チリの風 その1011 2022年9月25日-10月2日

過去13年で一番寒かったといわれる9月が終わり、10月になりました。
一か月ほど前に野鳥が私の台所の外の花壇に卵を産みました。それが育って今週、飛び立っていきました。もうお別れだと思いましたが、なんと翌日また同じところに親子で戻ってきました。外の木の枝より快適なのでしょう。最初から親子にちゃんと水と食料をあげていましたよ。
登山も面白かったです。第2展望台から下の谷を見ると花園になっているので、花好きの仲間に付き合って、そこを見ようと谷底を(水は流れていません)下から歩きました。野生の花が多く咲いています。そして対岸の岩壁の方にも花が多かったので登っていきました。誰も行きませんから道はありません。
それでも無事に山歩きを終えて戻ってきました。
土曜日のサッカー教室は10数名の参加者で実施。暑いほどの気温でしたが、楽しくプレーしました。
ラソンもいつもの通り。週日に一人で10キロ走り、日曜日は仲間と練習。記録は最近いつも同じです。

まだこうして飛んだり跳ねたりできるのがうれしいです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 木曜日、全テレビ局を通じて来年度予算の説明をしました。景気回復をする政策を基本にして、国民の生活の安全を図る。また市民の安全確保を第1にしてその分野に現在より多い予算を回すなどを説明しました。国が投資する新規事業で20万人を雇用するとしています。
もちろん口で言うのは簡単です。ちゃんと実施・実行できるのと言われそうですね。
週末、彼はコピアポに。そこは8月に大きな洞穴を見に行ったところです。今回は自然保護のため砂漠のお花畑見学とか。観光好きですね。
2)新憲法
もう飽きたという気がしますが、今週の議論では話が進まず来週また各党が議論するとか。新聞の特集に右翼・左翼の見解という表が出ましたが大きな違いはありません。つまり右も左を同じようなわけです。それが今回の新憲法委員会では極端な方向に流れて国民の支持を得られなかったのですね。
3)TPP11
今週、結論が出るはずでしたが、延期されました。与党の2グループ、特に共産党が頑強に反対し、先延ばし作戦を立てているとか。
過去30年、諸外国との協調で輸出が増え、チリの経済成長が安定化したのは数字で確認できますが。
新左翼は、前回2018年の大統領候補だったそのグループのサンチェスがその様な条約にはサインしないと明言していますから、ボリッチも基本的には同じ考えなのでしょうね。もっとも今の彼は検討・議論が延期になったのは残念だとコメントしました。
新聞に野党が彼の案を支持して、与党が拒むなんて、世界で唯一の国と書かれました。つまりボリッチの統率力が無いわけですね。
4)新大使認証
6か国の新大使がボリッチと面談し、認証を受けました。アメリカやフィンランドのほかにイスラエル大使も入っています。
3月からの新政権は外交問題が多く出て、安定性に欠けると言われますが、確かにそうですね。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.47ドルと先週より少し上がりました。為替は1ドル966ペソでした。
ペソは落ち込んでいますが、対ドルで世界で6番目に落ち込んだ通貨になりました。
チリ経済が低迷し始めたとかなり前から言われていますが、8月は久しぶりにマイナス成長だったようです。まだ詳しい数字は発表されていませんがマイナス1%とみられています。1年前の8月はプラス18%とコロナの影響をはねのける勢いがあったのですが。この先マイナス成長が続きそうです。
年金の運用利益
チリでは各自が積み立てた金を民間の会社が運用します。8月は全部の分野で赤字になったとか。もろに自分がもらえる将来の年金に影響します。
また現行制度を壊せというデモが出そうですね。

(一般)

1)マプチェ問題
また放火事件が起きています。いつもの通りですね。
国会で議決され、8回目ですが、南部の州を特別州にして軍隊を駐在させます。
新内務大臣トアがアラウカニア州を訪問しました。前内務大臣は就任直後に訪問し全く何も出来ずに戻ってきましたが、今回はどうかな?
少なくとも現地の州知事や政府関係者とは会談を終え、政府方針を発表して戻ってきました。もう少しするとボリッチもそこを訪問するらしい。
しかしこの2年間で同州の農業関係者は現状を容認できず、以前の3倍と言われる土地が売りに出ているとか。誰も買わないでしょうね。

ところで安全の面では首都の地下鉄が3回も問題を起こしました。学生デモと誰かが線路に降りた事件のためです。
昔はそんな事件はほとんど無かったのですが。
ダディ・ヤンキのコンサートが国立競技場であり、数万人の観衆で埋まりました。なんでも4千人が柵を乗り越えて不正に入場したとか。
カトリカ対チリ大学の試合でカトリカファンの投げた火炎花火がチリ大学のキーパー近くで炸裂し彼は負傷。試合は中止になりました。
日曜日のリーグ戦でカトリカとホームで戦うコロコロが金曜日ファンを入れてお祝い練習をしました。1.5万人のファンは球場の宣伝鉄塔などの上によじ登り騒いでいると、それが倒れ負傷者が多く出ました。その事故のため今日の試合は延期になりました。
なんだか毎日、こうしてファンの怪しい行動が続きますね。

2)コロナ問題
ほとんど問題にならなくなりました。10月1日から、マスクの使用が義務付けられなくなりました。その土曜日、バスで学校に行きましたが、大半の乗客はマスクをしていませんでした。何年もマスクを着けていたので、今日近くの野菜屋さんに行くとき、マスクなしで歩くと不思議な気がしました。

(スポーツ)

1)サッカー
 国際戦
 先週に続いて今週もチリ代表は欧州で試合。今週は次のワールドカップを実施するカタール戦でした。久しぶりにゴールを決めましたが2対2の引き分け。もう勝てそうにありません。その2点を入れたのは30代後半の選手で若手との入れ替えをファンは要求しているのに監督は聞きません。
 さて
 チリカップ戦でベスト4に入ったのはウニオン・エスパニョーラ、ワチパト、マガジャネスです。もう一つのチームはカトリカかチリ大学。
 選手の負傷で試合が中止になりました。
 リーグ戦は首位のコロコロはファンの事故で試合が延期になりましたが、2位クリコとの勝ち点の差は8点です。リーグ戦はあと4試合sですから2位との差は大きく揺らぎません。


