(経済)

1) チリ経済
  経済学者のコメントですが、「チリ経済の最大の問題は、インフレではない。それは硬直化しつつある雇用方式で、政府の方針がチリ経済を硬直させている」としています。これなんかもっと話題になっていいと思いますが、どうでしょう。

2) ブラジルが18億ドルを投じて南米横断道路の建設に着手
  2010年に工事は開始されますが、ブラジル側はサントス(サンパウロ)から、私たちが1月のバケーションで訪問したコルンバを通って、ボリビアに入り、サンタクルスコチャバンバを経由してチリのアリカ(もしくはイキケ)に入ると言うルート。ワクワクするようなルートですね。もちろんこのルートは現在でもあるのですが、大型トラックが自由に行き来できるような立派な道ではありません。この道路が出来たら人や物の往来が活発になるかな?

3) 食品関連
 A)サーモン  土曜日の新聞の特集にチリサーモンの憂鬱な日々という記事が載って、第十州の州都プエルト・モンがムエルト・モン(死んでしまったモン)と呼ばれるようになったとか、10州(デシモ州)がペシモ(最悪)州と呼ばれていると書かれていました。この数年サーモンの養殖ブームで大いに沸いた同州がサーモンの急激な落ち込みの影響を受けていることを示しているわけです。もちろん理由を調べて反省の材料にするのは必要ですが、サーモンの養殖事業がなくなってしまうのとは全く別です。食物の生産はこの先も世界の重要な産業であることは間違いありません。
    このため一時、宿敵ノールウェイに勝っていたチリですが、ここに来て再度、向こうの生産高が、チリを上回っているようです。
    ISA病原菌に汚染された地区が10州のチロエ島や11州の島に広がっているのが気がかりです。

B) 豚肉
  日本に続いて韓国からも締め出されたチリ産の豚肉はどこに行くのでしょう。調査の結果わかってきたのは中小のブタ養殖工場で、経費節減から、使い古した油などで汚染された飼料を使用したことがこの問題を起したことが明らかになってきました。大手の工場で品質基準をしっかり定めた所ではこの手の問題は起こりませんが、家内工業的な工場ではこれからも同じような問題が起こることはさけられないと思われます。政府の監督が行き届かないのですね。
  ただし心配された品質に疑問のある豚肉は今のところ、チリ市場に大量に流れた形跡は無いようです。大手業者の生産した豚肉を買えば問題はなさそうです。

4) 原油問題
世界の原油生産国のランキングを見ましたが、私の認識が甘いことを思い知らされました。皆さんもトップ10を知っていますか?

 1 ロシア          6 メキシコ
 2 サウディアラビア     7 アラブ首長国
 3 アメリカ         8 クウェート
 4 イラン          8 ベネスエラ
 5 中国          10 ナイジェリア

ねっ、意外でしょ。アラブ諸国がもっと上と思っていたし、ベネスエラももっと上かと思っていました。そのうちブラジルがこの表に入るのでしょうね。欧州の北の方も産出量が増えそうですが。
ところで原油の値段が下がり始めましたね。これもニュースにならない所で、裏の動きということですが、投機筋が手を引き始めたのでしょうね、理由は不明ですが。
つまり世界的に原油の値段は下がっています。オペックのコメントとしてバレルあたり80ドルまで落ちる可能性があるとされています。
しかしチリの石油の小売価格はなおも上昇中です、というのは値上げを抑えるための政府の援助が、原油が安くなったことから減少したため原油値段の下げが逆に小売値段の上昇につながったもの。この理屈はわかっても一般市民は納得していませんが。

5) 厚生年金
チリの厚生年金の資金運用はチリ、世界を舞台に行われていますが、世界の株式市場の下落から、厚生年金の運用も困難をきたしています。チリの年金運営は5段階に分けられ、一番危険度の高いAは今年度なんと10%も価値を落としました。100万円持っていた人は10万円損失したわけです。他人の金をどないしてくれるねんと言いたいところですね。
一番危険の少ないランクEはこの半年で0.8%のアップとか。私が定年退職する前に年金の下落傾向を変えてもらいたい、これは切実な問題です。

6) ランチリが好調
世界の航空会社が原油価格の高騰から赤字転落で苦しんでいるのに、ランチリは今年度も売上、利益とも新記録だとか。いったいどうなっているのかな?ピニェラって実際、才覚のある経営者ですね。売上増の内訳は旅客が32%アップ、貨物も41%アップ。旅客部門は国内線国際線とも好調で、ペルー、アルゼンチン、コロンビアの国内線も売上増に貢献とか。
弱点が無いようですね。今年度前半でランチレが使用したオイルの費用は前年対比3億1千万ドルの上昇で、それを入れてなおかつ利益が1億4千万ドルでていますから、原油価格の下降が進めば、下期の利益率の増大は確実ですね。

7) マンション・家屋の乙波が急増
首都圏の話ですが、前年対比17%アップの48000件が現在、市場に出ています。04年には17000件だったのが、わずか4年で2,5倍以上ですからね。ところが上期の売上はたった17300件で、前年対比6%のダウン。おまけにまだ建設中の物件が目白押しとか。
これでチリもアメリカに進行中の家屋市場問題の惨状を追っていると見られるわけですね。どうなるかな?