チリの風 その1013 2022年10月10日ー16日

最高気温は20度を軽く超えていますが、朝晩涼しいのでまだそれほど暑いという感じはありません。朝は7時ころ明るくなり夜は8時ころ暗くなるサンティアゴです。
今週の話題は飛行場に行ったことです。旅に出たのではなく、日本から送られてきた小包が保留されているという通知が来て、その会社が空港にあると書かれていたからです。
空港でその会社のことを聞くと係員は誰も知りません。そこでインフォメーションに行くと、税関倉庫は空港の建物ではなく、まず数キロ離れた有料駐車場まで行ってそこからほかのバスに乗り継いでその倉庫に行けるとか。難しいとすぐにわかりましたが、何とかそこに行きました。書類を見せて本を渡してほしいというと、入口の人から面談の予約をしたかと聞かれ、していないというとそれでは中に入れないとか。そこで粘って今要請したいとすると半時間は待たされるよ。しかし10分ほどで中に入れました。出てきた社員は小包の保管料は払っているかと聞くので、いやまだだが、ここで払うとしました。すると、私のデータをいろいろ聞きだし、最後にこの結果をメールで連絡するとコメントしました。日本とチリの郵便システムはどうなっているのでしょう。その二日後に、私のところに本は届けられました???
知人の日本人が亡くなられました。彼はチリ以外の国にも生活したことのある国際派です。私より少し年上でしたが、自分は人生を楽しんだとよく言っていました。
私も彼の歩いた道をもう少し歩きたいです。ご冥福をお祈りします。
ちゃんと山歩きはしましたが、10キロマラソンは無理でした。
台所の花壇で親鳥が卵を温めています。いつになったら幼鳥が生まれるかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
北部のアントファガスタ州を初訪問
南部だけでなく北部にも軍隊を派遣する特別制度を認めてほしいという要請が出ています。ボリッチは今週その州を訪問しました。
その地区の 銅を輸送する鉄道が狙われ何度も被害が出ています。強盗グループが運転手を襲い、積まれている銅を盗んでトラックに積み込んで逃げるわけです。
今回は警察の調べでその銅の一部が国境の町アリカで見つかりました。ペルーへ輸送中だったとか。
さてアントファガスタで不法移民について聞かれると、ボリッチは私の政策ははっきりしている。正常化させるか、帰国を命じるかのどちらかだと回答しました。
ボリビアとの国境から不法にチリに入る移民が後を絶ちません。
そしてそれに加えてボリッチは最後に国民の安全を守るのが目標だから、自分たちは犬になって犯罪グループの後を追うとコメント。犬になるのが最善なのでしょうか?
2)TPP11
上院で可決されました。否決の投票をしたのは多くが、共産党新左翼の議員で与党です。政府と与党が対決する不詳事態は世界でチリとハイチだけだろうというコメントが出ました。素人の私はそれが冗談なのか真実かわかりませんが、異常なことは確かです。
野党から新憲法に関してもこれと同じように政府内で混乱があると言われるとそんな気がしますね。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.48ドルと先週より少しですが、上がりました。うれしい。銅の値段が上がるニュースが私にはトップクラスのニュースです。
1ドルは945ペソと先週と同じ。どうしてドルがこんなに高値を続けるのでしょう?アメリカも多くの問題を抱えているみたいなのに。
2)求人数
中銀の発表ですが。求人数は過去2年で最低とか。9月の数字は対前月で16%マイナス、対前年で44%マイナスとか。勢いが落ちたというのは本当ですね。
それからまだオンラインで働く会社もあって、高級事務所の人気が下がる一方、空き部屋が過去8年で最高だとか。
来年のビル建設は今年より5%下がると言われますが、景気の停滞がはっきりしているのでしょうね。

(一般)

1)デモ
今週も祝日の月曜日にデモがありました。地下鉄・道路の封鎖が起き、10名逮捕されましたが、警官が1名負傷しました。
今年に入って6名の警官が殺されています。今週、首都圏近郊で不法な道路レースをしているグループを抑えようとした警官が襲われ殺されました。犯人は逮捕され裁判になっています。
さて来週の10月18日は社会騒乱が始まって3回目の記念日です。高校生の地下鉄タダ乗りから始まりチリ通常社会が粉砕されました。そのころ、学生グループを動かしていたのがボリッチですが、彼がそのころ書いた文書が土曜日の新聞に掲載されました。それによると暴動により起こった社会騒乱に関し、これは素晴らしい、そして有効な手段だ。これを怖がってみるのではなく喜びをもって見ていこうとしています。その彼が今は大統領ですね。
今の経済大臣グラウが、そのころツイッターした文ですが、「暴力警察の君たちとその上司がいつかその責任を問われるを待つ」
他の記事でその暴力行為を支持するとした人がこの3年間で半分になったと書かれています。地下鉄の駅を壊し、教会に火をつけて、商店で略奪行為…これが社会のためになるとする考えが半分になったのは当然でしょうね。まだ高校生で暴動デモを続けているグループがありますが。
どこかにボリッチが自分も過ちをしていたと自己批判すべきと書かれていました。
2)コロナ問題
同じような数字が続いています。それまで2000人台だったのに木曜日4796人まで上昇。これはPCR検査数が増えたからです。いつも同じことを言っています。
3)マプチェ問題
数名の覆面グループに大きな荘園が襲われ、家屋がほぼ全焼しました。そのオーナーの女性はグループに銃を突きつけられ、ここから逃げ出すように言われたが拒否したとコメント。
何年ヵ前に同じように荘園が襲われその家屋にいた老夫婦が焼け死んだという事故がありました。マプチェ問題は継続というのがはっきりしています。
南部で木材が盗まれますが、木材を積んで走るトラックを全部調べれば、犯罪は激減すると思いますがどうでしょう。この土曜日に2台の木材運搬トラックを調べたら盗まれたものだったとか。
4)肥満問題
チリの年少児の肥満が問題になっています。31%の子供が問題を抱えているらしい。2023年には肥満児の数が正常児の数より大きくなりそうとか。
2009年では正常児49%、肥満児16%でしたが、昨年はそれぞれ34%、31%になっています。毎年の傾向を政府・学校・家庭は認識していないわけですね。
5)世界の横丁ランキング
派手ではないが何か面白いという横丁の世界ランキングが発表されました。1位はメキシコのグアダラハラでしたが、南米から1か所だけ、チリサンティアゴのユンガイ地区が9位に選ばれました。
公園、博物館、喫茶店とか見ながら歩くのが楽しいとか。この3月からボリッチがそこに住んでいます。日本から東京の下北沢が7位に入りました。
全然、関係はありませんが、世界大学ランキングでラテンアメリカの20か国428校の中でなんと1位と3位がチリでした。カトリカ大学とチリ大学です。2位はブラジルでしたが、チリの大学は毎年。こうして光っていますね。