以上

チリの風 その1010 2022年9月19日ー25日

今年も例年通り、日本人学校でチリの歴史の授業を仲間と実施しました。そういう機会があるのが素晴らしい。次はチリの学校で日本の歴史の講義をしたいです。
それから今日、娘が、彼と二人で欧州へ移住しました。
その前に彼の両親も招待して全員でお別れ昼食会をしましたが、私が何十年も前にしたように二人も旅に出たわけです。いつかチリに戻って来るのか、もう帰ってこないのか分かりません。
二人の幸運を祈ります。

その他はいつもと同じです。山歩きは第3展望台に、その日の最低気温は1度で手袋をしていても指先が冷たくて震えました。マラソンは週日一人で10キロを走り、週末は仲間と一緒に走りました。と言っても3名ですが。土曜日にサッカー教室があるはずでしたが、雨のために中止になりました。

毎日、こうしていろんなことがあって、それを楽しめるのは幸せなことです。

(政治)

1)ボリッチ動向
国連で演説
その内容が大統領府の行動報告に掲載されました。「チリは世界を必要とするし、世界もチリを必要とするだろう」と言うのが彼の考えの基本でしょう。
それに加えてフランス大統領とニュージーランド首相、アメリカの元大統領オバマとも面談しました。

TPP11問題
与党グループの新左翼共産党はこの条例に参加するとチリの自由が制約されると反対しています。
大蔵大臣はチリの進歩のために政府は条約加盟をする方針で国会で承認されるのを待つとしました。
つまり現政権の基盤になっている2グループがボリッチに反抗しているわけです。
外務大臣7名がこの条約が批准されるよう願うと発表しました。
ところで、ボリッチは他の項目でもその左翼を批判しました。
それは左翼は左翼陣営に問題がある時、イエメンやサルバドールの問題は批判するが、べネスエラ、ニカラグアそしてチリの場合は口を閉じてしまうと言うわけです。ボリッチが自陣の基盤の左翼の批判をするとは気合が入っています。この先どうなるのかな?
その2グループから離れて、社会党やキ民党などの中道左派グループに入っていくのでしょうか?

先の内閣改造で、問題になりましたが、政府内で意見の統一がないというのが最悪の状況です。ボリッチに統率力がないのは明白ですが、各党・グループが好きなことを言って分裂・破綻に接近ですね。今週も大統領側近の職員に入れ替えがあったらしい。


2)メールの漏洩
軍隊が使っているシステムに誰かハッカーの手が入り、秘密メールが数多くもれました。
もちろん、マスコミにはその内容は何だったのかと言う詳しい内容は出ていませんが危ないことになったのは間違いないでしょう。そのうち内容について漏れてくるはずです。
関連者が辞任したり、問題は深刻化しています。
3)イスラエル大使問題
その大使はテレビの番組に出て実情をコメントしました。彼はチリ政府の大使承認をされていないので各種の会合に参加できないとか。外務大臣もいつまで続くかな?
外務大臣は各国大使の任命にも多くの疑問を残しましたから大統領の信任は極めて低いといわれます???

4)新憲法
国会で議論されていますが、ほとんど進展はありません。
今月初めの投票で新憲法は拒否されましたが、そのおかげで投資家などは安心したとされていますが、この先どうなるかはまだ心配の種とか。
さて中道左派グループは新憲法を革命として考えるのでは無く、現憲法を改善すると言う方向にしたいとコメントしました。
それを実施しようとする新グループに黄色グループと言う名前が付いています。何それと言う名前ですが、私は黄色グループに期待します。国を潰すのが新憲法の目標ではないですから。投資家援護というつもりではなく、チリの安定を願うからです。
1980年の軍事革命時に作られた憲法を変えるのは国民の願いだと言われますが、その憲法中道左派の大統領ラゴスが一度手を加えて変更しています。つまり全部がピノチェットの作品ではないわけです。ラゴスがやったのと同じように必要な点を改善していこうとするのは可能だし、大惨事を起こさない方法でしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格が1ポンド3.38ドルと先週より大きく下がりました。もちろんそれが影響して1ドル943ペソとペソ安になっています。もう一度1000ペソまで落ちるという予想もあります。これはチリに大きな影響を与えますね。
 8月までのこの1年間のチリの物価上昇率は14.1%とこれまでになかったほど上がっていますが、ラテンアメリカの中でべネスエラ・アルゼンチンに次いで3位とか。
 ロシア戦争の影響はどの国にもあるわけですが、チリの場合、それ以外の影響が大きいわけですね。
 OECDの発表では今年のチリの経済成長率は1.9%になるだろうとのこと。
 それは心配される数字だとコメントされましたが、落ち込んできたのが明白ですね。
 さらに新税制が上手く行かなければ支出は抑えられないから国債が増えていくでしょう。
 現在はGDPの40%以下ですが2030年にはそれが55%まで上がると予想されています。
 来週に、その新税制について議会で論議されます。

(一般)

1)ディエシオチョ18の総括
この月曜日までの4連休でしたが、その間に交通事故による死亡者が38人と対前年で12人増えました。
昨年より、国民の移動する数・距離が増えたのでしょうね。飲酒運転が増えたのかな?
首都圏のオヒギンス公園の入場者は5日間で25万人とか。そこで屋台を出していたオーナーはニコニコ顔でした。
天気は今ひとつでしたが、2年間、禁止になっていたお祭りが再開されたことから、一般市民が溢れるように会場に入り、飲み食いに大盤振る舞いをしたのでしょうね。たまには良いかな?
同じようにサンティアゴ空港の使用者は今年に入って8月までで150万人と前年対比40%の上昇です。
2)コロナ問題
 少し前に5回目のワクチン接種が討議されましたが、風は全く逆の方向に向かい、10月1日からマスクの着用が強制されなくなります。バスや地下鉄、国内線の飛行機の中でもマスクは要りません、また博物館・レストランなどに入る時に要求された移動パスが不要になりました。厚生大臣は、コロナ問題が消えたわけではないので、今回の措置が変わり、将来また規制が復活する可能性はあるとコメントしました。
3)マプチェ問題
 南部で木材を積んで走っていた貨車が転覆しました。線路が外されていたからです。しかし毎週、同じような事件が継続です。マプチェのパンフレットがあったようです。
 政府は国会に軍隊を同地に駐在させる特別条例の延長を要請中です。
 先日逮捕されたマプチェのCAMグループのリーダーのジャイツル裁判はまだ進んでいません。
  野党議員がボリッチはアメリカでもカナダでも行くけれど。南部のアラウカニア州には行かない。チリにそんなところがあると知らないのかなと疑問の声を出しています。
 

