(政治)

1) もちろん空軍のミラージュ機購入に関する問題がトップですが、話が前に進みません。これは「裁判ざたなので全て裁判所に責任を預ける」という姿勢だけではなく、政界全部に影響する可能性が心配されるので、出来るだけ騒がないようにしようとするのが原因と見ます。CNNチリの番組で、武器の不正問題は、この戦闘機だけでなく、過去に潜水艦、タンクその他の購入などにも不正が見られ、さらにチリ産の武器の輸出でも不正が取りざたされているらしい。国連で武器の輸出が禁止された国に第3国経由輸出して巨額の利益を得る商売ですが、それがチリで何度かあったらしい。つまりチリは政府が軍部を掌握していないのでしょう。ピノチェットは政権をエイルウィンに渡した後も、実質的に軍を支配し、防衛大臣がその不正を糾弾することなど考えられなかったのが正解かもしれません。
もっとも昨今の政府関係者の汚職問題を見ると、政府側も同じグループとして不正を共有していた可能性もあります。
さらにコデルコの利益を軍隊にまわすという不可解な法律も未だに改正されず、政府が軍隊を支配する(言い方がおかしいかな?)もしくは実質的に指揮下に置くことが出来ない限り、軍事政権から民生化が終わったことになりません。既にこれに関して何も出来なかったフレイが与党側候補ではこの先も進歩はないでしょう。
ラテンアメリカではチリは他国に比べそう言う汚職は少ないと考えられているのですが・・・

2) その問題が元大統領で現在の与党の次期大統領候補フレイに絡んできましたが、国会で社会党党首が「野党の選挙対策にはあきれ果てる、フレイ降ろしをこんな汚い手でしかけるとは」と絶叫していましたが、何故それほど興奮するのか見ていて不思議でした。大声を出すと説得力が増えると思っているのかな?軍部の腐敗は明らかですが、それに政界がどう絡んでいるのかはっきりしてほしいもの。
フレイはDCですが、とにかく選挙に勝つためには誰の協力も必要と左翼側に色目を使い、なんとキリスト教民主党犬猿共産党とも協力関係を探る面談を実施しています。DCシンパと共産党シンパが一緒に旗を振るなんて、不思議な気がします。
さらに与党側の統一候補選定の選考会を開かず、フレイを温存するよう他の候補者が自分から降りるよう説得中とか。やっぱり公開討論会を見たいですよね。

3) スイスのダボスで開催中の民間の世界会議にチリからは大蔵大臣が公式に参加していますが、野党側の大統領候補ピニェラも参加。彼はこんな国際行事は好きですからね。金に糸目をつけず顔を出します。
これと並行してブラジルでラテンアメリカ会議が開催されましたが、スイスで、ブラジルで各国首脳が集まっていかにして経済危機の被害を少なくするか話し合っているわけですね。各国はちゃんと借金を払わなければこれ以上前には進めないことを確認してほしいもの。