(スポーツ)

1)サッカー
チリカップ戦で残っていたカトリカ対チリ大学の試合があり引き分け。それでチリ大学がベスト4に進出。ウニオン・エスパニョーラと戦います。もう一方はマガジャネスが決勝に進出。
リーグ戦は首位のコロコロが次の試合に勝つか引き分けで優勝。もう間違いありませんね。
2)南米オリンピック
パラグアイで行われた大会でチリは4位のメダル獲得をおさめました。1位はブラジルですが金メダルは131個。チリは38個でした。そこそこですね。素晴らしい。


以上

チリの風 その1012  2022年10月3日ー9日

小雨が降ったり、うすら寒い日が多かったサンティアゴです。
山登りを予定した日に少し雨が降ったので延期にしましたが、丘のぼりを2か所で実施。マラソンは3回練習しました。
10キロ走ったのは1回ですが、完走すると充実感があります。大袈裟ですが本当です。
土曜日のサッカー教室は曇っていましたが、10数名の参加者で楽しく練習しました。
それから今週は2度、大事な会議に出席しました。まったく異なった分野ですが、そういう機会に巡り合うのがうれしいです。
健康にも恵まれ、今週もいつものように幸せな毎日でした。
先週、私の台所で生まれ育った小鳥が飛んでいきましたが、なんと今週、違うカップルが来て、また2個卵を産みました。親鳥が代わりばんこに卵を温めています。
明日は祝日なので、多くの車が郊外に出ていきました。

(政治)

1)ボリッチ動向
 あまり大きな仕事はなさそうです。次の夏の森林火災予備の集会に参加しました。今週、イースター島で大規模な火災が起こり、20%のモアイに修復不可能な大きな影響が出ています。それからボリッチは零細企業育成の集まりでコメントしたりしました。
 ところで彼の奥さんはファアーストレディとして大臣級の大きな仕事を受け持っていますが、彼女はそれを拒否し、今年中にすべての任務を終了すると発表しました。チリが民政化してから、この「職」は継続ですが、バチェレットの時はファーストレディではなく彼の息子が その仕事をしました。もちろん将来のその仕事には影響しないで、彼女だけがその任務を放棄するのでしょう。
 何か不愉快な出来事があったのか、そんな仕事に興味がないかでしょうね。
 オレジャナ女性省大臣が、今の妊娠中絶法は、母体に悪い影響があるとか暴行によって妊娠させられた場合は中絶の実施を法的に認めています が、自分はすべての妊娠を中絶できるようにしたいとコメントして大問題になっています。
法案と違うことをほかの誰にも相談せず発表したのでしょうね。さぁこの先どうなるかな?
女性の話が続きますが、先日、辞めさせられた内務大臣は、元の仕事、医師に戻りました。どんな毎日を送るのでしょう。
2)TPP11
来週の火曜日に議会で可否の投票がされます。ラゴス、バチェレットそしてピニェラと左右の政権が承認していた条約をボリッチの与党は反対するわけですね。この条約に関し、外国からの投資でチリと問題が起きたのは過去に6度あるそうですが、チリ側と外国側に有利なように結論が出たのは半々だったとか。ちゃんと条約が機能していますね。経済学者がこれに反対する政治家は条約をちゃんと読んでいないのだろうとコメントしています。
先の大統領選挙で右翼側の候補の一人だった元大蔵大臣のブリオネスはインフレが収まらず、経済成長が低く、そして失業率が高止まりなら国民生活に大きな影響が出て、ボリッチ政権は深刻な問題を抱えるだろうと予測しています。当たるかな?
確かに9月の輸出は前年対比0.9%下がりましたが、4か月連続です。どうなったのと聞きたいですね。
ウォールストリートの数字が下がっていますが、チリの株式市場も今週2%も下がりました。
3)新憲法
 各党の動きがバラバラですが、何とか合意事項ができたようで、もう少しで国民への提案が出そうです。

(経済)

1)物価上昇率IPC
9月のIPCは0.9%、過去12か月では13.7%になりました。もちろん高値安定ですが、少なくとも12か月の数字が久しぶりに前月より下がりました。つまり上昇傾向が一段落です。鶏肉の価格が今年に入って今までで40%も上がったとか??
8月の経済成長率はマイナス1%の予想でしたが。最終的にはゼロで終わりました。
2)銅価格と為替
 1ポンド9.43ドル、1ドル943ペソと先週とほとんど同じです。

(一般)

