(一般)

1) 大スキャンダルが二つもありました。
その一つは前から噂になっていた警察・司法の汚職事件で約20名が逮捕されました。やっぱり本当だったのですね。警察と裁判所の人間がつるんで、書面を書き換えれば、逮捕された人間がすぐ釈放になる、また刑の短縮化が可能になります。まだまだ逮捕者が出そうです。
チリもここまで落ちたんですね。これに関したバチェレットのコメントはまだありません。
もう一つはイキケの公立病院でエイズ検査を受け、陽性反応が出た患者にそれを報告するのを忘れていたと言うものです。その数は100名にものぼり、発病を知らされなかったので通常生活を送り、手当てが遅れて沢山の患者が死亡しています。これも大問題で、厚生大臣の進退を伺う声も代議士の間から出ています。

2) もうマンションや家の販売が目立って落ちてきました。今年の第3四半期は前年対比30%減と言われますが、ホンマかな?もっと落ちてんのとちゃう?まぁ昨年の後半がよすぎたと言うこともありますが。
ところがチリがアルゼンチンに勝った翌日からスポーツ用品店に客が押しかけナショナルチームのユニフォームやキャラクター人形が飛ぶように売れたとか。バチェレット大統領が願うようにこの勝利でチリ人の愛国意識が高まり、消費意欲も増加して経済危機を乗り越えればよいのですが?そんな話は1週間しか続きませんよね・・・・
政府が建国200年記念行事として華々しく宣伝している旧飛行場後に大規模団地を立てる計画の入札が行われましたが、1社もそれに参加しないと言う、政府にとって面目丸つぶれの結果になりました。時期が悪いですよね。誰がこの時期に大投資計画に乗りますか?

3) 景気が悪くなれば犯罪が増えるのは世界共通の傾向ですが、最近サンティアゴではやっている犯罪はATMキャッシュボックスの盗難です。
昔はその場所でキャッシャーを開けて現金を抜き取ると言う作業をしていましたが、それでは時間がかかるので捕まる可能性が高い。これを防ぐ方法として、箱ごと盗み出し、ゆっくり現金を取った後、その箱をどこかの道路わきに捨ててくる。これが最新のヤリ方です。もうほとんど毎日のように被害が出ています。ちゃんと防犯カメラで犯人グループを写しているのだから、警察も早くこの泥棒グループの一斉摘発をしてほしいもの。
それから麻薬の販売で得たお金を洗浄するため両替商を利用していたグループが摘発されました。3年間かかって追跡していたそうですが、その3年間で両替商は36億ペソの利益が出ていたそうです。そうですよね、だまって座っていれば、麻薬業者が1千ペソなど小額のお金を持ってきてそれを1万ペソなどの高額の紙幣に換えるだけで利益が出るのですから。

4) 世界十大トレッキング
アメリカの雑誌の発表では次のようです。トレッキングと言うのは一日(もしくは何日も)自然の中を歩くことですが、最高の場所はネパール(特にアンナプルナ・ルートが良いらしい)次いでペルーのワスカラン・ルート、3位はアメリカのアパラチェ・ルート。次いでキリマンジャロモンブラン。そして8位にチリのトレ・デ・パイネが入りました。確かにパイネを歩くのは気持ちいいですね。川や湖、それになんと言ってもあの印象的な山。
この記事を読みながら、もう30年以上前ですが、ネパールのポカラに行ってアンナプルナを見ながら歩いたことを思い出しました。もちろんペルーのトレッキングはクスコ滞在の2年間、死にそうになりながら歩き回っていました。モンブランも少し歩いたことがあります。世界のトレッカーが憧れる場所を幾つも歩いた経験があるのは幸せですね。

5) 09年の夏休みの話がもう出始めていますが、それによると次の夏のホテル代は今年より高くなるらしい。場所によっては20%も高い値段で予約を取っているらしい。例えばサン・ペドロ・デ・アタカマとか。
9月の愛国週間で派手に散財したチリ人ですが、財布の心配をしないで夏休みを送ると、早かれ遅かれアメリカみたいに破算の波が押し寄せてくるのですが。

6) マプチェの抵抗
チリ南部に多く残るマプチェ族の誰かが住民を襲う、家屋に放火する、トラックを襲うというのはほとんど日常茶飯事になっていますが、政府、警察による規制、管理、説得はほとんど成功していません。彼らがもともとの住民と言うのは正しいですが、それは他人の日常生活を脅かす権利とはなりません。彼らは他の地域住民を脅して家屋、土地を脅し取るというのを正当な権利と本当に思っているのかな?