(経済)

1) ドルがなんと今週一度500ペソを越えました。430ペソまで落ちていましたから15%アップですね。対ドルで世界通貨の中で一番切り下がったのが何とチリのペソでした。2番目は日本の円とか(100円から108円で8%のダウン)中銀の買い上げが過ぎるのかな?

それからインフレを抑えるため中銀は金利の値上げを発表。一気に0.5%のアップです。今年度のチリ経済に与える影響は大きくないが、来年度はインフレも成長率も今まで推定されていたものより低めになるだろうと予想されている。それでも反応が遅すぎたとの批判が出ていますが。

しかしこれで借金を抱える多数のチリ人は大きな影響を受けますね。

チリの家庭は合計280億ペソの借金をかかえ、07年はそれが前年対比15%のアップ。で、それが家庭に与える影響は、単に経済的なものでなくストレスからの病気の増加と数字で現れています。借金のない人と比べて心臓病の発生は2倍以上とか・・・

最近12ヶ月の物価上昇率は8.9%ですが、それを細かく分析すると食料は19%、家賃は12%の上昇です。このデータを使うとチリの最貧困クラス20%では物価上昇率は平均11%、最富裕層の20%では7%になります。つまり同じ物価上昇率でも貧困層にはその重みが違うことがわかります。さてバチェレットはどう対処するのでしょう。

2) DC(キリスト教民主党)は大蔵大臣に最低賃金を現行の14万4千ペソから16万ペソに上げるよう要求しました。

3) サーモン産業

チリにある827のサーモン養殖場のうち、ISAビールスにかかっているのは24と報告されました。つまり全体の3%ですね。前月は18で、じりじり増加しているのが問題です。

4) アルコール飲料

   チリでは煙草は営業活動に規制があります。煙草の箱に健康に害があると表示する義務があるとかマスコミや街頭での宣伝の規制などです。同じことがアルコール産業にも適応されそうになり、彼らは必死のロビー活動で規制の緩和に成功とか。ビール会社がチリのサッカーチームのスポンサーをしてユニフォームにそのブランドを入れていますが、今のところそれを禁止することはないらしい。

5) アタカマ砂漠

アタカマと言えば、世界でもっとも乾燥した所として知られていますが、チリに作られた日本の鉱業会社がその道の専門家を呼んで、そこに人工雨を降らせないか探っているらしい。温暖化、乾燥化―――と地球の天候異変を人工的に緩和できるものでしょうか?