1)暴力事件
 今週、3度も高校生の暴力行為がありました。有名高校から白いオーバーオールの服を着た学生が外に出て道路を封鎖して車の通行を止め、それを開放する為に来た警官に火炎爆弾を投げつけるものです。1台のバスが全焼しました。
 2時間目までいたセルヒオが突然、教室からいなくなるという状況が毎週続いて、クラスメートは何もしないのでしょうか。
 3年前の社会騒乱の時、暴れまくったデモ隊を抑えようとピニェラ政府は警官の大量投入をしました。新左翼グループは右翼政権は警察の暴力を市民に向けるしかしない、そのデモの理由を理解できないとクレームしましたが、自分たちが政権を握ると同じことしかできません。つまり右も左も同じという証拠です。
 マプチェの方も同じで、森林会社から木材を盗んで逃げたトラックが捕まりました。ただ不思議なのはその運転手が、裁判が始まるまで自宅待機になって、刑務所には入りませんでした。それでよいのでしょうか。裁判所の仕組みですが、不思議です。
 今年に入って都内の商店で犯罪にあったのは59%とか。強盗窃盗などですね。悲しい実態です。
2)コロナ問題
 もうほとんど話題になりません。
 先週からマスクの使用が不要になりました。それでも患者数は増えていません。じゃ今までもマスクの使用は不要だったの?
 もっとも患者数が増えないのはPCR検査数が減少しているからなのですが・・・
OECD加盟国の中で、コロナ問題で学校を封鎖した期間を調べると一番長期間封鎖したのはチリでした。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦ですが、先週から延期になったコロコロ対カトリカ戦は火曜日にコロコロのホームで実施されました。
 カトリカファンの入場は断られたので一部のスタンドに空席がありましたが、そのほかの席は満席で4万人と言われるファンが来ました。
 カトリカが勝ちそうでしたが、決定打がなく0対0の引き分け。ただコロコロのファンがまた球場の鉄塔に上り叫びました。まったくコントロールができないのですね。
 今週の結果は首位のコロコロは2位と対戦し引き分け。あと3試合で勝ち点の差は9ですから、もう優勝決定でしょうね。
チリ大学は勝利をおさめ2部リーグに落ちる可能性が薄れました。カトリカは引き分けで変わりません。


以上

チリの風 その1011 2022年9月25日-10月2日

過去13年で一番寒かったといわれる9月が終わり、10月になりました。
一か月ほど前に野鳥が私の台所の外の花壇に卵を産みました。それが育って今週、飛び立っていきました。もうお別れだと思いましたが、なんと翌日また同じところに親子で戻ってきました。外の木の枝より快適なのでしょう。最初から親子にちゃんと水と食料をあげていましたよ。
登山も面白かったです。第2展望台から下の谷を見ると花園になっているので、花好きの仲間に付き合って、そこを見ようと谷底を(水は流れていません)下から歩きました。野生の花が多く咲いています。そして対岸の岩壁の方にも花が多かったので登っていきました。誰も行きませんから道はありません。
それでも無事に山歩きを終えて戻ってきました。
土曜日のサッカー教室は10数名の参加者で実施。暑いほどの気温でしたが、楽しくプレーしました。
ラソンもいつもの通り。週日に一人で10キロ走り、日曜日は仲間と練習。記録は最近いつも同じです。

まだこうして飛んだり跳ねたりできるのがうれしいです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 木曜日、全テレビ局を通じて来年度予算の説明をしました。景気回復をする政策を基本にして、国民の生活の安全を図る。また市民の安全確保を第1にしてその分野に現在より多い予算を回すなどを説明しました。国が投資する新規事業で20万人を雇用するとしています。
もちろん口で言うのは簡単です。ちゃんと実施・実行できるのと言われそうですね。
週末、彼はコピアポに。そこは8月に大きな洞穴を見に行ったところです。今回は自然保護のため砂漠のお花畑見学とか。観光好きですね。
2)新憲法
もう飽きたという気がしますが、今週の議論では話が進まず来週また各党が議論するとか。新聞の特集に右翼・左翼の見解という表が出ましたが大きな違いはありません。つまり右も左を同じようなわけです。それが今回の新憲法委員会では極端な方向に流れて国民の支持を得られなかったのですね。
3)TPP11
今週、結論が出るはずでしたが、延期されました。与党の2グループ、特に共産党が頑強に反対し、先延ばし作戦を立てているとか。
過去30年、諸外国との協調で輸出が増え、チリの経済成長が安定化したのは数字で確認できますが。
新左翼は、前回2018年の大統領候補だったそのグループのサンチェスがその様な条約にはサインしないと明言していますから、ボリッチも基本的には同じ考えなのでしょうね。もっとも今の彼は検討・議論が延期になったのは残念だとコメントしました。
新聞に野党が彼の案を支持して、与党が拒むなんて、世界で唯一の国と書かれました。つまりボリッチの統率力が無いわけですね。
4)新大使認証
6か国の新大使がボリッチと面談し、認証を受けました。アメリカやフィンランドのほかにイスラエル大使も入っています。
3月からの新政権は外交問題が多く出て、安定性に欠けると言われますが、確かにそうですね。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.47ドルと先週より少し上がりました。為替は1ドル966ペソでした。
ペソは落ち込んでいますが、対ドルで世界で6番目に落ち込んだ通貨になりました。
チリ経済が低迷し始めたとかなり前から言われていますが、8月は久しぶりにマイナス成長だったようです。まだ詳しい数字は発表されていませんがマイナス1%とみられています。1年前の8月はプラス18%とコロナの影響をはねのける勢いがあったのですが。この先マイナス成長が続きそうです。
年金の運用利益
チリでは各自が積み立てた金を民間の会社が運用します。8月は全部の分野で赤字になったとか。もろに自分がもらえる将来の年金に影響します。
また現行制度を壊せというデモが出そうですね。

(一般)

1)マプチェ問題
また放火事件が起きています。いつもの通りですね。
国会で議決され、8回目ですが、南部の州を特別州にして軍隊を駐在させます。
新内務大臣トアがアラウカニア州を訪問しました。前内務大臣は就任直後に訪問し全く何も出来ずに戻ってきましたが、今回はどうかな?
少なくとも現地の州知事や政府関係者とは会談を終え、政府方針を発表して戻ってきました。もう少しするとボリッチもそこを訪問するらしい。
しかしこの2年間で同州の農業関係者は現状を容認できず、以前の3倍と言われる土地が売りに出ているとか。誰も買わないでしょうね。

ところで安全の面では首都の地下鉄が3回も問題を起こしました。学生デモと誰かが線路に降りた事件のためです。
昔はそんな事件はほとんど無かったのですが。
ダディ・ヤンキのコンサートが国立競技場であり、数万人の観衆で埋まりました。なんでも4千人が柵を乗り越えて不正に入場したとか。
カトリカ対チリ大学の試合でカトリカファンの投げた火炎花火がチリ大学のキーパー近くで炸裂し彼は負傷。試合は中止になりました。
日曜日のリーグ戦でカトリカとホームで戦うコロコロが金曜日ファンを入れてお祝い練習をしました。1.5万人のファンは球場の宣伝鉄塔などの上によじ登り騒いでいると、それが倒れ負傷者が多く出ました。その事故のため今日の試合は延期になりました。
なんだか毎日、こうしてファンの怪しい行動が続きますね。

