(政治)

1) チリ政界はもちろん次期大統領候補選定が最大の話題ですが、もりあがりません。地方選挙が終わったら、即時に候補者選びのはずだったのに、あのしらける結果のうえ、この経済状況でしょう、落ち込んでいるわけですよ。社会党と同系統のPPDは両党内部で候補者をインスルサにするかラゴスにするかで揉めつづけています。また地方選挙で勝てなかった分を取り戻すため共産党との共闘も計画中ですが、与党側の戦略のなさは悲劇的です。

しかしチリはまだマシな方です。近隣諸国はもっと悲惨な状態です。アルゼンチンは最悪で、破産寸前の政府は国民の年金を勝手に使い出しそうな状況、ペルーはチリ国境の町タクナが戒厳状態のようになっています。チリ政府はタクナ訪問を自粛するように国民に要請しています。なんでもタクナ州は餓死状態?まできているとかで、チリ政府が食料援助をしてくれればチリ国旗をタクナに掲げるとデモ隊が言っているとか???これは各地に飛び火するでしょう。

ボリビアは今週、会社の同僚が出張してきましたが、彼の言うにはサンタクルスには政府の規制でガソリンがありません。従って商工業がほとんど止まってしまっている由。内戦とか崩壊とか最悪の事態が目に見えるようです。

それらにくらべるとチリははるかにマシで、文句を言うとばちが当たるかな?いやいやさらに改善が必要だし、それができる力があると思うのですが、どうでしょう。

2)厚生省の改革
   先週女性大臣が辞任しましたが、今週のその空席に社会党のエラソが新大臣として任命されました。しかしチリの公立病院はイキケのエイズ問題だけでなく各地で最悪の状態で、器具が足りない、職員が足りない、医師が足りないと正常に機能せず病院で長時間待たされる患者がテレビカメラの前で憤っています。それに薬や器具の購入に不正問題も取り出さされ、一体厚生省はどうなっているのと国民の目は冷たいです。

3) ハイメ・グスマンの記念公園
   チリの最右翼UDI党を結成したグスマン元議員は1991年に暗殺されました。当時、もう軍事政権は終了していましたが、それまで軍隊が左翼グループを殺してきたのだから、左翼側も右翼を殺すのはしかたがないとの感想もありました。
   時間が立って、そのようなおかしい考え方は姿を消していきました。今回、彼の記念公園が出来上がり、日曜日の除幕式にバチェレットが招待されました。彼女はこれを断り、内務大臣が代わりに出席することになりました。野党側のピニェラは出席しています。
   招待を受けた当初バチェレットは出席するつもりになっていましたが、社会党から激しい反発を受けそうなので参列を拒否した模様。
   彼女は他の人(党)の意見に左右されるのですね。国の統一のためには右も左もないと言えばそれで終わりなのですが。