(スポーツ)

1)サッカー
 今週は世界各地で国際親善試合がありました。このため、国内リーグ戦はお休みでチリカップ戦が行わました。
 ホームとアウェイで戦う準々決勝の1回目です。もう1試合でベスト4が決まります。
 さて国際親善試合でチリはモロッコとスペインで戦いました。テレビで見ましたが、もう見たくないと言う感じで、モロッコに圧倒されました。0対2で負けましたが、内容はもっとひどい差がありました。今から数年前ならモロッコ辺りには4対0の圧勝と言う感じでしたが、今はどことやっても勝てないよ言う雰囲気。
 なんでも545分間、ゴールをしていないとか。悲しいですね。


以上

チリの風 その1009 2022年9月12日ー18日

2年間、コロナ問題で18(ディエシオチョ)と呼ばれる建国記念のお祭りは中止でしたが、今年は今までと同じように全国各地で盛大に行われました。

ただサンティアゴの天気があまり良くなかったのは残念でした。
オヒギンス公園の会場が一般市民にオープンする式典でボリッチはサンティアゴ区長の女性とチリの国民ダンスのクエッカを踊りました。子供のころからやっていなかったのでぎこちなかったですが、何とか踊りました。なんでもモネダ宮殿に先生を頼んで数時間もクエッカの練習をしたとか。土曜日、その公園の会場になんと4万人が入場とか。飲んで踊って、夜中までコンサートを聞いて騒いでいました。
私の住居の近くで、踊る場所があったのですが、そこを娘と通過した時、司会の人が一緒に踊りませんかと誘い、彼女は踊りました。親の私は最悪レベルですが、彼女は通常チリ人レベルでバッチリ決めました。
さてスポーツはいつものように今週も楽しみました。マラソン練習は3回走りましたが、その中でいつも歩くカランの丘コースを走りました。早足で1.5時間の所を55分で走りました。登りはきつかったです。
来週、学校で仲間と二人でする特別授業チリの歴史の予行演習を私の所に先生を招待して二人で実施しました。
ちゃんと決まって嬉しかったです。

台所の花壇で生まれた2羽の小鳥の1羽は死にましたが、生き残ったのはすくすく大きくなっています。
この様に毎日何かすることがあって、それを楽しめるのが幸せです。


(政治)

1)ボリッチ動向
 久しぶりにピニェラがテレビの番組に出ました。そこでボリッチを批判しました。「この半年間(大統領に就任した3月から今日まで)新憲法承認を目指して仕事をしていたようで、国民の課題、例えば犯罪の増加から安全性が下がっていることなどに注目していなかった」
 もちろんボリッチは即座に反応して、「彼は私を批判する自由を持っている。私が彼の政権を批判していたように。しかし大事なのはその批判の内容で、彼の4年間の政権で犯罪数が大幅に増加していることを忘れて私を批判するのはレベルが低すぎる。もう少し状況を見ながらコメントしてほしい」
 世論調査ではボリッチを素晴らしい大統領と思うのは30%しかいませんが、半年ぶりに見たピニェラの話し方 は、私の眼には悲しいほど老人ぽかったです。

 似たようなことですが、社会騒乱があったころは毎日の様にデモ隊と警察がぶつかり、負傷者が出ていました。
 その負傷者が警察の暴力で身体機構に問題が出たと政府を訴えました。ピニェラ政権時に145件の訴えが出ましたが、その内49件だけが認知されました。ところが、ボリッチになってから、今はそういう負傷はほとんどありませんが、ボリッチ政権は何と296件のクレームを受け入れました。過去にクレームした人を全部認めたのかな?
障害年金の額は現在の所26万ペソから52万ペソとか。
イスラエル問題
ボリッチは新イスラエル大使と面談するのを拒否しました。その理由はパレスチナ問題ですが、同地区の少年をイスラエル軍が殺したからで、それに反対するボリッチはパレスチナの側に立ったわけです。
パレスチナは感謝していますがイスラエル政府は激怒です。
しかし思い切った判断をしたものですね。そういう事件はどこでもあるでしょうから。・・・もっともすぐに頭を入れ替えて今月末にその新大使と面談するとか。彼は1967年の6日間戦争で決まった領土を守ってほしいとコメントしています。何それ?と言う感じですね。
私はその戦争のすぐ後に大学を休学し、1年間イスラエルキブツに行きました。そのゴラン高原も歩いたことがあります。イスラエルパレスティナの争いは複雑です。
キリスト教のミサ
土曜日にキリスト教の新教プロテスタントの感謝のミサにボリッチは参加しました。バチェレットやピニェラの時は政府批判のコメントがでましたが、今回は国会だけでなく国が分裂の状態になっているのを何とか手を組むように変えていく必要があるとしました。

そして日曜日、旧教カトリックのミサに参加しました。
もっとも昔と違ってチリ人の宗教熱は大きく下がっています。
そのカトリックのミサの後、モネダ宮殿に戻り、関係者で18のお祝いを楽しみました。招待者がクエッカを踊りましたが、ボリッチは踊りませんでした。
ボリッチは国連総会に参加するため、明日、ニューヨークに飛びます。
2)新憲法
この月曜日から国会で議論が始まりましたが、全く進展がありません。次回は政府を関連させないとか、委員会に今回の様に素人ばかりではなく憲法のプロも入れるとかのコメントがあるようですが、右翼も左翼もバラバラで前進するのは不可能な感じです。どうなるのかな。
今月の新憲法是非の投票で60%がノーでした。2年前の投票では新憲法を作ろうと言う人が80%でした、2年前の新憲法は要らないとする20%の人の他に今回40%の人がノーに投票したわけです。つまり新憲法を希望した80%のうち半分が考えを変えました。それは新憲法委員会の人間のレベルが低いとか、複数国家など理解しがたい条項が多かったからでしょうが、風が大きく変わったわけですね。
次回はどんなふうにそれに取り組むのでしょうか。

(経済)

