(政治)

1) しかし笑ってしまいませんか。来年予算を審議する国会で、例のサンティアゴ新交通計画「トランサンティアゴ」が審議されましたが、野党はこの問題案件の改善案が明確でないので政府要求の追加予算は認めないと拒否。これに与党DCの一部議員が同調したので,政府申請案は否決されました。この際、与党内で大騒ぎとなり,拒否案に同調した議員の所に同じ与党の連中が押しかけてなじり始め,お前たちは政府から出て行け出て行けの大合唱。これは近い将来DCの内部分裂、与党連合の終焉につながるのかな?

そして夜通しの審議で最後は,何と1000ペソ(約200円・・・冗談ではありません,本当にたったの200円です)が承認されました。何か仕事をしたという証拠に1000ペソが議題に登ったのでしょうが,実際にそれが全予算なら,運賃の値上げは強烈でしょうね。

もっとも新聞に論調が載って1000ペソでも予算が通れば,それをベースに1千万ペソでも1億ペソでも大蔵省はその額の変換をするのは可能としています。既存の法律のどんな条項を使えばそんなトリッキーなことができるのか知りませんが,正常でないことは確かです。

バチェレットは「これは首都圏だけの問題ではありません,地方の問題でもあります。というのは首都圏の予算が増加すれば,同じだけ地方の予算も増加します」と訴えているが,そんないい加減な予算計上が許されるのかな?チリはまったく無尽蔵に予算を組めるみたいですね。

2) イベロアメリカ国際会議から1週間たちましたが、まだ余韻は続いています。例の「おまえさん,黙ったらどうだい?」はもう流行語ですね。

スペイン国王がベネスエラの大統領に言った言葉です。

チリはチャベスの傍若無人振りを批判して、ベネスエラと距離をおく方向にあります。そのチャベスはスペイン国王のコメントでチリ〜ベネスエラ国の関係が悪化するなんて理不尽としています。チャベスはこのまま力をつけて反アメリカ同盟の盟主になっていくのか,それともあっさり消えていくのか(例えば暗殺されるとか逆クーデターにあうとか)分かりませんね。

さて同国との関係悪化を補うためか,バチェレットはボリビア訪問を計画中です。この面談にブラジルのルラ大統領にも参加してほしいと要請中らしい。何しろ会議でじっと沈黙を守ったブラジルですが沿岸にサウディアラビアやベネスエラ級の大規模油田が発見されたようで、チャベスを片隅に押しやってしまうほどの大ニュースになるかもしれません。

バチェレットはこの他ペルー訪問も準備中です。外交で忙しくなりそうな彼女ですが,国内問題は大丈夫かな?

そうそうバチェレットは隣国の次期大統領キヒネル夫人と来年ローマ法王を共同招待しようと計画中。来年はチリ・アルゼンチンのビーグル海峡国境問題収束の30周年になります。

3) チリの教育制度が変更になります。今まで小学校8年,高校4年(合計12年の義務教育)制度だったのが、小学校6年,高校6年(合計12年は変わらず)になります。何故これが改善なのか良く分かりませんが、すごく良くなるそうです。問題は全国の市町村が経営する公立学校で,予算の多くない区では当然,学校施設や設備に限界あり他の裕福な市町村と同じレベルの教育を子弟に施すことが出来ず、この差が問題となっています。

さらに学年数の増える高校の先生の数,質も問題になってきますが、現在高校の先生は平均で週に30時間ほどしか働いていません。もっと効率的なやり方は無いのでしょうか?