(政治)

1)チリのグループがコロンビアのファルクとコンタクトをしていたというニュースは興味深いですね。最近殺されたそのグループの首領レイエスのコンピュ―ターを調べてチリ人とのコンタクトが分かったらしい。ただしコロンビア政府とチリ政府の間でこれを公開するか秘密にしておくか話し合われたらしい。ただしチリ政府内でも見解が一致していないのは事実。
  チリ情報局の局長は別にコンタクトがあったとしても、それは犯罪ではないとしているが、政府と力で対決しているグループを支援(もしくは彼等に支援をしてもらう)するのは通常行為とは思えないがどうか?ファルクは麻薬を資金源にしており、誘拐を日常に実施している反政府ゲリラですからね。
  これがピノチェット軍事政権時代なら、ファルクの支持を得て反政府運動を盛り上がらせようとするのは自然の成り行きだったろうが、現在ではマプチェが反政府運動を継続している以外は、表立った反政府運動は無い。

2)出張でコンセプシオンに行きましたが、同じ飛行機にラゴスが乗っていました。地方選挙の応援のため彼は各地を回っているのです。
着陸すると彼は記者団に囲まれましたので私も少しそれを見ていました。70歳を越えた老齢の彼ですが、現役大統領候補として貫禄を見せていました。昔ならがんばれよと声でもかけるところですが、彼の任期中には出てこなかった醜聞が明らかになり、また最近のトランサンティアゴに関する無責任なコメントは不愉快だから、冷たく見ていました。

3)国内問題ではありませんが、ボリビアが大変なことになってきましたね。まぁ言ってみれば南北問題みたいなもので裕福な地区と貧困地区(これに同国の中心都市ラ・パスが入る)の対決です。デモ隊と警察の衝突で数十人の死者が出ています。天然ガスを豊富にもつこの国はそれを有効利用さえすれば現在より間違いなく上のクラスに上がれるのですが・・・。
モラレス大統領は反政府側はアメリカの支援を得ているとアメリカ大使の追放を決定。それを支援してチャベスアメリカと対決姿勢を深めました。
これに関し南米会議で討議することになりそうです。エクアドルの大統領は南米会議をチリで開催するようバチェレットに要請しました。バチェレットはそのチリ開催を躊躇していましたが、モラレスからこのままでは軍事革命が起こる可能性もあると泣きつかれ、来週そのチリ開催を受けたようです。チリはどんな姿勢をとるのかな?アメリカに接近するのか距離をおくのか?
  今まで良くニュースに出てきた米州機構(OEA)はチリ人のインスルサが議長をしている米州で最も重要な機構ですが、それにはアメリカが含まれています。この南米会議にはアメリカが参加していないので、チャベス、モラレスは議事進行がやりやすい。彼等にアルゼンチン、エクアドル、そしてブラジルが賛成すれば多数決に近づきます。さてどんな議事になるのやら。