2)コロナ問題
ほとんど問題にならなくなりました。10月1日から、マスクの使用が義務付けられなくなりました。その土曜日、バスで学校に行きましたが、大半の乗客はマスクをしていませんでした。何年もマスクを着けていたので、今日近くの野菜屋さんに行くとき、マスクなしで歩くと不思議な気がしました。

(スポーツ)

1)サッカー
 国際戦
 先週に続いて今週もチリ代表は欧州で試合。今週は次のワールドカップを実施するカタール戦でした。久しぶりにゴールを決めましたが2対2の引き分け。もう勝てそうにありません。その2点を入れたのは30代後半の選手で若手との入れ替えをファンは要求しているのに監督は聞きません。
 さて
 チリカップ戦でベスト4に入ったのはウニオン・エスパニョーラ、ワチパト、マガジャネスです。もう一つのチームはカトリカかチリ大学。
 選手の負傷で試合が中止になりました。
 リーグ戦は首位のコロコロはファンの事故で試合が延期になりましたが、2位クリコとの勝ち点の差は8点です。リーグ戦はあと4試合sですから2位との差は大きく揺らぎません。


以上

チリの風 その1010 2022年9月19日ー25日

今年も例年通り、日本人学校でチリの歴史の授業を仲間と実施しました。そういう機会があるのが素晴らしい。次はチリの学校で日本の歴史の講義をしたいです。
それから今日、娘が、彼と二人で欧州へ移住しました。
その前に彼の両親も招待して全員でお別れ昼食会をしましたが、私が何十年も前にしたように二人も旅に出たわけです。いつかチリに戻って来るのか、もう帰ってこないのか分かりません。
二人の幸運を祈ります。

その他はいつもと同じです。山歩きは第3展望台に、その日の最低気温は1度で手袋をしていても指先が冷たくて震えました。マラソンは週日一人で10キロを走り、週末は仲間と一緒に走りました。と言っても3名ですが。土曜日にサッカー教室があるはずでしたが、雨のために中止になりました。

毎日、こうしていろんなことがあって、それを楽しめるのは幸せなことです。

(政治)

1)ボリッチ動向
国連で演説
その内容が大統領府の行動報告に掲載されました。「チリは世界を必要とするし、世界もチリを必要とするだろう」と言うのが彼の考えの基本でしょう。
それに加えてフランス大統領とニュージーランド首相、アメリカの元大統領オバマとも面談しました。

TPP11問題
与党グループの新左翼共産党はこの条例に参加するとチリの自由が制約されると反対しています。
大蔵大臣はチリの進歩のために政府は条約加盟をする方針で国会で承認されるのを待つとしました。
つまり現政権の基盤になっている2グループがボリッチに反抗しているわけです。
外務大臣7名がこの条約が批准されるよう願うと発表しました。
ところで、ボリッチは他の項目でもその左翼を批判しました。
それは左翼は左翼陣営に問題がある時、イエメンやサルバドールの問題は批判するが、べネスエラ、ニカラグアそしてチリの場合は口を閉じてしまうと言うわけです。ボリッチが自陣の基盤の左翼の批判をするとは気合が入っています。この先どうなるのかな?
その2グループから離れて、社会党やキ民党などの中道左派グループに入っていくのでしょうか?

先の内閣改造で、問題になりましたが、政府内で意見の統一がないというのが最悪の状況です。ボリッチに統率力がないのは明白ですが、各党・グループが好きなことを言って分裂・破綻に接近ですね。今週も大統領側近の職員に入れ替えがあったらしい。


2)メールの漏洩
軍隊が使っているシステムに誰かハッカーの手が入り、秘密メールが数多くもれました。
もちろん、マスコミにはその内容は何だったのかと言う詳しい内容は出ていませんが危ないことになったのは間違いないでしょう。そのうち内容について漏れてくるはずです。
関連者が辞任したり、問題は深刻化しています。
3)イスラエル大使問題
その大使はテレビの番組に出て実情をコメントしました。彼はチリ政府の大使承認をされていないので各種の会合に参加できないとか。外務大臣もいつまで続くかな?
外務大臣は各国大使の任命にも多くの疑問を残しましたから大統領の信任は極めて低いといわれます???

4)新憲法
国会で議論されていますが、ほとんど進展はありません。
今月初めの投票で新憲法は拒否されましたが、そのおかげで投資家などは安心したとされていますが、この先どうなるかはまだ心配の種とか。
さて中道左派グループは新憲法を革命として考えるのでは無く、現憲法を改善すると言う方向にしたいとコメントしました。
それを実施しようとする新グループに黄色グループと言う名前が付いています。何それと言う名前ですが、私は黄色グループに期待します。国を潰すのが新憲法の目標ではないですから。投資家援護というつもりではなく、チリの安定を願うからです。
1980年の軍事革命時に作られた憲法を変えるのは国民の願いだと言われますが、その憲法中道左派の大統領ラゴスが一度手を加えて変更しています。つまり全部がピノチェットの作品ではないわけです。ラゴスがやったのと同じように必要な点を改善していこうとするのは可能だし、大惨事を起こさない方法でしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格が1ポンド3.38ドルと先週より大きく下がりました。もちろんそれが影響して1ドル943ペソとペソ安になっています。もう一度1000ペソまで落ちるという予想もあります。これはチリに大きな影響を与えますね。
 8月までのこの1年間のチリの物価上昇率は14.1%とこれまでになかったほど上がっていますが、ラテンアメリカの中でべネスエラ・アルゼンチンに次いで3位とか。
 ロシア戦争の影響はどの国にもあるわけですが、チリの場合、それ以外の影響が大きいわけですね。
 OECDの発表では今年のチリの経済成長率は1.9%になるだろうとのこと。
 それは心配される数字だとコメントされましたが、落ち込んできたのが明白ですね。
 さらに新税制が上手く行かなければ支出は抑えられないから国債が増えていくでしょう。
 現在はGDPの40%以下ですが2030年にはそれが55%まで上がると予想されています。
 来週に、その新税制について議会で論議されます。

