(政治)

1) 今週は大きなニュースがありませんでした。例の公務員ストは私の目には茶番劇に写りました。組合側の公務員の賃上げ要求は14.5%で、当初政府は6.5%を回答。これを不服とした組合側は今週もスト継続。サンティアゴの中心部には集められたゴミが放置され汚臭騒ぎ。私の住んでいる地区はこの問題がありませんでしたが、それはごみ収集を外注しているからで、このストと無関係だったわけです。
その次に政府は回答額を上げるため、給料の低い層と上の層の賃上げ率を変えると発表。つまり最低賃金層は10%アップ。それより上の層は最高6%アップと言うように。するとそれまで公務員ストに同調していなかった病院関係者(医師グループなど)がこれに反発してストに参加。病院活動がほぼ休止。政府はこれを見ると、要求通りの一律10%アップに訂正して、ストが終結というもの。
展開を見るとなるほど、両者のネゴの様子がよく分るといわれそうですが、始めから10%を出せば、それで組合が納得するわけがなく、低い数字を出しておいて、そのあと、組合の方から最低二桁の数字はほしいと持ち出させ、10%ちょうどで妥結したわけです。
で、私の推測は始めから10%で妥結する筋書きが出来上がっていたのだが、先週、今週と両者の間で揉めさせて世論の了承?を得てから筋書きに沿った数字で合意に達したのだろうと推測するわけです。
評論家は政府が勝ったのか労組が勝ったのか議論していますが・・・。
労働大臣は合意に達した後も、賃上げを一律でなく、サラリーベースによって差をつけるやり方は合理的と考えるとコメントしています。

2) ペルーのリマでAPECが開催され、アメリカのブッシュも参加しています。彼のペルー滞在中に南米の大統領と個別閑談が予定されているのはペルーとコロンビアだけの由。
バチェレットのペルーでの行動は、ガルシア大統領と領海問題を話したとしか報道されていません。
ところで、ペルー訪問を利用してチリにも立ち寄ったメキシコ大統領にバチェレットはマフィアや麻薬業者との戦いに関し手腕を発揮していると祝福したらしい。これって相手を馬鹿にしているみたいですね。麻薬販売が巨大産業になるほど放置した責任は誰が取るのかな?やっぱり無能な政府の責任でしょうね。メキシコ検察のトップがマフィアから月45万ドルの給料?を受け取っていたとして今週逮捕されていますからね。

3) 選挙システム
チリでは選挙人登録は各自の自由、しかし登録をしてしまうと選挙投票は義務となって、投票に行かなければ罰則があります。この方式についてそれがベストなのか議論を呼んでいます。青年層の登録率が年々さがっているのはこの投票義務方式を嫌ってのものと見られています。従って日本のように成人に達すれば自動的に投票権を得ることにして、現実の投票は義務方式ではなく任意に行う方式がよいのではと言う意見が出ています。