(政治)

1) アルゼンチンの大統領交代式にバチェレットは出席。夫のキヒネルが妻に大統領のたすきを渡しました。女性大統領が出るのは不思議ではありませんが現職の大統領が妻に大統領を継がせるのは、ちょっと。
もちろん南米各国の大統領が出席していましたが,チャベスはいつものようには行かなかったみたい。バチェレットはもう完全に彼を避けており、顔も合わしたくない感じでした。チリのテレビ局がチャベスにマイクを向けると今は忙しいからと日頃に無い台詞でマイクから逃げていました??このまま終わるか,再攻勢をかけるかチャベス
バチェレットの外遊計画はこの日曜日のボリビア訪問と,その後のウルグアイでのメルコスール総会参加ですが、内憂の鬱憤を外で晴らす感じでしょうか。

2) 国内問題で最も頭の痛いのは2月10日からずっとトランサンティアゴの件です。いつまでたっても世論調査では最悪評価しか受けられないし,効果のありそうな改善案もでてこないし、予算は今年の12月31日でなくなってしまい,来年からどうして運営していけばよいのか具体策も出ていません。そこに来て,国会のトランサンティアゴ委員会の調査結果が出ましたが、それは前大統領を始め,前運輸大臣など,名指しで責任を追求しています。これではバチェレットもたまりません。
乗客のこの新計画拒否の理由としてバスを待つ長い列,遠くなったバス停,さらに無茶苦茶な込み方などがありますが、その例として昔のバスは席についた乗客が40名,立ったままが32名合計72名。今の連結バスの場合,着席が35名,立ったままが125名,合計160名とか。確かにこれはひどい込み方です。ただしバスの数が増えるにつれ、一時より待ち時間,平均時速などは改善されてきているらしい。
そしてとうとう運輸大臣が辞表を出しました。一部の改善はあったが全面解決を約束した12月末までに諸問題の解決できないというもの。しかし大統領が辞表を受理しませんでした。つまり近日中に予想される内閣改造で唯一生き残りが確約されたのがコルタサル運輸大臣というわけです。
野党側はおざなりの辞職申請とその拒否は、一種のショー,茶番劇と厳しい。もっとも彼を辞めさせて次の人間を大臣にすればまた数ヶ月は無駄に費やされる可能性があるので,彼で仕様がないとの声もあります。

3) DCの議員規律諮問委員会に出席する叛乱議員サルディバルに約200名ものファンが同行して大騒ぎ。調子に乗った彼は委員会でDCの汚職問題を根こそぎ明らかにしています。例の国鉄問題で疑われている元総裁はアルベアル党首と親戚関係にあるとか・・・しかし委員会もたまりませんね,身内からボロボロ問題を暴露されるのは。すぐに除名しても,その後もねちねちと発表されるのははっきりしているし。誰かが彼の口を封じてくれれば一番なのだが,それって暗殺のことですね。
   おまけに自分が党から除名になれば裁判に持ち込むとの構えも見せています。党本部との全面戦争ですね

4) 隣国のペルーですが,フジモリ裁判が始まり,6年の刑を科せられる可能性がでています。しかしすごかったですね,テレビのニュースで見ていると,彼は一人でしゃべりだし止りません。私は無罪と叫ぶ彼に裁判官がここを取り仕切っているのは私ですと,無理やり彼を黙らせていました。翌日のリマの新聞に一面トップで「フジショー」と出ていました。フジモリの一人ショーの意味でしょうね。
   裁判官とネゴをして刑期を6年から1年に短縮させ,彼はあっさり刑務所行きを受けるかもしれませんね。そのほうが後の政治活動がやりやすい。同じような境遇で刑務所に入らなかったガルシアが現大統領の国ですから、ペルーならなんでもありです。
ところがそのペルーですが、昨今の政治の安定性から外国投資が活発でラテンアメリカのトップクラスの発展を見せています。ちょうどチリが10数年前に見せたのと同じ現象らしい。チリはその発展の維持はしているが、更なる飛躍に失敗しているわけですね。
しかしバチェレットが現在訪問中のボリビアは東部諸州の独立運動が活発で国中が混乱の極み。軍隊は中立を表明していますが。そこでボリビア・ブラジルの大統領と南米縦貫道路の建設について話し合うらしい。

5) チリの風とは直接関係ありませんが、ドイツのある研究所の発表で2020年に世界の情勢はどうなっているかとの予想が新聞に掲載されました。それによると世界に影響力のある国として1位アメリカ,2位中国,3位ロシア,4位日本5位欧州連合でした。これが2040年になると1位中国,2位アメリカ3位インド,4位日本5位メキシコと予想されています。
自然環境の破壊、国際テロリスト、極貧(過剰人口)、戦争、資源減少などの問題を抱える世界が2040年まで現状の維持・発展をできるか疑問ですが,世界情勢が大きく変わるだろうということは理解できますね。