(一般)

1)ディエシオチョ18の総括
この月曜日までの4連休でしたが、その間に交通事故による死亡者が38人と対前年で12人増えました。
昨年より、国民の移動する数・距離が増えたのでしょうね。飲酒運転が増えたのかな?
首都圏のオヒギンス公園の入場者は5日間で25万人とか。そこで屋台を出していたオーナーはニコニコ顔でした。
天気は今ひとつでしたが、2年間、禁止になっていたお祭りが再開されたことから、一般市民が溢れるように会場に入り、飲み食いに大盤振る舞いをしたのでしょうね。たまには良いかな?
同じようにサンティアゴ空港の使用者は今年に入って8月までで150万人と前年対比40%の上昇です。
2)コロナ問題
 少し前に5回目のワクチン接種が討議されましたが、風は全く逆の方向に向かい、10月1日からマスクの着用が強制されなくなります。バスや地下鉄、国内線の飛行機の中でもマスクは要りません、また博物館・レストランなどに入る時に要求された移動パスが不要になりました。厚生大臣は、コロナ問題が消えたわけではないので、今回の措置が変わり、将来また規制が復活する可能性はあるとコメントしました。
3)マプチェ問題
 南部で木材を積んで走っていた貨車が転覆しました。線路が外されていたからです。しかし毎週、同じような事件が継続です。マプチェのパンフレットがあったようです。
 政府は国会に軍隊を同地に駐在させる特別条例の延長を要請中です。
 先日逮捕されたマプチェのCAMグループのリーダーのジャイツル裁判はまだ進んでいません。
  野党議員がボリッチはアメリカでもカナダでも行くけれど。南部のアラウカニア州には行かない。チリにそんなところがあると知らないのかなと疑問の声を出しています。
 

(スポーツ)

1)サッカー
 今週は世界各地で国際親善試合がありました。このため、国内リーグ戦はお休みでチリカップ戦が行わました。
 ホームとアウェイで戦う準々決勝の1回目です。もう1試合でベスト4が決まります。
 さて国際親善試合でチリはモロッコとスペインで戦いました。テレビで見ましたが、もう見たくないと言う感じで、モロッコに圧倒されました。0対2で負けましたが、内容はもっとひどい差がありました。今から数年前ならモロッコ辺りには4対0の圧勝と言う感じでしたが、今はどことやっても勝てないよ言う雰囲気。
 なんでも545分間、ゴールをしていないとか。悲しいですね。


以上

チリの風 その1009 2022年9月12日ー18日

2年間、コロナ問題で18(ディエシオチョ)と呼ばれる建国記念のお祭りは中止でしたが、今年は今までと同じように全国各地で盛大に行われました。

ただサンティアゴの天気があまり良くなかったのは残念でした。
オヒギンス公園の会場が一般市民にオープンする式典でボリッチはサンティアゴ区長の女性とチリの国民ダンスのクエッカを踊りました。子供のころからやっていなかったのでぎこちなかったですが、何とか踊りました。なんでもモネダ宮殿に先生を頼んで数時間もクエッカの練習をしたとか。土曜日、その公園の会場になんと4万人が入場とか。飲んで踊って、夜中までコンサートを聞いて騒いでいました。
私の住居の近くで、踊る場所があったのですが、そこを娘と通過した時、司会の人が一緒に踊りませんかと誘い、彼女は踊りました。親の私は最悪レベルですが、彼女は通常チリ人レベルでバッチリ決めました。
さてスポーツはいつものように今週も楽しみました。マラソン練習は3回走りましたが、その中でいつも歩くカランの丘コースを走りました。早足で1.5時間の所を55分で走りました。登りはきつかったです。
来週、学校で仲間と二人でする特別授業チリの歴史の予行演習を私の所に先生を招待して二人で実施しました。
ちゃんと決まって嬉しかったです。

台所の花壇で生まれた2羽の小鳥の1羽は死にましたが、生き残ったのはすくすく大きくなっています。
この様に毎日何かすることがあって、それを楽しめるのが幸せです。


(政治)

1)ボリッチ動向
 久しぶりにピニェラがテレビの番組に出ました。そこでボリッチを批判しました。「この半年間(大統領に就任した3月から今日まで)新憲法承認を目指して仕事をしていたようで、国民の課題、例えば犯罪の増加から安全性が下がっていることなどに注目していなかった」
 もちろんボリッチは即座に反応して、「彼は私を批判する自由を持っている。私が彼の政権を批判していたように。しかし大事なのはその批判の内容で、彼の4年間の政権で犯罪数が大幅に増加していることを忘れて私を批判するのはレベルが低すぎる。もう少し状況を見ながらコメントしてほしい」
 世論調査ではボリッチを素晴らしい大統領と思うのは30%しかいませんが、半年ぶりに見たピニェラの話し方 は、私の眼には悲しいほど老人ぽかったです。

 似たようなことですが、社会騒乱があったころは毎日の様にデモ隊と警察がぶつかり、負傷者が出ていました。
 その負傷者が警察の暴力で身体機構に問題が出たと政府を訴えました。ピニェラ政権時に145件の訴えが出ましたが、その内49件だけが認知されました。ところが、ボリッチになってから、今はそういう負傷はほとんどありませんが、ボリッチ政権は何と296件のクレームを受け入れました。過去にクレームした人を全部認めたのかな?
障害年金の額は現在の所26万ペソから52万ペソとか。
イスラエル問題
ボリッチは新イスラエル大使と面談するのを拒否しました。その理由はパレスチナ問題ですが、同地区の少年をイスラエル軍が殺したからで、それに反対するボリッチはパレスチナの側に立ったわけです。
パレスチナは感謝していますがイスラエル政府は激怒です。
しかし思い切った判断をしたものですね。そういう事件はどこでもあるでしょうから。・・・もっともすぐに頭を入れ替えて今月末にその新大使と面談するとか。彼は1967年の6日間戦争で決まった領土を守ってほしいとコメントしています。何それ?と言う感じですね。
私はその戦争のすぐ後に大学を休学し、1年間イスラエルキブツに行きました。そのゴラン高原も歩いたことがあります。イスラエルパレスティナの争いは複雑です。
キリスト教のミサ
土曜日にキリスト教の新教プロテスタントの感謝のミサにボリッチは参加しました。バチェレットやピニェラの時は政府批判のコメントがでましたが、今回は国会だけでなく国が分裂の状態になっているのを何とか手を組むように変えていく必要があるとしました。