1)国際レベル
ムーディズの発表でチリのレベルはA1からA2に下がりました。社会混乱に経済低迷がその原因とか。外から見てもチリは落ち込んでいるのですね。
チリはTPP11にまだ加盟していませんが、チリの現状を見て、将来を考えるなら、国際化を進めるのは当然の動きで、その条約に加盟するのは必要不可欠だと新聞の社説に出ました。
ボリッチのまわりには随分、孤立主義の人がいるのですね。それに加盟するとチリの自由な権利が縮小するとか言っています。
2)銅価格と為替
1ポンド3.54ドルで終わりました。一日3.77ドルまで上がったので、チリにとって最高の週だと思いましたが、 最後は先週より落ち込みました。しかしたった2日ほどで銅価格が大きく動くのは不思議ですね。いつも言うように需要が動いたとか、銅のストックが変わったなどではないですね。誰かが売りに出す、買いに出ると言うのがその動きの理由でしょうね。さて銅価格が下がったので1ドル917ペソとペソ安になりました。

(一般)

1)学生デモ
今週も3回ありました。今までは高校生でしたが、今週は大学生が中心。この先も継続しますね。デモがあるたびに幾つかの地下鉄の駅が封鎖されます。それくらいならまだ我慢できるかもしれませんが、全線が止まれば市民生活に大きな影響が出ます。理由があってデモをするなら理解できますが、最近のデモは全く不可解です。
 
同じようにマプチェ問題も継続です。今週もアラウカニア州で放火事件がありましたが、従業員の家に覆面部隊が押しかけ放火します。家屋が大きく燃え上がった段階で引いていくらしい。しかし会社の事務所や倉庫でなく一般従業員の家に放火するのは、この地区は俺たちの物だ、お前たちはここから出て行けというわけで
すね。いつも書いているように、その地区に住むのは難しいです。
新内務大臣のトアのコメントです。前大臣が3月にそのアラウカニア州にマプチェと面談しようと行きましたが、銃を撃たれ、全く面談もなく、首都に戻りました。それに関し、新大臣はそのアイデアは良かったが、準備が整っていなかったとコメント。自己批判の一つでしょうか。
国会で南部の州に軍隊を派遣する特別法案がまた可決しました。7回目の延長とか。
2)コロナ問題
今週も数字は安定して低めで1日の新規患者は3000人ほど。陽性率も9%ほどです。今日は更に下がって2000名で8%でした。
予想として建国記念のお祭りが終わった後、第8波が来ると言うのと、このまま収まっていくだろうとする意見に分かれています。さぁ、どうなるかな?
建国記念のお祭りは金曜日から月曜日までの4連休ですが、首都圏から30万台の車が郊外に出て行ったとか、事故を起こさずに帰ってきてほしいですが、今日まででもう30名ほどの交通事故死亡者が出ています。。

(スポーツ)

1)サッカーリーグ戦の終わりが近いですが、人気チームの今週の成績はコロコロ、チリ大学そしてカトリカの3チームが全部勝利を収めました。それでコロコロはほぼリーグ戦の優勝を決め、チリ大学は2部に落ちないで残れそう。カトリカは中盤から上位に足を延ばしています。
2)テニス
デービスカップのチリ対ペルーがリマでありました。それの結果は・・3対2でチリの勝利。同クラスに残ることが出来ました。危なかったけど。


以上

チリの風 その1008 2022年9月5日ー11日

先週、サンティアゴは春になりましたと書きました。しかし・・
月曜日の最高気温は29度でした。 
なにそれ、春じゃないでしょう。夏ですよ。ところが水曜・木曜日は小雨になり木曜日の最高気温は10度。
それ、春じゃない、冬でしょ。まだ安定していないと言うことですね。
月曜日、チリ大学病院に行って血栓症の薬が効いているか検査しました。朝6時40分の地下鉄に乗りましたが、ガラガラでした。
朝早く行く理由は早朝は病院に患者は少ないですが、少し遅くなるとあふれるほどの人が並ぶからです。
その他はいつもの様でした。土曜日の登山教室は12名の参加者で4時間の山歩き。楽しく歩きました。
ラソンも週日は一人で10キロ走りましたが、日曜日は雨で仲間と走るのは延期。
以前報告したチリ人で漢字遊びのゲームを考えた女性を招待して、それをどう完成させるか話し合いました。彼女の仲間のチリ人の男性も来ました。さぁうまく行くかな?
ところで、今日から夏時間になりました。1時間時計の針が進みました。朝は薄暗いけど、夕方は1時間明るくなります。
2週間前に台所の花壇に鳥が卵を二つ産みましたが、それが孵って新しい鳥が誕生しました。
来月、嫁さんと1か月で日本一周の旅をする予定でしたが、コロナ問題がおさまらないので来年に延期します。残念です。

(政治)

1)ボリッチ動向
 内閣改造
6名の大臣が入れ替わりました。 その内4名が女性でした。それから新左翼共産党系でない、以前の中道左翼系の人が多かったです。
それより話題になったのは、いや問題になったのは、新内閣発表が90分も予定より遅れたことです。
何それ?と聞かれそうですね。大臣と合わせてその下の次官も変更することになりました。内務省は大臣と次官を両方とも変更するはずでしたが、その次官は、共産党員で、3年前の社会騒乱の時から、「チリの警察は何だ。人民を殺す・迫害するのを任務にしているのか、それを認めるピニェラ政権は何だ」喚いていました。その人事が分かった時、与野党からクレームが出て、ボリッチ政府を混乱にする最悪の人事だとされました。それでその90分で彼を外し、同省次官をそのまま据え置くことにしたわけです。
共産党党首は我々を認めない人事で容認しがたいとコメント。一部の陣営から、それなら共産党はボリッチ政権から引き揚げようかとする声が出ました。
ボリッチはこの金曜日、第1回の新内閣会議を実施し、「我々は国民のために働く。与党に参加する党のために働くのではない」としました。惨めですね。そんなコメントをするなんて。
政権の基礎を新左翼共産党から従来の中道左翼系に方向を転換したと言うことでしょうね。元大統領のラゴスやバチェレットの影が後ろに見えるかな?
新聞の社説にこの人事に関し、解決できない問題、例えば凶悪犯罪・麻薬組織の増加、そして経済停滞があるが、もしそれ等が解決・軽減できなければ、再度社会騒乱が戻ってくることになるだろうとされています。確かにもっとも重要な政府の仕事ですね。
 
