(経済)

1) 世界の株式市場がアメリカ問題から危機を迎えて1年がたちました。世界市場に与えた影響は甚大なものがありますが、その中でラテンアメリカは被害程度では比較的軽症といえます。
しかし専門家はラテンアメリカの被害が軽度で終わったのは銅・石油など高値で安定したマテリアルの存在があったからで、この図式が崩れ、原料安になれば、ラテンアメリカの株式市場は想像以上の損害を蒙るだろうとコメントしています。そうならないことを願って・・・。

2) チリは豪州と自由貿易協定を結びました。この協定は09年1月1日から発効します。しかしチリの行動力は素晴らしいですね。世界中どこの国ともこの条約を結べるようです。

3) しかし幸運な所にはさらに幸運が訪れるようです。
世界最大の銅鉱山エスコンディーダを所有するBHP社は過去17年間に発見された中で最大の鉱脈を発見しました。パンパ・エスコンディーダと呼ばれる新鉱脈は推定で10億トンの銅が埋蔵された鉱脈。これでエスコンディーダ鉱山の寿命は数年延長されることになるらしい。BHP社はチリへの33億ドルの投資を発表しました。しかしすごいですね。

4) チリはアルゼンチンから天然ガスを輸入していますが、その価格が急上昇。今年始め3ドルだったのがなんと今週17.2ドルになりました。(単位は100万BTU)50%アップじゃないですよ、574%アップです。で、液化ガスを輸入するほうがずっと安いことになっています。チリの風はずっと昔から言っているのですが、信用の出来ないアルゼンチンから輸入するのを止めて液化ガスの輸入を考えたほうが良いと。その頃は、まだアルゼンチンからの方が安かったのですが、今では逆になりました。
もっとも最善は遠い国との取引を止めてボリビアから天然ガスを入れることでしょうが・・・。

5) 失業保険の受給者が増加
今年5月の数字で失業保険の支払いを請求した人数は114000人で1年前と比べ10%の増加となりました。チリではサラリーマンは毎月一定額を積み立て、雇用者側の援護積み立てと合わせた元本で、失業の危険に対応する仕組みになっています。支払いの最高額は90UF(約185万ペソ)です。もっとも実際の支払額は100万ペソどころか10万ペソの単位だそうです。
ところで首都圏の労働者の70%は32万ペソ以下の給料とか。家族でこれだけなら厳しい生活ですね。ところで失業者は8.2%、つまり23万人。

6) 石炭の山が島を替える
エスコ島は第12州のプンタ・アレナスの南にある島で、牧畜が唯一の産業です。現在の人口は156人。ここに2億トンの埋蔵が確認されている石炭鉱山が開発されることになりました。計画では5千万ドルが投資されます。450人が従事して初期工事が行われ、工事完成後は350人の労働者が25年の寿命の石炭鉱山を掘削するとか。チリ最大の石炭鉱山の操業開始は近いです。

7) サンティアゴの物価
世界143の都市の物価を比較した統計が発表されました。3年連続で1番高いのはモスクワでした、2位は東京、3位はロンドン。しかし10位までにソウルと香港が入っています。アジアって世界的な物価高なんですね。ラテンアメリカではブラジルのサンパウロとリオが上位でサンティアゴは南米の5位、全体の92位でした。意外にここの物価は高くないんですね。隣国ブエノスアイレスはまだ安くて138位でした。極安ですね。だからチリからツァーが山ほど繰り出すわけだ。