そして日曜日、旧教カトリックのミサに参加しました。
もっとも昔と違ってチリ人の宗教熱は大きく下がっています。
そのカトリックのミサの後、モネダ宮殿に戻り、関係者で18のお祝いを楽しみました。招待者がクエッカを踊りましたが、ボリッチは踊りませんでした。
ボリッチは国連総会に参加するため、明日、ニューヨークに飛びます。
2)新憲法
この月曜日から国会で議論が始まりましたが、全く進展がありません。次回は政府を関連させないとか、委員会に今回の様に素人ばかりではなく憲法のプロも入れるとかのコメントがあるようですが、右翼も左翼もバラバラで前進するのは不可能な感じです。どうなるのかな。
今月の新憲法是非の投票で60%がノーでした。2年前の投票では新憲法を作ろうと言う人が80%でした、2年前の新憲法は要らないとする20%の人の他に今回40%の人がノーに投票したわけです。つまり新憲法を希望した80%のうち半分が考えを変えました。それは新憲法委員会の人間のレベルが低いとか、複数国家など理解しがたい条項が多かったからでしょうが、風が大きく変わったわけですね。
次回はどんなふうにそれに取り組むのでしょうか。

(経済)

1)国際レベル
ムーディズの発表でチリのレベルはA1からA2に下がりました。社会混乱に経済低迷がその原因とか。外から見てもチリは落ち込んでいるのですね。
チリはTPP11にまだ加盟していませんが、チリの現状を見て、将来を考えるなら、国際化を進めるのは当然の動きで、その条約に加盟するのは必要不可欠だと新聞の社説に出ました。
ボリッチのまわりには随分、孤立主義の人がいるのですね。それに加盟するとチリの自由な権利が縮小するとか言っています。
2)銅価格と為替
1ポンド3.54ドルで終わりました。一日3.77ドルまで上がったので、チリにとって最高の週だと思いましたが、 最後は先週より落ち込みました。しかしたった2日ほどで銅価格が大きく動くのは不思議ですね。いつも言うように需要が動いたとか、銅のストックが変わったなどではないですね。誰かが売りに出す、買いに出ると言うのがその動きの理由でしょうね。さて銅価格が下がったので1ドル917ペソとペソ安になりました。

(一般)

1)学生デモ
今週も3回ありました。今までは高校生でしたが、今週は大学生が中心。この先も継続しますね。デモがあるたびに幾つかの地下鉄の駅が封鎖されます。それくらいならまだ我慢できるかもしれませんが、全線が止まれば市民生活に大きな影響が出ます。理由があってデモをするなら理解できますが、最近のデモは全く不可解です。
 
同じようにマプチェ問題も継続です。今週もアラウカニア州で放火事件がありましたが、従業員の家に覆面部隊が押しかけ放火します。家屋が大きく燃え上がった段階で引いていくらしい。しかし会社の事務所や倉庫でなく一般従業員の家に放火するのは、この地区は俺たちの物だ、お前たちはここから出て行けというわけで
すね。いつも書いているように、その地区に住むのは難しいです。
新内務大臣のトアのコメントです。前大臣が3月にそのアラウカニア州にマプチェと面談しようと行きましたが、銃を撃たれ、全く面談もなく、首都に戻りました。それに関し、新大臣はそのアイデアは良かったが、準備が整っていなかったとコメント。自己批判の一つでしょうか。
国会で南部の州に軍隊を派遣する特別法案がまた可決しました。7回目の延長とか。
2)コロナ問題
今週も数字は安定して低めで1日の新規患者は3000人ほど。陽性率も9%ほどです。今日は更に下がって2000名で8%でした。
予想として建国記念のお祭りが終わった後、第8波が来ると言うのと、このまま収まっていくだろうとする意見に分かれています。さぁ、どうなるかな?
建国記念のお祭りは金曜日から月曜日までの4連休ですが、首都圏から30万台の車が郊外に出て行ったとか、事故を起こさずに帰ってきてほしいですが、今日まででもう30名ほどの交通事故死亡者が出ています。。

(スポーツ)

1)サッカーリーグ戦の終わりが近いですが、人気チームの今週の成績はコロコロ、チリ大学そしてカトリカの3チームが全部勝利を収めました。それでコロコロはほぼリーグ戦の優勝を決め、チリ大学は2部に落ちないで残れそう。カトリカは中盤から上位に足を延ばしています。
2)テニス
デービスカップのチリ対ペルーがリマでありました。それの結果は・・3対2でチリの勝利。同クラスに残ることが出来ました。危なかったけど。


以上

チリの風 その1008 2022年9月5日ー11日

先週、サンティアゴは春になりましたと書きました。しかし・・
月曜日の最高気温は29度でした。 
なにそれ、春じゃないでしょう。夏ですよ。ところが水曜・木曜日は小雨になり木曜日の最高気温は10度。
それ、春じゃない、冬でしょ。まだ安定していないと言うことですね。
月曜日、チリ大学病院に行って血栓症の薬が効いているか検査しました。朝6時40分の地下鉄に乗りましたが、ガラガラでした。
朝早く行く理由は早朝は病院に患者は少ないですが、少し遅くなるとあふれるほどの人が並ぶからです。
その他はいつもの様でした。土曜日の登山教室は12名の参加者で4時間の山歩き。楽しく歩きました。
ラソンも週日は一人で10キロ走りましたが、日曜日は雨で仲間と走るのは延期。
以前報告したチリ人で漢字遊びのゲームを考えた女性を招待して、それをどう完成させるか話し合いました。彼女の仲間のチリ人の男性も来ました。さぁうまく行くかな?
ところで、今日から夏時間になりました。1時間時計の針が進みました。朝は薄暗いけど、夕方は1時間明るくなります。
2週間前に台所の花壇に鳥が卵を二つ産みましたが、それが孵って新しい鳥が誕生しました。
来月、嫁さんと1か月で日本一周の旅をする予定でしたが、コロナ問題がおさまらないので来年に延期します。残念です。

