(経済)

1) エナップ(国営石油会社)は08年10億ドルの経常赤字を出し、総裁は責任を取って辞職しました。しかし巨額の赤字ですね。基本的には1バリル100ドルで買ってそれを40ドルで販売したからの由ですが、見通しの悪さか運のなさか。国営企業としては歴史上最悪の数字です。

もちろん同社と財務省はこの赤字を巡って責任のなすりあいをしているようです。

2) 失業率

9―11月の失業率が7.5%と発表されました。普通夏になってくると季節雇用者が増加するので、それ以前の3ヶ月に比べると9−11月期は数字を下げるのですが、08年は過去10年間で初めて逆の結果でした。つまり夏になっても失業率が下がりません。このままジリジリ数字が増えると社会不安を招くのですが、政府の対策が効を奏すか、世界情勢が好転するかでそうならないことを願います。

3) チリ証券取引所は08年を22%ダウンで終えました。これは98年のアジア危機当時以来の悪い数字で証券関係者だけでなく厚生年金などを通じで一般市民にまで強烈なパンチになりました。

一方ドルは通年で523ペソでしたが、大晦日は1ドル641ペソでした。

4) トランサンティアゴ

現在政府の頭痛の種のトップはこのサンティアゴの交通問題。なにしろ赤字垂れ流しですからね。操業開始から現行運賃の380ペソをキープしていますが、この1月から30ペソ、4月からさらに30ペソを上げ、月間赤字を何とか6千万ドルまで落とす予定でした。それが原油価格の急激な降下から値上げをしなくても赤字幅が下がってくるとの読みも出てきたようで、値上げ案はまだ実施されていません。

優柔不断のバチェレットから即決主義のピニェラに変わったら値上げは即実施でしょうね。市民は怒るでしょうが。

5) 発電所問題

先週、アイセンの水力発電所問題と原子力発電所設置のプレゼンテーションが準備されていると書きましたが、今週は新しい担い手でドイツのグループが風力発電に投資を用意していると発表されました。ソヴィテック社は1800メガワットの発電を計画し、その候補地選びが7州と10州で進んでいるらしい。以前、発電用風車をエジプトで見たことがありますが、昨年4州でもそのための風車を見ました。不思議な気がしましたね。こんなので電気が作れるの?とか採算はとれるのだろうか。巨大なおもちゃのようでした。