1) 日本国の財政難とかトヨタが赤字とか、報道されていますが、もちろんチリでも同じ苦しみがあります。
既にチリの風で何度もお知らせしているように、チリにとって命綱の銅価格の低下は国家財政にとっては致命的で、何しろこの数ヶ月で1ポンド4ドルから1ドル30セントまで激減しています。財政難は明白。
しかしこれを歴史的に見れば2003年は1ドルを切る低レベルで04年から少しづつ上昇に移り06年上期から急上昇。その後上下運動をしながら08年の7月に最高を記録したもの。
つまり現行の価格で03年までは泣きもせずに仕事していたわけで、一旦甘い汁を吸ってしまうともう元に戻れないのでしょうか。しかし鉱山会社の合併吸収とか設備・機械の自動化で人出を減らすなどコスト削減を図っていけば、来年は赤字でも2010年から何とか生き延びられることになるのでは・・・・歴史は繰り返すですね。
原油の価格も急降下です。それがガソリンの値段に好影響し、1リットル700ペソもしていたのが400ペソまで落ちました。現行の原油価格は04年の2月以来の低いレベルとか。銅の価格の動きと似ていますね。
そのガソリン価格の低下のおかげで12月の物価上昇率はマイナス1%になると見られています。電気代も下がりそうです。
2) 今週、8州に出張しましたが、コンセプシオンからロス・アンヘレスに向う途中、カブレラと言う町を通りましたが、大きな木材工場が集団休暇に入っており、まるでゴーストタウンでした。北の銅鉱山、南部の木材関連企業、もっと南のサーモン企業の苦戦がチリ社会に与える影響は強烈です。
今年度好調だったトラックの販売に急ブレーキがかかり、11月は前年対比30%のダウン。自動車だって同じ傾向で33%のダウンでした。
今週、任命された女性労働大臣のセラノは最悪の場合、09年の失業率が10%になるだろうがそれを防ぐのが私の最大任務だと表明しました。
3) チリの最大手スーパーマーケットのリーデルに買いが入りました。アメリカ小売業のトップのウォール・マートが27億ドルで買い付けを発表。リーデル社のオーナーのイバネス家もこれに同意し、最終的には同社の少数株主として残るらしい。しかし落ち目のアメリカがチリに進出してくる理由はなんでしょうか?