2)新憲法
今回のやり方では新憲法は作成できないと分かったので上下院の議長とボリッチは面談して、新憲法をどのように実現できるか考え始めました。明日の月曜に何かのアイデアが出そうとか。
憲法委員会の促進派の自己批判と言う記事が出ましたが、新憲法を国民の待つように仕上げることが出来ず、委員会のイメージを下げる行動が続いたと言うのが最悪だったのでしょうね。
憲法が拒否された先週の日曜日の夜、一部の地区でデモがありましたが、それほどの規模ではなかったので、チリにも常識が戻ったのかと思わせました。
国際機関の人間開発ランキングで、チリは191か国中の42位に入り、ラテンアメリカではトップとか。3年前までは、私はそう思っていましたが、最近はそうではないねと感じます。

(経済)

1)銅価格と為替 銅の価格は1ポンド3.62ドルと先週よりずっと上がりました。このまま以前のレベルに戻るかな?
そのためペソも安定し、1ドル881ペソでした。
中銀が新憲法が承認されなかったので、それがチリ経済に与える影響はほとんどなかったと発表しましたが、良かったねと言いたいところ。
2)消費者物価指数IPC
しかしIPCは全く手を緩めず上昇し、8月は1.2%でした。そして過去12か月の数字は14.4%となり、過去30年で最悪とか。
これがチリ経済に強く影響し、来年の経済成長は極めて低いものになりそうとか。

(一般)

1)高校生デモ
憲法推進派が怒り狂って起こすデモはほとんどなかったのに、今週の高校生運動はまるで3年前の社会騒乱を思い出すようです。4日続けて高校生グループのデモがありました。公共バスに火をつけ全焼させる事故が起こっています。以前と同じ白いオーバーオールの服を着たグループがモロトフ爆弾をぶつけます。また地下鉄の駅でタダ乗りをして中に入り駅のホームに座って線路の前に足を出します。もちろん事故になるのは当然ですから地下鉄は運航停止です。おまけに近くの商店に入って商品の略奪を実施。
3年前と同じ状況です。
テレビカメラの前で、リーダーが政府は教育改善に全く手を付けないと厳しい批判していますが、それが暴力デモの正当化にはならないでしょう。
文部大臣は、こうした暴力行為は認められないとコメント。
前のピニェラ政権の時は警察が前面に出て押さえつけようとしましたが、ボリッチはそれをしていません。
来週も継続するのかな?
今日、9月11日はピノチェット軍事革命の起こった日です。今年は49年、来年に50周年となります。
モネダ宮殿の前の広場にアジェンデの銅像が立っていますが、その前で共産党社会党が追悼式を上げました。数人の大臣が参加しました。
毎年、極左層が反軍事政権の抗議デモを起こしますが、今年もモネダ宮殿の前と、中央墓地で警察と衝突。警官が2名負傷しました。
その墓地に行ってボリッチはアジェンデの墓の前で祈りました。
2)マプチェ問題
今週も同じです。第8州ビオビオ州のウワルキで、高圧鉄塔がダイナマイトで壊されました。もちろんその地区は停電です。マプチェのパンフレットが置かれていました。同地方で道路が封鎖され、交通が遮断されました。そして金曜日に2軒の家屋への放火と車両が燃やされました。いつもと同じですね。
親子でリーダーが逮捕されたマプチェグループはまだ活発に行動しています。
3)コロナ問題
もうほとんど話題にならなくなりました。マスコミでも報道されません。ピニェラの時の強制管理が、ボリッチになって自由奔放になり、前厚生大臣は全く存在感がありませんでした。それで新大臣に変わったのでしょうが、新しい大臣はどう動くのかな?
今週の新規患者は5千人ほど陽性率は10%くらいです。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの結果はコロコロとカトリカが勝利。チリ大学は引き分けでした。コロコロはウニオン・エスパニョールとホームで戦いましたが、何と3.5万人の観衆。もう完全にコロナ以前の情況に戻っています。さてその結果、首位はコロコロで2位に9点差で万全。カトリカは10位、ところでチリ大学は13位と2部リーグ落ちに近いところです。


以上

チリの風 その1007 2022年8月29日―9月4日

とうとう9月ですね。チリでは老人夫婦が「あなた、8月は終わったわよ。厳しい冬が過ぎればもう一年寿命が延びるわね」と話し合います。
そしてチリ人にとって建国記念日のある9月は一年で一番うれしい月です。
今週の話題は新憲法賛否の投票です。私は朝早く出発して約1時間歩いて投票所に。ほとんど誰もいませんでした。今回の投票に私はあまり熱意はなかったですが、こうしてチリの社会の組織に入っているのはうれしいです。
もちろん、その他はいつもと同じ普通の週でした。
山歩きは仲間といつもの第1展望台へ、3時間コースです。マラソンは日曜日の練習は投票のため中止でしたが、週日一人で10キロを走りました。
土曜日は学校でサッカー教室を実施しました。その他には丘登りを入れた散歩を毎日しています。そして毎晩、テレビのニュースを見ながら腹筋・柔軟と腕立て伏せです。
どうしてそんなに運動をするのかと聞かれましたが、私は四捨五入するともう80歳。ヨレヨレおじいちゃんの範疇です。そこで何とか元気な中高年グループに残りたいとスポーツを続けています。あと1か月1年、いつまで続くか分かりませんが、がんばります。
さて今月末に学校でチリの歴史の話をさせてもらうことになりました。毎年の特別授業ですが、ベランダの椅子に座って一人でブツブツ言いながら練習を始めました。
それから大使館に行って在外選挙人証を受領。これで次回の選挙で投票できます。

(政治)

1)ボリッチ動向 
彼は日曜日の投票に故郷の南米最南端の街プンタアレナスに飛び投票しました。
タイムス誌
アメリカの雑誌にボリッチ特集が掲載されました。ラテンアメリカに多い左翼政治家の新しい顔と言う書き方です。
ブラジル大統領選挙
現大統領ボルソナソが、競争相手の左翼を批判するのにボリッチを利用しました。安定していたチリが社会騒乱を起こし、危ない国になったのはボリッチの責任だとしました。チリ政府は全く根拠のない発言で容認できないと同国チリ大使を呼んで抗議しました。
ボリッチが3年前の騒乱で何をしたかは知りませんが

