(政治)

1. バチェレットが思い切った手を打ちました。今週、就任3年目を迎え(つまり残りは1年を切ったのですが)サンティアゴで記念式を行いました。その後、なんと突然の内閣改造外務大臣を首にしました。たぶん長い間うまく言っていなかったのでしょうね。で、先日のキューバ訪問でも彼女に苦言(クレーム)をしたはず。で、彼女は突如、彼をはずし、それだけだと目立つので、ほかの顔ぶれも少し入れ替えたというのが私の読むストーリーです。例の特に目立つヴィダル大統領府長官を軍事大臣にまわし軍事大臣はアメリカ大使に、アメリカ大使を外務大臣に、そして大統領府長官に国会議員のトアを起用(女性です)

ヴィダルは言いたい放題の人間で野党をけちょんけちょんにけなすのを喜びにしているような人間でしたから、与野党間のヒッチが高まるのは当然。これを抑えるには彼をはずすしかなかったわけです。歴代大統領で彼女ほど大臣を頻繁に変えたのはいません。

ペルーと緊張した関係にあるだけに外務大臣の変更は両国間の関係にも影響しますね。ペルーの新聞にこれに関しチリを馬鹿にするような見出しが出たようです。

2. バチェレットはフランスに外遊するらしい。それからアメリカにも行くようだし、残り1年を外遊で楽しむのは悪くない考えですね。とにかく彼女の人気は悪くなのですから。アメリカ大統領との面談ですが、今週ブラジル大統領がオバマと面談してしまったので、南米1番乗りは出来ませんでした。まぁどうでもいいか?
3. 野党の大統領候補ピニェラの話題が出ましたが、選挙関連でなくフォーブス誌の発表です。彼は世界の富豪ランキングに入っていますが、不況と言いながらちゃんと財産を増やしていますね。資産は10億ドルとか。
4. 大統領選挙まで時間があまりありませんが、与党側は何とかフレイの人気を上げんものと、政府の催し物には彼を奥さんと一緒に特別招待し、スポットが上がるように気を配っています。古臭いタイプの彼は若者に人気がなく、何をやっても人気者にはなれません。ただし野党側にも弱点があって、弱い政府ながら大統領のバチェレットは根強い人気があるので、反政府といいながら彼女を攻め立てる作戦が取れません。それでフレイの弱点を細かく調べて、過去と現在の矛盾を突く作戦のようです。先月から問題になっているベルギーから中古の戦闘機をチリ空軍が購入したとき、多額の疑惑金(汚職ですね)が発生していますが、これに関連している政治家は全部、フレイと同じキリスト教民主党(DC)です。この点は選挙戦が進むにつれて注目を浴びることでしょう。

フレイは与党連合のなかの左翼系グループへの接近策として、堕胎の合法化を考慮しているとか。彼の基盤のキリスト教はこれに強く反対していますから簡単にはいかないでしょう。またマリファナの合法化も話題になっています。

5. 上院議長が変更になりましたが、なんと最右翼UDIの元党首でピノチェットと深い関係にあったノボアが就任しました。軍事政権時の人権問題に深く関与している人間が議長につくのに左翼側(社会党など)は抵抗しましたが、元与党の議員(追放された議員ですね)が彼に投票したため、多数決になったもの。

どこかの飛行場で彼に会ったことがありますが、不気味な雰囲気でした。多分、やくざの組長なんてそんな感じかもしれませんね。