(経済)

1) 株式市場
昨年末から低落を続けていたチリの株式市場ですが、2月からプラスに転じ、5月まで4ヶ月連続上昇を示しました。とくに5月は今年最高の3.6%で終了し、不況脱出が顕著になってきました。

2) 失業率
4月(2―4月平均)の数字は7.6%で前月と変わらず。1年前に比べると1%のアップで、なかなか回復しません。
4月の経済成長は伸び悩みですが、それは鉱業部門がコデルコのストで8%も落ち込んだのが大きく影響しています。

3) 原油価格の高騰
原油価格の高騰は当然そこから作られるガソリンやディーゼル・オイ価格のアップになります。各国の価格比較をしてみるとトラックの燃料になるディーゼル油の場合チリの価格は1リットル1.3ドルです。これは南米ではウルグアイに次ぐ高い価格。ただし世界的に見るとイギリスが2.6ドル、フランスが2.4ドルなど欧州諸国よりは安いレベル。
国によって価格が大きく異なるのは各国の政府が補助を出していることと、税金体系が違うこと、また仕入れ価格が違うことによります。例えばベネスエラは友好諸国には他より安い値段で売っているのははっきりしています。
ボリビア国内ではチリの半額以下の1リットル0.5ドルです。もっともベネスエラではほとんど無料の0.02ドルです。
しかし燃料値上げに経営を厳しく圧迫されているトラック業界はストに突入するでしょうね。何とかこれを防ぎたい政府はガソリン税の軽減、もしくは特別援助でトラック業者への援助を考えていましたが、最終的に特別援助の方法で価格の安定化を図る模様。しかし原油価格の高騰はどこまで続くか分からないだけに、この方法を採用すれば一時は価格が下がってもその後、上がっていくだろうし、政府の援助額も限度があるはずで、無期限に援助が継続するわけはない。さて来週のトラック業界の動きが心配です。


4)ランチリ
ランチリは世界の乗客の0.6%を運ぶ小さな会社ですが、なんと世界の航空会社の10%の利益をあげています。なんだかホンマかなと思わせますが、ちゃんと新聞に書いてあるのだから事実でしょう。しかしチリの航空会社が世界の会社の10%の利益を上げるなんて!!! よっぽど他の会社は経営が下手なのでしょうね。

5)一般家庭の収支状態
国の機関の発表でチリの一般家庭は収入より支出が多いと発表されました。全国平均で65万ペソの収入があるのに、支出は68万ペソだそうです。その1家族の平均は3,6人。収入状態によって5のレベルに分けると一番所得の多い層を除く全ての層で収入を上回る支出が見られるとか。借金をしているわけですね。
確かに他のソースでもチリの家庭の約半数は超過債務を負ってその日暮らしという記事がありましたが、間違いないようです。私の職場でも今週、上司からリキャップ工場の工員さんのなかで借金に苦しんでいる人間がいるとの話がでて、注意するよう言われました。