(政治)

1) 今年も初っ端から大振動。仕事始めにベラスコ内務大臣が辞任。この理由がおかしくて笑ってしまう。先ごろまで大統領府官房長官は前ラゴス大統領の息子でしたが、その辞任でTVN(国営テレビ)の社長をしていたラゴス政権時の人間ビダルを急遽起用。バチェレットが彼を重用し始めたら、政府内部を取り仕切る役目の内務大臣が、私の仕事がなくなったと辞任したもの。先月はバチェレットとの面談の機会も持てなかったらしい。
大統領はこれを利用してかねてから噂されている大幅内閣改造を図りそうですが、渋い顔をして、「評論家、解説者のコメントにとらわれず私の任期の後半を盛り上げていく人選をしたい」とコメント。かわいそう。自分が好きなような人選を出来ないことを自白しているようですね。
週末、自宅に与党各党の党首を呼んで話し合っていますが、もちろん「あんたのところの某大臣を替えたいのよ、代わりに誰か推薦したい人いる?」なんて聞いているんでしょうね。
チリが民主化してからバチェレットは4代目の大統領ですが、彼女ほど大臣を替えた大統領はいません。つまり彼女に人を見る目がないか、彼女に大臣が馴染まないかのどちらでしょう。
新聞の解説では前ラゴス大統領は大臣が自分と気が合うかどうかは重要ではなく、役職を全うしているかどうかをチェックしていたが、バチェレットの場合は自分と気が合うかどうかが重要ポイントらしい。
しかしベラスコ内務大臣は官房長官の人事を新聞報道で知ったというから気の毒な限り。私は透明、公正、正直が好きですから、バチェレットのやり方とは正反対。彼女の秘密主義にもあきれたもの。

2) そうはいいながら12月に実施された世論調査で久しぶりに彼女の支持率が上がり(45%)、不支持率(39%)を上回りました。私はそんな数字を余り信用していませんが、彼女はそれについて、「数字の細かい点はどうでも良いが、人気の回復は喜ばしい」とコメントしています。

3) トラサンティアゴ問題はもちろん今年も継続です。昨年国会で08年の予算が認められず、いや僅か200円ほどの予算がついただけだったので、新年早々から経営難。これを解決するため、政府はチリ国営銀行から借金をすることで逃げようとしています。資金難で倒産寸前の企業に国営銀行が多額の金をつぎ込むことに対し野党はもちろん大反対をしていますが、しばらくはバス会社にも金が入るでしょう。

バスの台数が足りないとプエンテ・アルトからセンターへ行くルートなどに立派な遠距離用バスを雇って使用していましたが、今週からトランサンティアゴ用の連結バスが使用され始めました。すると乗客は今まではゆっくりと座席に座って行けたのに、これからは満員バスに立ったままで行くのかと渋い顔。今までのように豪華バスで行きたければ、乗車賃が上がりますよ。

3) 政府の鉱山金属公社に属するCIMS(T&S)の社長が解任されました。この男、会社を食い物にして自分の所属する政党や家族を重用しそれまでの度重なる勧告もすべて退けてきたのですが、これまで。なにしろ彼は先ほどDCから追放されたサルディバルの腹心だったとか。ねっ、チリの与党ってこんな程度ですよ。情けない。もっとももっと腹の立つチリ国鉄の最大責任者は同じDCのアルベアル党首の親戚ですからね。どこを叩いても埃が出るわけです。
   2ヶ月前までバチェレットの昔の夫がここに働いていたというのは偶然ですか?しかしバチェレットの昔の夫なんて立場にはなりたくないですね、彼に同情します。かんばってください。