(一般)

1) 先週、麻薬組織の一斉検挙がありましたが、その組織と警察官の関係が見つかりました。しかし、それはたんに二人の警官で終わらず、芋づる式に逮捕者が増えています。今週、検挙されたのは警察署長、刑務官、検事、裁判所所員・・・・などです。どこまで行くのかな?

しかし組織が大きいとこれくらい手を広げるわけですね。まぁ日本で言えば、広域暴力団でしょうか。

2) サンティアゴのショッピング・モールの近くのファースト・フードの店で誕生日パーティをしていたチリ人若者グループの何人かが東洋人グループに殴られ怪我をする事件が起こりました。新聞やテレビのニュースにも大きく取り上げられました。被害者側は「彼らに中国人と言ったら、いきなり襲い掛かってきた」そうです。加害者側に言わせると(まだ捕まっていませんが)「店に入るといきなり中国人のバカやろうとか、そんな細い目でよく見えるのかとか嫌味を言われたので腹がたった」でしょうね。中国人といわれて怒るのは、日本人か韓国人でしょう。
「チノ・チノ・コチノ(Chino Chino Cochino)」って汚らしい中国人ってことでしょうが、ラテンではこの言い回しは良く使います。
このチノ・グループはスキー服をきて手にスノーボードを持っていたらしい。来週には捕まると思いますが・・・・。
この事件の後、アジア特集のような記事が新聞の掲載されましたが、それによるとチリに住んでいる中国人は2800人、韓国人は2000人、日本人は1100人とか。中国と日本からの移民はチリに住み着く努力をしているが韓国系はここを足場にしてアメリカに移る夢を多くの人が持っているとか。ちゃんとサンティアゴ日本人学校の写真も載っていました。

3) 大気汚染問題
チリでこの問題がひどいのはサンティアゴ、テムコ、トコピージャです。
首都サンティアゴは車の通行量や工場からの排気で大気汚染が進み、周りを山に囲まれているため、風や雨がないと大気汚染はたまる一方です。10年前に政府は2010年までには大気汚染問題を一層すると方針を掲げましたが、実際はその逆で年々汚染は増し、06年に3回しかなかった準非常事態宣言は07年には6回になり、今年はそれをもう越えました。
またテムコは第9州の州都ですが、ここは薪や炭を暖房に使うのが問題。またトコピージャは第2州ですが、工業基地になっているためです。
大気汚染のひどかったロス・アンジェレスや東京が、それを乗り越えた例を参照にしてチリの都市も大気汚染を少なくしてもらいたいもの。

4) チリ人の物価上昇に対抗する手段
まずスーパーマーケットに行く回数が減ったらしい。とにかく中に入るとつい何か買ってしまうのを防ぐわけですね。それから特別提供品とかおまけのついた品物、さらにブランド品でなく、スーパーマーケットの独自のブランド品が売れ行きを伸ばしているらしい。同じ品質で値段が安いということでしょう。さらにスーパーマーケットでなく野菜などを中央卸売り市場に買いに行く市民が増加中とか。
また細かいことでは、使わない部屋の電気を消すとか電灯を省エネのものに替えることで電力消費量は若干減少中とか。
ファーストフードの店の売上が落ちているのはもちろん節約でしょうね。今までならすっと入った店に、今では財布を見ながら通り過ぎるのでしょう。寒くなってきたので灯油の売上が大幅アップしていますが、これは他の電気やガスに比べて費用が安いからですね。
車に関して言えば、小さなシティカーと呼ばれる種類の車の売れ行きが増加し、ガソリンは値段の安い低オクタンのものが売れているらしい。
市民が財布の紐を締め始めたことが良く伝わってきますね。

5) 火山
チリ南部第11州のチャイテン火山の華々しい活動は毎週お知らせしていますが、今週は9州のジャイマ火山が活動を再開しました。この山が今年1月1日噴火したとき、私はこの山の正面の村にいてそれを見ていました。そのときほどの勢いはないそうですが、政府は一部住民の移動を要請しました。両火山は距離にして百キロ以上ありますが、地球全体からするとまるで手をつないでいるような近距離ですから、きっと何らかの連絡があるのでしょうね。

6) チリ人の幸福度
世界価値統計の発表で世界97カ国のうち、チリは国民が幸福と感じているパーセントは上から35番目でした。ラテンアメリカでは下の方の10位。何とこの統計の1位は(経済)4のフォーブス誌発表の他のランキングと同じくデンマークでした。すごいですね。
しかしその統計の南米1位の幸せな国はコロンビアというのが違和感があります。ついでメキシコでした。