(政治)

1) ビーニャの国際会議
この次に行われるロンドンG20会議に先立って行われた会議ですが、欧米・南米から数カ国の代表が参加。
米州機構の代表が(彼はチリ人です)その会議の中で「80年代のラテンアメリカは多くの国が独裁政権の下にあったが、現在の政府はほとんど全部が、選挙で選ばれた民主政権で、少なくともこれだけでラテンアメリカの進歩が見られる」とコメントしたのが注目されました。今回の経済危機をどう乗り越えるかが中心議題だったようですが、ちゃんと対策案がでたのかな?
会議の名称のサブ・タイトルに中道左翼リーダー国会議とありましたが、アメリカは社会主義とどう関係するのかな?
参加国のひとつアルゼンチンは他の参加国ブラジルとぶつかっているし、イギリスにもマルビナス問題を持ち、おまけに内政で混乱しているので会議の中で落ち着いて討論できるとは思えません。もっとも英国、米国もきわめて困難な状況ですね。
つまりこの時期にチリでこの会議を開催する意味がよくわかりません。G20のロンドンでは会議に反対するデモ隊が多数出そうですが、チリではまったくそう言った抗議行動はありませんでした。
話がずれますが、会議の後、チリを離れる日にアメリカ副大統領はカトリックのミサに出席しました。彼はカトリックの由。
2) この国際会議の終わった翌日、日曜日でしたが、バチェレットはチリ経済活性案として、中小企業などに貸し出す政府準備金を増加すると発表。また家屋の購買への貸出金も大幅アップし、建設業界援助と一般市民の自家所有の夢をかなえる作戦も発表しました。
アメリカのオバマ式大判振る舞いに見えますが、チリはアメリカのような巨額の借金を抱えていないだけに危機から脱出する可能性も高いと見ます。 
3) 与党側の統一候補選定のための討論会は後1週間ほどで開催されますが、それに先立って行われた世論調査でフレイ前大統領が61%、前法務大臣のゴメスが28%の支持を得ています。フレイ側とすれば勝つとわかっている予備選挙で時間と資金の無駄使いをしたくないとしていますが、本音は不適切な発言からピニェラに足をすくわれたくないでしょうね。
もっとも予備選挙のない野党側のピニェラの弱点は政治とビジネスの混同です。今週チリ最大の話題になった薬局の談合問題で訴えられている大手3社のひとつの株を彼は持っています。ほんの1%ですが、大統領選挙の運動をし始めている彼が、運動の合間にヘリコプターから株の売買の指示を出しているとしたらこれは問題になりますね。