(経済)

1) アメリカは失業者があふれているようですね。戦争以来最悪の雰囲気。戦争ってアフガニスタンじゃありません、ベトナムでもありません。なんと第2次世界大戦です。そうかこの60年で最悪の状況か?

チリでも失業者が溢れ出し、失業保険をもらう手続きをする人が区役所や厚生年金会社の窓口に長い列を作っています。チリでは会社をやめさせられた場合、退職金が出ます。1年働いた労働者は1か月分の退職金です。ただし最近のシステムでは上限があって11年まで。つまり12年働いても11か月分の給料しかもらえません。ただしこの新方式が施行される前から勤務している場合は上限ナシにもらえます。例えば28年働けば28か月分です。もっとも1ヶ月の支払金も上限があって、大体200万ペソくらいが上限です。(物価上昇率でこの数字は毎年変わっていく)

この他に失業保険を6ヶ月間もらえるわけです。(これも上限あり)

しかしそれを使ってしまわないうちに次の仕事が見つかる保証はなく、失業者の苦渋は深刻です。私も1度、その区役所で失業保証書をもらう列に並んだ経験がありますが、2度としたくないですね。

この数字は09年に入ってさらに悪化するはずです。銅価格の低迷から国営銅公社コデルコは経費削減の一つとして人件費削減を掲げています。

なにしろ08年は国庫に50億ドル納入したのに09年はゼロの見通し。ゼロですよ。政府もどうするのかな?同社のチュキカマタ鉱山は昨年11月操業以来始めて、単月ですが、赤字になりました。これでは人減らしに本気になるでしょうね。

南部では木材関連、サーモン企業でと問題山積で、ここでも失業者の増加が危惧されます。

2) チリ中銀はやっと公定金利を1%下げました。8.25%から7.25%です。

もっと下げてほしいという声もありますが、高値安定で、聞く耳を持たなかった中銀が景気後退を阻止するためにとった手段ですね。

日本やアメリカはほとんど金利はありませんから、チリとは大きな違いですが、世界的にはまだブラジルやコロンビアが10%ほどの高い公定金利を設定しています。

しかし私の読みは当たっていました。アメリカの株式市場はダウジョーンズなど、今年も下降調子で株主は泣いていますが、チリは逆に上向きです。何しろ1月に入ってから5%もアップしています。

やったー、このまま突っ走れ。チリ株式市場!

すみません、つい興奮してしまいました。冷静に分析してブログを書くべきですが、株が上がれば厚生年金で昨年失ったものを幾らかでも取り戻せると、個人的なことから興奮してしまいました。

確かに08年の後半大きく下げた厚生年金の投資も12月はなんとか(若干ですが)黒字に終わり、下げつづける悲しい傾向は、一時的にせよ、変更になりました。

3) また為替で1ドルがペソの換算でかなり下がってきました。チリはアメリカほど悪くない、借金がないと何度も書いています。エウロに対しても切りあがりました。次の海外旅行の前にもっとペソが切りあがりますように。いかん、また個人的な要望を書いてしまった。

中銀の金利下げとともに今週発表された政府の景気対策が市場に好評価されたわけです。

大蔵大臣なんか、強気にもチリの経済危機ってなんのことですかとシラを切っています。(コデルコの件を忘れたのか!と言いたい)

4) 何しろ12月の物価上昇はマイナスで、マイナス1.2%でしたが、これは過去42年間で最小の数字とか。このため一時チリ中にあふれていた悲壮感はやや薄れています。(甘いですね、失業者の増加をまだ身近なものと国民が感じていないからでしょうね)

しかし不思議ですね、中東戦争がはじまるかもしれないというのに原油価格が最低ラインをキープしています。何故上がらないのかな?

ロシアは強気の政策で天然ガスの供給を止め欧州を寒さで震え上がらせていますね。同じことが原油でも起こりそうなのに?OPECを越えた勢力が裏で糸を引いているのでしょうが。

   チリ農民が騒いでいます。小麦粉の値段が低くこれでは利益がないとし、チヤン市周辺で国道封鎖の実力行使。政府と談判するため代表団を送ったら大統領府は彼等との面談を受けませんでした。

   その逆に原油が下がり、小麦粉の値段が下がったら、どうしてパンの値段が下がらないのか疑問視されています。上げるのは簡単だが値下げは製造側とすれば、したくないのでしょうね。