(政治)

1)ボリッチ動向
 内閣改造
6名の大臣が入れ替わりました。 その内4名が女性でした。それから新左翼共産党系でない、以前の中道左翼系の人が多かったです。
それより話題になったのは、いや問題になったのは、新内閣発表が90分も予定より遅れたことです。
何それ?と聞かれそうですね。大臣と合わせてその下の次官も変更することになりました。内務省は大臣と次官を両方とも変更するはずでしたが、その次官は、共産党員で、3年前の社会騒乱の時から、「チリの警察は何だ。人民を殺す・迫害するのを任務にしているのか、それを認めるピニェラ政権は何だ」喚いていました。その人事が分かった時、与野党からクレームが出て、ボリッチ政府を混乱にする最悪の人事だとされました。それでその90分で彼を外し、同省次官をそのまま据え置くことにしたわけです。
共産党党首は我々を認めない人事で容認しがたいとコメント。一部の陣営から、それなら共産党はボリッチ政権から引き揚げようかとする声が出ました。
ボリッチはこの金曜日、第1回の新内閣会議を実施し、「我々は国民のために働く。与党に参加する党のために働くのではない」としました。惨めですね。そんなコメントをするなんて。
政権の基礎を新左翼共産党から従来の中道左翼系に方向を転換したと言うことでしょうね。元大統領のラゴスやバチェレットの影が後ろに見えるかな?
新聞の社説にこの人事に関し、解決できない問題、例えば凶悪犯罪・麻薬組織の増加、そして経済停滞があるが、もしそれ等が解決・軽減できなければ、再度社会騒乱が戻ってくることになるだろうとされています。確かにもっとも重要な政府の仕事ですね。
 
2)新憲法
今回のやり方では新憲法は作成できないと分かったので上下院の議長とボリッチは面談して、新憲法をどのように実現できるか考え始めました。明日の月曜に何かのアイデアが出そうとか。
憲法委員会の促進派の自己批判と言う記事が出ましたが、新憲法を国民の待つように仕上げることが出来ず、委員会のイメージを下げる行動が続いたと言うのが最悪だったのでしょうね。
憲法が拒否された先週の日曜日の夜、一部の地区でデモがありましたが、それほどの規模ではなかったので、チリにも常識が戻ったのかと思わせました。
国際機関の人間開発ランキングで、チリは191か国中の42位に入り、ラテンアメリカではトップとか。3年前までは、私はそう思っていましたが、最近はそうではないねと感じます。

(経済)

1)銅価格と為替 銅の価格は1ポンド3.62ドルと先週よりずっと上がりました。このまま以前のレベルに戻るかな?
そのためペソも安定し、1ドル881ペソでした。
中銀が新憲法が承認されなかったので、それがチリ経済に与える影響はほとんどなかったと発表しましたが、良かったねと言いたいところ。
2)消費者物価指数IPC
しかしIPCは全く手を緩めず上昇し、8月は1.2%でした。そして過去12か月の数字は14.4%となり、過去30年で最悪とか。
これがチリ経済に強く影響し、来年の経済成長は極めて低いものになりそうとか。

(一般)

1)高校生デモ
憲法推進派が怒り狂って起こすデモはほとんどなかったのに、今週の高校生運動はまるで3年前の社会騒乱を思い出すようです。4日続けて高校生グループのデモがありました。公共バスに火をつけ全焼させる事故が起こっています。以前と同じ白いオーバーオールの服を着たグループがモロトフ爆弾をぶつけます。また地下鉄の駅でタダ乗りをして中に入り駅のホームに座って線路の前に足を出します。もちろん事故になるのは当然ですから地下鉄は運航停止です。おまけに近くの商店に入って商品の略奪を実施。
3年前と同じ状況です。
テレビカメラの前で、リーダーが政府は教育改善に全く手を付けないと厳しい批判していますが、それが暴力デモの正当化にはならないでしょう。
文部大臣は、こうした暴力行為は認められないとコメント。
前のピニェラ政権の時は警察が前面に出て押さえつけようとしましたが、ボリッチはそれをしていません。
来週も継続するのかな?
今日、9月11日はピノチェット軍事革命の起こった日です。今年は49年、来年に50周年となります。
モネダ宮殿の前の広場にアジェンデの銅像が立っていますが、その前で共産党社会党が追悼式を上げました。数人の大臣が参加しました。
毎年、極左層が反軍事政権の抗議デモを起こしますが、今年もモネダ宮殿の前と、中央墓地で警察と衝突。警官が2名負傷しました。
その墓地に行ってボリッチはアジェンデの墓の前で祈りました。
2)マプチェ問題
今週も同じです。第8州ビオビオ州のウワルキで、高圧鉄塔がダイナマイトで壊されました。もちろんその地区は停電です。マプチェのパンフレットが置かれていました。同地方で道路が封鎖され、交通が遮断されました。そして金曜日に2軒の家屋への放火と車両が燃やされました。いつもと同じですね。
親子でリーダーが逮捕されたマプチェグループはまだ活発に行動しています。
3)コロナ問題
もうほとんど話題にならなくなりました。マスコミでも報道されません。ピニェラの時の強制管理が、ボリッチになって自由奔放になり、前厚生大臣は全く存在感がありませんでした。それで新大臣に変わったのでしょうが、新しい大臣はどう動くのかな?
今週の新規患者は5千人ほど陽性率は10%くらいです。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの結果はコロコロとカトリカが勝利。チリ大学は引き分けでした。コロコロはウニオン・エスパニョールとホームで戦いましたが、何と3.5万人の観衆。もう完全にコロナ以前の情況に戻っています。さてその結果、首位はコロコロで2位に9点差で万全。カトリカは10位、ところでチリ大学は13位と2部リーグ落ちに近いところです。