彼のグループがデモを繰り返し、その中のメンバーが商店略奪などの犯罪行為を起こしたのは事実でしょうね。
弟の事件
ジャーナリストの彼の弟は取材をしている時に学生グループに襲われ負傷しました。チリも危ない国になりました。
2)新憲法賛否
ラディカル党の前党首マルドナルドは党の決断(新憲法賛成)を受けないと発表したので、やむを得ず、党は彼を処罰することに決めました。
左翼は新憲法に賛成、右翼は反対と言う簡単な構造ではありません。党が賛成しても個人が反対する例とかがあり、各自が自分の判断を出しました。
バチェレット元大統領は4年間務めた国連の人権委員会のトップの座を明け渡しました。彼女はチリに戻って新憲法賛成のビデオに出ました。
さて、その結果はどうなったかです。予想ではノーが10%の差をつけて勝つでしたが、今日の数字は何と20%以上もの大差になりました。
今、道路を車がクラクションを鳴らしながら走っています。1台や2台ではありません、大量です。この投票は盛り上がらないと書きましたが、投票が終わってから随分盛り上がっています。???
ボリッチはパタゴニアから首都圏に戻り、モネダ宮殿でこの結果に関してコメントを出しました。新憲法に関し国民のあの熱意が、新憲法委員会に伝わらなかったと言う自己批判はするが、チリの現状で健康問題・年金問題・社会安全などなど数多くの問題を抱えているのは事実で、それを解決しようとするのは政府の責任だが、その基本になる憲法も訂正する必要がある。このため、明日両院の議長と面談し、どのように新憲法を作成できるか検討したいとしました。
まだ結論は出ていないようですが、来週に内閣改造をするらしい。

上記とは関係ないですが、国会で議員同士が揉めあい、右翼の議員が左翼の議員の顔にパンチを入れました。右派の議員は自党から離党処分を受けました。
更にこの後どんな制裁を議会から受けるか待つ必要があります。独りぼっちですねとマスコミに言われるとイエスキリストもそうだったとか???

(経済)

1)経済状況
チリの現状はほとんどの分野で停滞、もしくは縮小が進んでいます。
例えば、先月の新車の販売数で35000台と18カ月ぶりに7%も前年より下がりました。
新聞の社説にコロナ問題やウクナイナ戦争の影響だけでなく、チリ国内の政治・社会問題がチリ経済停滞を招いていると書かれています。
中銀発表では7月は1%の経済上昇とか。先月の失業率は7.9%で前年対比1%下がりました。まだ高いですが。
ところが、今週の株式市場は4.5%の上昇で5600ポイントを超え今年の新記録。日曜日の選挙でノーが勝って経済が安定化し、再度、経済成長が見込めると言うことらしい。その予想は当たりましたね。
大蔵省も先日発表した新税制の改定をするらしい。
2)銅価格と為替
1ポンド3.44ドルと1カ月ぶりの悪い数字。しかし為替はそれほど影響せず1ドル898ペソでした。
専門家が日曜日の投票の結果が月曜日の為替市場にどう影響するか議論しています。それは今週900ペソだったのがペソ高になって800ペソまで行くのか逆に1000ペソまで落ちるのかと言うことです。

(一般)

1)マプチェ問題
 南部のコンツルモで由緒ある建物に放火され、そこの住民3名に発砲がされました。一人は重傷です。マプチェのグループが攻撃を宣言しています。
もう、こうした襲撃事件は日常茶飯事ですね。
CAMのリーダーが先週逮捕されましたが、今週はその息子が捕まりました。こうしてリーダーが逮捕されてもグループの勢いは収まりません。
南部に住んでいる人は大変ですね。いつこうした事件に巻き込まれるか分かりませんから。
2)コロナ問題
今週は新規陽性者が1万人を超えることはありませんでした。収まっていると言われます。4回のワクチン接種が効いているのかな?
コロナ問題で急に出生率が減少しました。2020年からなんと30%も下がっています。2020年は1月から8月までで13万人、それが今年は9万人です。
しかしもっと遡ると2018年は16万人でしたから7年で44%の減少。
つまり出生率の減少はコロナ問題だけでなく,もう子供は欲しくないとするカップルが増えているのが原因でしょう。

(スポーツ)

1)サッカー
今週は投票のためサッカーのリーグ戦はお休みでした。


以上

チリの風 その1006 2022年8月22日ー28日

もうサンティアゴは春です。いろんな種類の白やピンクの花が満開です。
この土曜に日本人学校の40周年記念行事があり参加しました。その第1回運動会から参加していますから、学校の歴史と私の人生は長い付き合いです。
その式の後に学習発表会がありました。参加している親が私の子供の年齢ですから月日の経つのを感じます。
今週もスポーツを楽しみました。仲間と第3展望台に行って眼下に広がる光景を堪能しました。スモッグは悲しいですが。マラソンもちゃんと10キロを走りました。
日曜日に仲間と走った時、今シーズンで初めて半そで半ズボンで走りました。
ところで、月曜日に道端に財布が落ちているのを見つけました。お金の他に身分証明書、銀行カードなどが入っていました。電話番号がなかったので、区役所の市民安全課に持って行きました。そこで持ち主の住所を調べ、その人に財布の件を連絡し、翌日、受け取りに来たとか。誰かの役に立ちました。
それから台所の隅の小さな花壇に小鳥が卵を産みました。ほとんど一日中、母親がそれを温めています。いつ卵が孵るかな。

(政治)

1)ボリッチ動向
 40時間労働
 これが今週の話題かと思いましたが、違いました。ほとんど盛り上がりません。国会で認められれば、週40時間労働が段階的に適応されることになる由。

大穴チェック
 先日から問題になっている大穴を見るためボリッチは北部アタカマ第3州のコピアポに飛びました。その穴の近くで、彼は市民の安全を守るのは政府の仕事だが、それを同地区の鉱山会社も共同して問題解決に当たってほしいとしました。その後、同地区に建設する貧民層援助のための160の家屋の建設を見ました。私の任期中に全国でこうした家屋建設を26万戸を目標にするとしています。


