逮捕されている元首都圏振興局代表のキリスト教民主党DC党員の裁判で証言を求められたとき、「彼をその職につけるようしつこく言ってきたのがDC党首で、仕方なく彼を任命した」つまり現内閣は各党から、それなりの数の大臣、事務官を割り当てているということを確認したわけです。もちろん野党は彼の発言は目新しいものでなく以前から分かっていたことだが、それを自分から白状しただけと冷ややか。
バチェレットはこれに対し、党に配分するのではなく、優秀な人員を探し出すのが私の任務と釈明しました。内務大臣はビダルを厳しく批判して、それは前政権の時代の話で現政権はそれを一切していないとコメント。でもそれってあまりにも嘘くさいんじゃないかな?まぁどっちでもいいのか。そんなこと右翼でも左翼でも、政治家ならだれでもやりそうですからね。
2) しかし政府がわけの分からない任意団体に購入、寄付、援助をしているのが明らかになっています。例の公正・透明法案のおかげで、バチェレット政権になってから総額10億ペソが正規の競争(テンダー)をしないでそれらの団体に渡ったらしい。大半はDC、社会党関係の団体とか。
もちろんそれらの機関の収支は政府の統制を受けているといわれますが・・・
3) その公正法ですが、問題の政府関係者の給料も公表されました。大統領は730万ペソ、大臣は平均660万ペソ、事務次官は590万ペソ・・・民間の給料と比較するともちろんかなり低いですね。
4) 今週、政界を驚かせたのは12月の大統領選挙に大きく影響しそうな候補が出たことです。もちろん、勝てる可能性のあるのは、与党代表のフレイと野党統一候補のピニェラですが、今回、社会党の若手議員エンリケ・オミナミが一般市民の声として10%を占めました。彼は日系議員カルロス・オミナミの子供ですが、30台の若さで候補者に(自薦ですが)なりました。まだ反党行為として、社会党から除名はされていませんが、独自に候補活動を行っています。そのほか、与党に入っている社会党よりもう少し左のいくつかのグループが統一大統領候補選挙を実施し、元社会党のアラテが選ばれました。共産党は思想的にはここと組むべきでしょうが、与党グループと組んで議席を狙うほうが良いのか考えているようです。
5) さて2大候補ですが、フレイは思い切った手を打ちました。選挙対策委員長になんと若干27歳の青年を起用です。彼の持つ古くさいイメージを一新したいのでしょうね。一方のピニェラの弱点はあまりにも金を持ちすぎていることですが、何しろ12億ドルの資産があるそうです。これを来年の大統領就任までに全部すっきりさせると発表しました。12億ドルのうち大半は(8億ドル以上)ランチリ航空ですが、そのほか民間のテレビ局を所有するのも問題になっています。