(政治)

1) 選挙が近づいてくると、政府は国民の目に入りやすい景気政策をとりますが、国民の目は厳しいものがあります。
政府はインフレ対策として、10億ドルを投入して次のような手を打つ計画を発表しました。
それによると銀行小切手を切る度に163ペソかかっている税金を廃止する。ガソリン税の軽減をする。中小企業への税金軽減をする。新エネルギー源への投資援助などで、政府によるとこれでインフレが0.3%下がると見ています。ほんまかな?
これって先週のチリの風に出た「ラテンアメリカで行われている誤ったインフレ対策の失敗例」の一つみたいですね。
笑ってしまったのは、国会でガソリン代値上げに関し、それに対する補助として議員に毎月10万ペソの増額が認められました。すごいですね、自分たちのことは自分たちで処理するというわけですね。しかしこれをマスコミが痛烈に批判、国民も憤りました。
すると彼らは急に態度を変え、これは受け取るわけには行かないと受け取り拒否をする議員が続出し、与野党入り乱れての批判合戦。
何とこの補助裁決は取り消しになりそうですよ??

2) さて、与党政府の失敗の一つ、トランサンティアゴ都市交通計画はバス代を安く抑えて何とか批判の目をそらそうとしていますが、国民は来年の大統領選挙が終わればすぐに値上がりするだろうと考えています
新聞の調べでは首都圏住民の過半数はこの新交通計画を嫌い、以前の黄バス時代のほうが良かったといっています。その数は何と70%です。その理由として以前のほうがバス停までの距離が短かった、目的地につく時間が短かった、路線にバリエーションが合ったなどです。
もう政府としては打つ手がないでしょうね。ラゴス前大統領は責任を全部現政権に押し付けて、この計画自体はいいのだが実施方法に問題があると結論付けるのでしょうね。でないと自分に責任がかかって来ます。
まぁどうがんばっても現与党の政権継続はないでしょうが。
日曜日の特集記事で市民の意識調査として、絶対投票したくない候補のトップがラゴスでした。それから「自分は左翼だが、次回はピニェラに投票する」が50%もあり、私の言っていることはチリ市民と共通していることを示していました。
しかしこの調査結果を見た政府の官房長官が、記者団に向って、「それそれ何って言ったっけ、そうそうアルモナシだったっけ、あの自転車のロードレースの選手、ピニェラってそれじゃない?最初のころだけ飛ばして、後でくたびれるっての。」この程度の大臣で良いのかな?

3) 裁判所の危機
   まぁおおげさに危機なんて書かなくても、チリの裁判制度が上手く機能していないことは市民の裁判制度への低い評価から分かりますが、犯罪者が逮捕されて裁判所にまわされても数日もしないで釈放されてさらに犯罪を重ねる現行制度では、低い評価もうなずけます。
しかし問題は法律の設定とかその運用という基本概念だけでなく、もう100万件以上の案件がペンディングになっており、破産(?)寸前です。裁判所の数、裁判官の数、裁判所で働く人間の数と全て足りないと言われ、この先どうなるのでしょう?