以上

チリの風 その1007 2022年8月29日―9月4日

とうとう9月ですね。チリでは老人夫婦が「あなた、8月は終わったわよ。厳しい冬が過ぎればもう一年寿命が延びるわね」と話し合います。
そしてチリ人にとって建国記念日のある9月は一年で一番うれしい月です。
今週の話題は新憲法賛否の投票です。私は朝早く出発して約1時間歩いて投票所に。ほとんど誰もいませんでした。今回の投票に私はあまり熱意はなかったですが、こうしてチリの社会の組織に入っているのはうれしいです。
もちろん、その他はいつもと同じ普通の週でした。
山歩きは仲間といつもの第1展望台へ、3時間コースです。マラソンは日曜日の練習は投票のため中止でしたが、週日一人で10キロを走りました。
土曜日は学校でサッカー教室を実施しました。その他には丘登りを入れた散歩を毎日しています。そして毎晩、テレビのニュースを見ながら腹筋・柔軟と腕立て伏せです。
どうしてそんなに運動をするのかと聞かれましたが、私は四捨五入するともう80歳。ヨレヨレおじいちゃんの範疇です。そこで何とか元気な中高年グループに残りたいとスポーツを続けています。あと1か月1年、いつまで続くか分かりませんが、がんばります。
さて今月末に学校でチリの歴史の話をさせてもらうことになりました。毎年の特別授業ですが、ベランダの椅子に座って一人でブツブツ言いながら練習を始めました。
それから大使館に行って在外選挙人証を受領。これで次回の選挙で投票できます。

(政治)

1)ボリッチ動向 
彼は日曜日の投票に故郷の南米最南端の街プンタアレナスに飛び投票しました。
タイムス誌
アメリカの雑誌にボリッチ特集が掲載されました。ラテンアメリカに多い左翼政治家の新しい顔と言う書き方です。
ブラジル大統領選挙
現大統領ボルソナソが、競争相手の左翼を批判するのにボリッチを利用しました。安定していたチリが社会騒乱を起こし、危ない国になったのはボリッチの責任だとしました。チリ政府は全く根拠のない発言で容認できないと同国チリ大使を呼んで抗議しました。
ボリッチが3年前の騒乱で何をしたかは知りませんが

彼のグループがデモを繰り返し、その中のメンバーが商店略奪などの犯罪行為を起こしたのは事実でしょうね。
弟の事件
ジャーナリストの彼の弟は取材をしている時に学生グループに襲われ負傷しました。チリも危ない国になりました。
2)新憲法賛否
ラディカル党の前党首マルドナルドは党の決断(新憲法賛成)を受けないと発表したので、やむを得ず、党は彼を処罰することに決めました。
左翼は新憲法に賛成、右翼は反対と言う簡単な構造ではありません。党が賛成しても個人が反対する例とかがあり、各自が自分の判断を出しました。
バチェレット元大統領は4年間務めた国連の人権委員会のトップの座を明け渡しました。彼女はチリに戻って新憲法賛成のビデオに出ました。
さて、その結果はどうなったかです。予想ではノーが10%の差をつけて勝つでしたが、今日の数字は何と20%以上もの大差になりました。
今、道路を車がクラクションを鳴らしながら走っています。1台や2台ではありません、大量です。この投票は盛り上がらないと書きましたが、投票が終わってから随分盛り上がっています。???
ボリッチはパタゴニアから首都圏に戻り、モネダ宮殿でこの結果に関してコメントを出しました。新憲法に関し国民のあの熱意が、新憲法委員会に伝わらなかったと言う自己批判はするが、チリの現状で健康問題・年金問題・社会安全などなど数多くの問題を抱えているのは事実で、それを解決しようとするのは政府の責任だが、その基本になる憲法も訂正する必要がある。このため、明日両院の議長と面談し、どのように新憲法を作成できるか検討したいとしました。
まだ結論は出ていないようですが、来週に内閣改造をするらしい。

上記とは関係ないですが、国会で議員同士が揉めあい、右翼の議員が左翼の議員の顔にパンチを入れました。右派の議員は自党から離党処分を受けました。
更にこの後どんな制裁を議会から受けるか待つ必要があります。独りぼっちですねとマスコミに言われるとイエスキリストもそうだったとか???

(経済)

1)経済状況
チリの現状はほとんどの分野で停滞、もしくは縮小が進んでいます。
例えば、先月の新車の販売数で35000台と18カ月ぶりに7%も前年より下がりました。
新聞の社説にコロナ問題やウクナイナ戦争の影響だけでなく、チリ国内の政治・社会問題がチリ経済停滞を招いていると書かれています。
中銀発表では7月は1%の経済上昇とか。先月の失業率は7.9%で前年対比1%下がりました。まだ高いですが。
ところが、今週の株式市場は4.5%の上昇で5600ポイントを超え今年の新記録。日曜日の選挙でノーが勝って経済が安定化し、再度、経済成長が見込めると言うことらしい。その予想は当たりましたね。
大蔵省も先日発表した新税制の改定をするらしい。
2)銅価格と為替
1ポンド3.44ドルと1カ月ぶりの悪い数字。しかし為替はそれほど影響せず1ドル898ペソでした。
専門家が日曜日の投票の結果が月曜日の為替市場にどう影響するか議論しています。それは今週900ペソだったのがペソ高になって800ペソまで行くのか逆に1000ペソまで落ちるのかと言うことです。

(一般)

1)マプチェ問題
 南部のコンツルモで由緒ある建物に放火され、そこの住民3名に発砲がされました。一人は重傷です。マプチェのグループが攻撃を宣言しています。
もう、こうした襲撃事件は日常茶飯事ですね。
CAMのリーダーが先週逮捕されましたが、今週はその息子が捕まりました。こうしてリーダーが逮捕されてもグループの勢いは収まりません。
南部に住んでいる人は大変ですね。いつこうした事件に巻き込まれるか分かりませんから。
2)コロナ問題
今週は新規陽性者が1万人を超えることはありませんでした。収まっていると言われます。4回のワクチン接種が効いているのかな?
コロナ問題で急に出生率が減少しました。2020年からなんと30%も下がっています。2020年は1月から8月までで13万人、それが今年は9万人です。
しかしもっと遡ると2018年は16万人でしたから7年で44%の減少。
つまり出生率の減少はコロナ問題だけでなく,もう子供は欲しくないとするカップルが増えているのが原因でしょう。

(スポーツ)

1)サッカー
今週は投票のためサッカーのリーグ戦はお休みでした。


以上