(政治)

1) 政治の項目に入れるべきか、一般の項目に入れるべきか迷いますが、
(A) ブラジルで今週33カ国が参加してラテンアメリカ・カリブ会議が開かれました。それは別に特別ではありません。ただしその会議はキューバからフィデルの弟のラウル・カストロが始めて大統領として出席したのが目立ったくらいで、たいした成果もなく終わりました。
地域内の協調は欧州連合の例のように政治的に非常に有効です。最近日韓中の国際会議がありましたが、アジアでもラテンアメリカでも協調には至りません。南米で言えば、ウルグアイとアルゼンチンは犬猿の仲、チリは隣国アルゼンチン、ペルー、ボリビアと上手くいかず、ペルーも隣国エクアドルボリビアと揉めています。しかし欧州でも侵略の歴史はあったわけで、それを乗り越える大人の政治力があるわけですね。日本も中韓と関係改善が必須です。
   しかし・・・問題はその会議の前に、早朝ですが、バチェレットが随員の女性と海岸で海水浴をし、水着姿を写真にとられました。翌日の新聞、テレビでそれが大きく報道されました。「遊びに行ったのではないが、別に大統領だからといって、会議の前の自由時間に海に入ってもかまわないのでは」とか、「安全の確保は出来ていたのだろうか」といった通常のコメントがでました。ただ「極端に肥満の彼女が水着姿になるのはどうか」と言うコメントはおかしいですね。彼女の肥満は水着にならなくても毎日テレビで分りますから。
   バレリアはこんな写真をとる人間のモラルを疑うと言いますが、私はモラルを言うならそれを一面に載せる新聞や、テレビ局の責任と見ます。不必要と思えば無視すれば良いだけですから。
さて何故かチリの国民意見調査で彼女の人気が最近上がっています。前回47%だったのが今回は57%の市民が彼女を支持するとしています。私にはその理由がよく分かりません。
   そうそう、その会議の前にバチェレットはボリビアのモラレス大統領に同国が最近発効させた古い中古車の輸入禁止法案をやめるように要請しました。イキケ自由港からボリビアに出る中古自動車の販売は年間30億ドルにもなり、大半は日本からの中古車ですが、これがなくなるとチリで1万人以上の職に影響するらしい。もっともチリは一般に中古車の輸入を禁じていますから、あまり迫力のあるクレームではありません。

(B) 国会議員のジラルディが速度違反で捕まり罰金を払わされることになったのですが、それを政府の警察委員会のメンバーにクレームすると、なんと彼を捕まえた警察が適切な処理をしなかったと処分を受けました。これがメディアにもれると大キャンペーンです。国会議員は法を無視してなんでも出来るのかと。警察軍長官がその警察官処分を再検討するとコメントしていますが、チリって不思議な国ですね。
えっ、どこでも同じだよって?

(C) レベルが低い話ばかりです。与党の中心勢力たるキリスト教民主党(DC)はチリが民主化してから最初の二人の大統領を送り出していますが、この党の新党首になったラトレは最初の集会で我が党は早く借金を返済しなければならないと演説しました、7月に開催した党大会の夕食代金(5千万ペソ)が未払いとか、先日のフレイを党の次期大統領候補に選出した大会に地方議員が出席できなかったのは飛行機代がなかったからとか悲しい話を続けました。でもそれが今のチリの実態なのでしょうね。ところでDC代表のフレイは社会党系代議士に結構食い込んでいるとか。どうなるのか与党統一候補選出は。