(政治)

1) 監査局の活躍

 市民登録局の不正支出問題は以前にもありましたが、また問題が出ました。

 今回問題になっている3億ペソほどの支出は、局長が英語のクラスを受けたとして多額の支払いとか、職種に関連のない訳のわからないレポート(例えばフランス選挙の実態)に高額の報酬を支払いなどですが、問題職員は社会党系の人間に関連しているのが目立っています。

またフォナサはチリの国営健康保険です。チリでは健康保険はイサプレ(民間が運用)と二つあってどちらでも自由に選べます。通常、民間の方が値段は高いが良いサービスが受けられるとされています。今回、監査局の手がフォナサに入り多額な金額が不正に使用されたことが明らかになっています。例えば高いレストランで食事をして7百万ペソも払って誰が使用したかよく分らないとか。

確かに現在の与党が腐敗しているのが感じられますね。

それからいつもでてくる国鉄問題ですが、例の点検が終わり、また運行を開始しましたが、18億ドルの負債を抱え、民間企業ならとっくに倒産という事態は一向に改善されていません。もうこの2年間同じことの繰り返しです。専門家の意見ではチリ国鉄の最大の問題は執行人が与党の党関係者で、鉄道の専門家でないことだとしていますが、確かに素人が国鉄を上手く運営するのは難しいでしょうね。

2) 大統領候補

 社会党大会でキリスト教民主党DCのフレイ元大統領が同党の代表候補に選出されました。他党の代表を選んだこの大会は当然のことながら混乱し、同党の青年組織を始め多くの党員がこの議決に反対し、爆弾を仕掛けたという電話さえかかりました。同党代表はこの電話を悪戯電話として議事が終わるまで警察の介入を認めなかったほど。

 野党はピニェラで決定ですが、与党側は統一候補を決定するのに時間がかかりそう。でも年末の大統領選挙まであまり時間はありませんよ。

 そのフレイはテレビの会見で赤字垂れ流しで混乱を続ける首都圏の公共運送問題に触れ、誰も組織的に運営方法をチェックしていないのが混乱の原因としました。しかしそれなら原案を作成したのはラゴス、実行責任はバチェレットにあるわけで、同じ与党側候補の発言としては容認できませんね。

3) その社会党の元書記長が、現在の政権は疲労している、現社会党は基本を忘れ労働者の側でなく資本家の側に立って発現しているとコメントしました。そうかといってアジェンデの時代に戻れるわけはなく、おまけにアジェンデはその失政で軍事革命をよんだ訳で、労働者の側に立った政府という思想を実現するのは困難(もしくは不可能)というのは歴史が証明しています。いずれにしても現政権は根本的な改革が早急になされなければ自壊していくのは自明ですね。