初の入れ替え
社会促進省の次官サンティアが更迭されました。ボリッチ政権で最初の入れ替えになります。その理由が良く分かりませんが、彼女はCAMのジャイツルと連絡を取っていたと言われます。
 政府がテロリストグループと見るCAMと政府高官が連絡を取るのは不可解ですが、テロ行為は止めてほしいと言っていたのでしょうか、それとも警察がどこどこを調べていると教えていたのでしょうか?そのニュースが出てすぐ後に、その人の上司、つまり大臣が辞任しました。彼女もジャイツルとコンタクトを取っていたのです。警察はもう2年半も彼を警戒し、彼の 電話を盗聴していたわけです。ボリッチは私は誰にもそんな行為を取れと指示したことはないとしています。今回辞任した大臣は、先日、チリには政治犯が刑務所に入れられていると発言して問題になっています。大臣でも大統領の指示なく自分の考え方で動くわけですね。彼女の後任はまだ発表されていません。しかし警察のそのやり方は正当なのか不正なのか問題になるかもしれません。数年前、ウラカン作戦と呼ばれたシステムで,そのジャイテルを逮捕しましたが、その基本が嘘だったのがバレて大問題になりました。また同じ?
もちろん、逆にその元大臣が裁判沙汰になる可能性もありますね。
2)憲法選挙 
ノーが勝った場合、どう対応するか与党内で論議が続いています。もう市民調査では拒否するが勝つのは間違いないわけで、それは単なる心配事ではなく確実にノーが勝つのですから、何をどうするか予測でなく準備すべきですね。
識者の意見でノーが勝った場合、敗因を政府に押し付けるグループが出てくるだろうとされています。なるほど。与党内分裂ですね。
新聞の論調で、新憲法が認められれば為替に大きな動きが出るだろうとされています。もちろん為替だけでなく、いろんな分野、例えば厚生年金AFPや民間健康保険イサプレなども壊滅的な事態が起きそうです。つまり社会の安定のためにはノーが勝つのが望ましいとか。
今日は各地で両方のグループがデモをしましたが、ほとんど盛り上がりません。
先日、市内観光のガイドをしたとき、歴史博物館に入るのに移動パスが必要でした。ところが来週の憲法投票にそれは不要と選挙管理委員会は発表しました。政治的問題を少なくするためでしょうね。
厚生省は移動パス無しでも投票は大丈夫と言っています。本当ですか?

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド3.77ドルとこの1か月で最高の数字。為替は公式では1ドル910ペソでした。一般では892ペソ迄ドルは落ちています。
 銅の好調が少し戻って来たので、新聞にもう一つのチリの切り札リチウムの採掘販売に関し、政府の確固としたアイデアを発表すべきとされています。
 関係ないですが、国連人権部門のトップのバチェレットは来月その職を辞任して、チリに戻って来るようです。ウイグル地区の人権問題に関し、彼女は国連としての公式見解を発表できるかどうかわからないとあいまいにしています。彼女はチリに戻ってきてもちろん政治に顔を出すでしょうが、その他に中国がリチウム関連でチリに進出するのを助けるのかな?
2)経済成長率
9月の第2週に中銀の公式発表がありますが、それに先立って予想される数字がもれました。
それによるとインフレは収まらず12ー13%が予想され、成長率は今年は2.25%、来年はマイナス1.25-2.25%になりそうとか。厳しいですね。
経済分析委員会の発表で今年の前半の資本の不正運用疑惑ケースは5400件で昨年より25%アップとか。やっぱり利益が出てくるとそれを隠そうとするのでしょうね。

(一般)

1)マプチェ問題
ジャイツル逮捕。今週の最大の話題です。
南部の特別区で警察・陸軍と対等に戦っているCAMですが,そのリーダーの彼が逮捕されました。
すると同グループは抗議行動を起こし、首都と南部地区を結ぶ国道5号線があちこちで封鎖されました。チリ最大級のバス会社プルマンブスはその夜、同路線のバスの運営を止めました。
そこに行っていた人から聞きましたが、もうホテル・レストランも閉めているところがほとんどとか。いつ放火されるか分かりませんからね。もちろん抗議行動は各地で起きています。
新しいニュースは盗まれた木材を運んでいたトラックが見つかって、それに乗っていた2名が逮捕されました。彼らを調べれば組織の内容・やり方が全部明らかになりますね。
ボリッチは当初、マプチェ問題を軍隊を使って力で抑えるのではなく、関係を会話で進めるとしましたが、それが大きく変わって陸軍使用にしました。つまり政策の変化ですが、それが政府内で一致していないことが分かってきたわけです。
2)コロナ問題
最近同じような数字が継続しています。それでも今週は1万人には行かず9千人まででした。
また陽性率は平均が15%から11ー12%と少し下がっています。
もう政府もマスコミも一般市民もこの問題を大きく取り上げることはしていません。
もうすぐ建国記念のお祭りですが、国中でごった返すような場所が溢れるでしょう。
フアン・フエルナンデス島に今日33名の感染者が出ています。昨日から1日で14名増えました。油断するとそういう事態になるわけですね。
その島はロビンソン・クルーソー島と言われることもあります。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦の最も注目されたゲームは2大大学チームの戦いで、それはチリ大学対カトリカ大学です。久しぶりに国立競技場で行われ2万5千人の観客でした。
 急に客数が増えたのは締め付けを緩めたからでしょうね。それで半分の席が埋まりました。
この試合、3対0とカトリカが楽勝し、チリ大学は2部リーグに落ちそうです。
首位のコロコロは久しぶりに負けましたが勝ち点48,2位コキンボは39ですからその差は9。
後6試合ありますが、コロコロは3勝3敗でも首位をキープできます、例え2位が6連勝しても。つまりもうコロコロの優勝は間違いなしです。


以上

チリの風 その1005 2022年8月15日ー21日

火曜日・水曜日と雨が降りましたが、金・土・日と週末はバッチリ晴れました。梅に似たアーモンドの白い花が咲き始めました。
今週の山あるきは雪と氷に出会いました。雨の次の日だったので、夜の低温で道が凍っていて滑りやすくて泣きました。4時間半歩きましたがその凍った地区でどう転ばないように歩くか苦しみました。何回か転びましたが、ケガをしないで無事なところに着くとほっとしました。
もちろん、マラソン練習も平日10キロ、日曜日は仲間と走りました。寒くなかったので冬になってから初めて半そでシャツでした。
そして久しぶりに、土曜日にサッカー教室。参加者は10数名でした。その日の最高気温は26度と厳しい日ざしでしたが、楽しく練習しました。
それから何と今日の日曜日にガイドの仕事をしました。
最後にガイドをしたのは2年前の3月です。コロナ問題で観光客が来なくなりましたからね、

