チリの風 その49 2003年11月16日-22日

2003/11/25 (火) チリの風 その49 2003年11月16日-22日

月曜日、ちょっと雨が降って、涼しかったけど、そのあと30度を越す日が続いています。
今週の話題は、サッカーとテレトン(チリの風、その46で紹介したチャリティー番組)でしょうが、さて・・・・。

(政治)
1)先週、ボリビア問題についてお知らせしましたが、チリでは盛り上がりませんでした。ベネスエラの大統領がボリビアの海で泳いで見たいとあからさまにチリーボリビア国境問題でボリビア側に立った発言をしたのが発端ですが、ニュースで、何度も取り上げられたくらいで、特に反ボリビア、反ベネスエラが盛り上がった気配はありません。
国民が、愛国心丸出しで、ベネスエラやボリビア攻撃をはじめれば、政府としても国内向けだけでも何とかポーズをとる必要があるのですが、その点、チリの国民はクールで「ベネズエラって、政治も経済も上手くいっていないかわいそうな国でしょ・・」って感じで取り上げられています。
(立派、これがデモ隊を組織してベネスエラ大使館を攻撃するなんてしたら、最悪ですよね)
政府としても駐ベネスエラ大使を本国に呼び戻したくらいで、目立った抗議もしていません。
もっともベネスエラはチリが大使を自国に呼びつけて、任地から離したので、対抗上同じ措置を取りました。
やっぱり、こんなことになるのは、チリの南米の中での孤立化(先週のアルゼンチン大使館進入事件、先月のボリビアでの反チリ暴動など)が進んでいるからでしょう。

2)マイケル・ジャクソンが逮捕されたというのも、象徴的な出来事だが、チリでも似たようなことになるだろう。例の幼児性的虐待事件は、今週も継続し、先に問題化したテレビ局ではない他の局が別の証人を登場させ、その種のパーティに国会議員を含む多数の人間が関与しているとコメントさせた。これに野党第1党が反発、自党おろしのでっち上げと大騒ぎ。
あまり同じ事が続くといやけがしてくる。

(経済)
1)物価上昇率
11月もチリのペソ高から、輸入物価の価格の下落があり、平均してマイナス上昇が見込まれている。つまりチリの物価上昇率は完全にコントロールされていると言うわけだ。先週からバス代が300ペソから290ペソに下がっている。私にすれば10ペソ下がるより、その分バス業者の懐に残しておいて次の値上げを遅らせることにしてもらいたいが。
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(一般)
1)タクシーが爆発して、死傷者。
一般のガソリンではなく天然ガスを燃料にして走行するタクシーがガソリンスタンドで、ガスを入れようとしたところ、ガス漏れがあったため、それに引火して爆発。死傷者がでたもの。ガソリンスタンドの周辺は大騒ぎ。
結論として事故の原因はそのボンベの装着をした業者がもぐりで、正規の取り扱いをしなかったためそこで問題が発生したと言うもの。
で、その車を改造したランカグアの修理工場関係者が多数逮捕された。さらに問題は継続。この事故の後、ガソリンスタンドが安全性の確認が必要として他の改造車にガスの注入を一時ストップ。このためガソリンより天然ガスのほうが安いと燃料をガスに換えたタクシーが、燃料がなければ仕事が出来ないとガソリンスタンドを占拠して抗議の大騒ぎを起こしたわけ。
さすがチリ。この天然ガスを車の燃料にする仕組みは世界的に認められており何ら危険性はないと言う政府コメントは正しいにしても機械の装着をいいかげんにやっておれば、ガス漏れ、爆発が起こりうるのは当然ではないか・・・・。
ただし石油会社の発表では既にこのシステムがチリに導入されて3年になるがこれがはじめての事故だとしています。
しかしそれでもまだチリは国際規格を使用しているが、隣のアルゼンチンではそれすらもないので、どの店でやっても改造にかかる費用がチリよりはるかに安いらしい。で、チリからわざわざ隣国まで行く人間がいるとか。
ところで現在、この天然ガスを燃料に使っている車はチリ中で1800台だそうです。

2)心臓移植
チリでも臓器の移植はもう一般的な出来事になりましたが、今回14歳の少女が心臓移植を待っていたところ、臓器提出者が間に合わず、今週死亡しました。彼女は75日間、入院していましたが、その間頻繁にテレビのニュースに出て、いつなんどき死ぬかもしれない状況下で、必ず微笑んで画面に映っていたのが、印象的でした。
人間いつかは死ぬわけですが、彼女のように死を恐れず最後の日まで見事に生きていったその生き方にチリ中が感動しました。
(私は涙もろいので、彼女のことを思い出して、悲しくなります)

3)カルロス・メンネム元アルゼンチン大統領の子供がサンティアゴで誕生。奥さんはチリ人ですから当然?

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(スポーツ)
もう、書く気もしませんが、火曜日の夜、Wカップ南米大会予選が行われチリ・ティームはホームにパラグアイを迎えました。そして国中の期待を裏切って0対1のまさかの敗戦。
私の友達の日本人がパラグアイに住んでいますが、その人から2度にわたって嘲笑、挑発するメールが入り、落ち込みました。
しかしそれが勝負の世界。彼が言うように勝てば官軍、勝負の世界にレバ、タラはありえない。
まぁそうです。
外国を相手にすると今回のように国中が泣いてしまうことになるので、話題を国内リーグ戦に向けることにしましょう。そうすればどこのテームが勝っても誰か喜びますから。まぁ阪神が勝って日本国内で大騒ぎと似たようなことですね。

以上