(経済)

1) チリ中央銀行は今年に入って3回目の金利上昇を発表しました。0.5%アップで7,25%になりました。アメリカの金利2%と比べると極端に高いので、外国からチリにドルを持ち込んでも商売になりますね。
アメリカの金利が低いといっても、日本はゼロに近い0.5%です)
中銀はさらに4回目の金利アップもありうるとコメントしています。もちろんこれは消費、特に家屋や車などの価格の高いものには即影響するでしょうね。すると国内成長に一層の影が出るわけです。

2) 5月の経済成長率は2.1%と過去6年間で最低の伸び。1−5月の合計で3.2%と厳しい状況です。商業は依然として順調ですが、工業が落ち込んでいます。
一般に先行き不安感が漂い、与党の中からも政府にこの不安感を一触する為の施策の実行が望まれています

3) 信用度ランキング
   世界174国の経済信用度調査が行われ、チリは33位で今年もラテンアメリカのトップを守りました。投資の安定性、借入金を払う能力などの信用度ですが、メキシコやブラジルの上を行っています。
   確かにこの国に住んでいて、将来性がないとか、国が崩壊の危機にあるとは思えません。ただし国民一人一人が、十分の能力を超えた消費をして借金にクビが回らない生活をしているのも事実でしょうが。

4) 貿易
   今年度の上半期の数字ですが、ドルが弱くなったにもかかわらず輸出は順調に伸びました。主要輸出産物の鉱物資源以外でも農林海産物が伸びています。サーモンなどの海産品は前年対比29%アップ、チップなどの林業関係は15%、果物などの農産品も5%アップでした。それらの品目の主要輸出国はアメリカ、中国、オランダで日本はそれらに続いて4位でした。
   そのなかの漁業ですが、鯖やアンチョベータなどの水揚げが急減し、水産業界に暗雲が立てこもっています。

5) 借金
チリ国の数字ではなく個人のそれはかなり悲惨です。何しろ成人の5人に一人は借金が払えない状態で。今年になってそれは7%も増加しているらしい。統計ではその人たちは銀行、デパート、光熱費など平均5つの借金をかかえ、その合計額は85万ペソになるらしい。最後は電気も止められ、裁判所の命令で家屋や家財の差し押さえになるのでしょうね。
とにかく物価上昇率は止まる所を知らず、給料の増加を上回っていますから、毎月生活が苦しくなるわけで、今年のクリスマスはもう浮かれた雰囲気はなくなるかもしれませんね。
中国の工員さんの給料を上げるため製品価格が上がったといわれますが、安い中国品で息をついているチリの一般市民はそれも値上げされると買うものがなくなります。
   5月の物価上昇率は(直前12ヶ月で)チリは8.9%。それよりラテンアメリカで悪かったのはベネスエラの31%、アルゼンチンの9.1%でした。

6) 日本がチリの豚肉の輸入を制限
大変なことになりました。チリからの輸出の何と3分の1を占める最重要得意先の日本がチリ産豚肉から病原菌が発見されたことを理由にチリ肉の締め出しを発表。チリSAG(植物検査室)のメンバーが急遽、東京を訪問し、事情説明を行う予定。どうなるかな?

7) この週末、新聞の値段が上がりました。今まで600ペソだったのが700ペソに。エル・メルクリオとラ・テルセラの両紙とも同じ値上げ。こういうのを談合というのでしょうね。