チリの風 その88 04年8月29日―9月4日

しかし笑ってしまった。先週、スイスの国際機関がチリの労働時間は世界で8番目に長いと発表したが、それをうけてテレビの討論番組で次のテーマがかけられた。「チリ人はワーカホリックか単に時間中おしゃべりをしているのか?」
結論は、25%はチリ人は働きすぎと考え、75%はそうではなくて自分たちをたんなるサボりと考えている。けっこうチリ人って正直なんですね。もっとも私が日本で仕事をしていたとき、同僚の中で勤務時間中はサボって、その後遅くまで事務所で残業していた人がいたのを知っていますが・・・


(政治)
1)ラゴス大統領の息子は政府機関の要職についています。(実力なのか父親の七光りなのかは知りません)その彼が88年のピノチェット政権継続可否国民投票のキャンペーン中、ピノチェット側が、反対勢力のイメージダウンにラゴスの別れた妻を引っ張り出し、インタビューでラゴスはひどい人間だと言わせたが、その計画を実施したのは今回の児童売春事件で虚偽承認のためダメージを受けそうになった野党第1党のノボア党首だったとコメント。
しかし16年前の出来事を今持ち出す必要があるのか、またその発言の根拠は何かはっきりしませんが、野党党首が人気急回復との情報が入ったのでしょうね。ほんと、右翼も左翼も同じようなものです。
地方自治体の首長選挙が間近ですからね。(新聞にも各政党が、活発に事前運動を繰り広げているのが報道されているし、道路などでポスターが貼られているのを見かけるようになりました)

2)ピノチェットの犯罪
既にチリの風で予言したように水面下では激しい戦いが繰り広げられていますが、ピノチェット自身はまるで暴風雨の外にいるようです。
ピノチェット側はこの裁判を担当する裁判官はピノチェットに悪い先入観念をもっているから他の人に代えてほしいと訴え、時間稼ぎをするなど、いつ実質審議が始まるのかわかりません。
ワシントンポスト紙にピノチェットの家族がアメリカの銀行口座のお金を他に移しているとの報道もありましたが、どこまで見せるか、どこまで正当化できるかを家族、軍を交えて検討し、その結果を実行していることは明白です。


(経済)
1)APECの準備会議がサンティアゴで開催中。
チリ政府は日本代表と両国間の自由貿易交渉を進めたいのですが、上手くいっていない模様。
さてこの会議のためにチリ訪問中のペルー代表からペルーの天然ガスをチリに販売することも可能だと表明あり。ただし2007年から。しかし隣国ボリビア、ペルー、アルゼンチンに豊富に天然ガスが出るのにどうしてチリから出ないのかな?
さて本会議は11月ですが、約5000人の外国人がこの会議に出席のためチリ訪問予定しており、(約20か国の首長を含む)サンティアゴはその期間(もしくは初日のみ)祝日にして混乱を避ける計画あり。
チリ内外のグループがこのAPEC会議に反対を表明しているし・・・

2)チリと言えば、銅の輸出だった時代が長く続きましたが、今では鮭、ぶどう酒、木材チップとか輸出品目が多様化しています。その他に果物の輸出はこの10年で2倍に増加、着実な進歩を見せています。94年に輸出総額9億6千万ドルだったのが、今年は19億ドルが見込まれています。ぶどう、りんご、梨、キーウィなど。
不思議?なことにペルーのフルーツ業界にチリが深く関与という記事が出ました。チリ資本が入った農園、チリのプロを雇用したペルー農園がたくさんあるというもの。さすが。

3)アメリカ経済という雑誌の発表では、ラテンアメリカの経営コースのベスト大学院(MBA)ランキングでトップ10にチリから3つの大学が入りました。メキシコやブラジルを抑えて首位ですからね。まぁオリンピックの金メダル争いとは意味が違うでしょうが。


(一般)
1)APECの会議に関連して着物展が国立美術館で開催中。
盛会でした。私も見にきましたが、たくさんの人が入っているだけでなく、ビデオで着物の着方とか西陣織の作り方とかやっていましたが、黒山の人だかり。着物って人気があるのだと分かりました。

2)9月17日を臨時祝日にする法案が成立。ラゴス大統領は10月にある祝日を削って、18日の建国記念日に合わせる案を提出しましたが、これは拒否され、国会で単純に祝日1日おまけの法案が採決されたもの。一般に考えられた20日ではありませんが、土曜日曜だけではもの足りないので、やっぱり1日は建国記念の祝日におまけして、国民にゆっくりアサードを食べ、チチャを飲んでクエッカを踊ってもらおうと言う次第。

3)高速道路を通行中の車に投石
しかし悪い癖がついてしまいましたね。この種の事故が頻繁に起こるなんて。今週も三人の子供が(10―15歳)車に投石し、それが一台の車に命中、乗車していた女性の顔面を直撃。重症です。悲しい。

4)イースター島に監獄
今まで、仮の小屋のようなところに囚人が入れられていたが、やっと本格的な監獄の建設がはじまった。よかったねと言うべきか?あんな辺鄙な島でそんな犯罪人がいるのかと不思議な気がしてしまうが。

5)間歇泉で事故死
チリ北部の名物の一つにタチオの間歇泉があります。朝の早い時間に熱湯が噴出すわけです。それを見に行った観光客が写真をとっていてバランスを崩し、そこに落ちて全身やけどで死亡しました。チリの場合、日本と違って、ここから先は立ち入り禁止などと指示した標識も無く観光客の常識に任されています。で、こう言った事故がおきます。

6)チリの経済の安定化に関連して、航空便の利用客が増加。
今年は1―8月で前年の5%アップ。最も利用された区間サンティアゴ―アントファガスタでした。ついでコンセプシオン


(スポーツ)
1)サッカー
そうでしょうね。もうサッカーWカップの予選の話が、全国の話題でしょうね。フェオーワードに誰をだすかなんて皆で話しています。私はサラスを先発に使うのが正解と思いますが、どうやら彼は前半はベンチで見ることになりそう。
と言うのは、サラスは現在体力に限界があるからスタートに使い、スタミナが切れたら交替というのが正しいはず、途中で彼を入れたら、仮にスタミナ切れになってももう彼を交替させる枠がなくなってしまう。

2)テニス
オリンピックでメダルを取ってから、急にテニス熱が高まり、現在進行中のUSオープンも国民の関心を集めています。シングルはもう負けてしまったが、ダブルスはまだ勝ち進んでいます。
マスは長い間ATPランキングのトップ10入りを目指して失敗してきましたが、今回彼は負けたのにその上の選手が負けてしまったで、なんと一気に第9位まで上昇。さてこれを維持できるかな?

その後は対日本のデービスカップです。

以上