ちゃんと仕事が出来ました。まだ現役と言うのが確認できてうれしいです。
いつも言うように幸せな毎日です。

(政治)

1)ボリッチ動向
南部のニュブレとマウレ州を汽車で訪問しました。鉄道の充実を図るとしました。今までの大統領も同じことを言いましたが誰も出来ませんでした。
犯罪の抑制を図り市民の安全の確保したいとコメントしました。具体的に何か出来るのでしょうか。
2)新憲法
投票日が近づいていますが、全く盛り上がりません。今日の新聞に9月5日と言う特集記事が大きく掲載されました。それは9月4日の投票の次にの日と言うことです。
賛否の結果で社会がどう動くかの予想です。
しかし新聞に「投票はノーが望ましい。その方がチリの歩く道を良くする」とされました。新憲法委員会は国民の大多数の支持を得られる新憲法を作成する機会を失ったとされました。
憲法委員会のメンバーに責任があるとするわけです。

さてモネダ宮殿の前を歩いたら、新憲法の本が無料で配布されていました。一冊もらって持ってきましたが、内容を確認するのは大変な仕事です。
9月4日の投票の日に45000人の警官が2700か所の投票所を警備するとか。犯罪グループが投票所を襲うと言うのは想像できませんが、投票の結果が、否決となれば共産党新左翼などの賛成派が道路に出て警官と対決することはありそうです。

3)国会議員
78名を選抜して麻薬テストを実施します。もし陽性が出ればその議員はどうするのかな?辞任ですか。

(経済)

1)新税制
 マルセル大蔵大臣は新法案を発表しました。所得税やマインのローヤルティ税とかです。そのローヤルティは現行の39%を40%に上げるだけで、噂されていた50%を越えることはなかったので経営者陣はほっと一安心とか。まだ動きがあるかもしれませんが。

2)銅価格と為替
1ポンド当たり3.65ドルと先週と同じ。にも拘らずペソは対ドルで940ペソと大きく落ち込みました。新聞にインフレ、国の財務・国債などの情況が影響したとされました。
しかし1週間前とほとんど数字は変わっていないのに急にペソ安になるのは何か他の理由があるのでしょうね。

(一般)

1)マプチェ問題
 先週1カ所で13台の車が放火されたと書きましたが、今週はそれが16台になりました。トラック・重機などの合計です。つまりマプチェ問題は継続ではなく拡大と言うことになります。しかしいつも同じことを書きますがd、それだけの大規模集団が行動しているのにどうして警察・陸軍はそれを察知・抑制が出来ないのでしょうか。
 特別州として軍隊を派遣する地区に新しくリオス州を入れるはずでしたが、政府はそれを取り消しました。その件に関し社会党の党首が モネダ宮殿で内務大臣と面談し話し合ったとか。もちろん、社会党はどうして市民の安全を約束する方針を取らないのかとクレームしたのでしょうね。
 内務大臣はニッコリ笑って市民の安全は私たちの目標ですと回答したはず。何それ?そのリオス州で暴行事件が大きくなっています。
 マプチェの過激組織CAMのリーダーが木材盗伐に関し、「ここは私たちの領土です。盗伐ではなく自分たちの森林を自分たちが運用しています」
 与野党ともに困惑・憤りです。もちろんチリが独立した時、その地方はチリの領土でなく、その後、チリがかってにそこへ入り込み、マプチェを殺して自分たちの領土にした事は歴史上の事実です。北海道はアイヌの領土だったと言う感じです。新憲法では先住民の権利が書かれていますが、複数国家としてもそれを運営するのは不可能でしょうね。
2)コロナ問題
 今週の新規患者数は先週よりかなり少なくなった日がありました。と書くと収まって来たのかと思われますが、陽性率は先週と同じ15%ほどで、数字が下がったのはPCR検査数が減少したからです。
 さてボリッチは市民の行動を抑える規制は全くしていません。今まで2年間無かった大型コンサートがどんどん始まりそうです。ただそのコンサートの参加者数を抑えると言うコメントが出ています。何万人も入場させないでそれを少なくすると言うことですね。厚生大臣は室内なら75%、屋外なら収容人数の85%をマックスにするとしました。
 それが急に出たので、コンサートの入場券を買った人に影響が出そうです。払い戻しではすみませんね。
 逆にプロサッカーの試合の入場者数が少なすぎるのでもうすこし増やしてほしいと言う依頼が出ました。この先、コンサート同じように観客数が大きく増えそうです。
 そんな簡単なことを最後の段階で変更すると言うのは新厚生大臣のレベルの低さを感じさせます。
 生活の通常化とコロナ抑制の動きのバランスを捜すわけです。
 ボリッチとピニェラの考え方は大きく違いますね。どっちが良いのかな?
3)不法建築
 不法建設と言うと公共の土地に掘っ立て小屋を建てると言う感じですが、今週、北部のアントファガスタで起きた事件はかなり違います。
 不法建築VIPかな。それは2階建ての豪華な住居でした。同市の市長が警察の手を借りて、重機を持ち込み、その建物を崩壊しました。
 それがなんとその不法建築物は社会党関係者が建てていたとか。多分、国・州の誰かとコンタクトして許可を取った(黙って見過ごす約束)のでしょうか。
 いつも思いますが、政治家は右も左もせこいですね。その社会党関係者を裁判にしてほしい。
4)犯罪の増加
 中央市場はサンティアゴの観光場所としてほとんどの観光客が訪れるところです
 私もガイドとしてその中のレストランで頻繁に食事をしました。ところがコロナ問題で外人観光客は来なくなり、その地区の治安が急速に悪化してチリ人客も遠のくと市場の多くの店が閉まっています。オーナーにすればどうすればまた元に戻るのかと歯ぎしりでしょうね。チリの悲しい実態です。
5)ラヂオ放送
 今週はチリでラヂオの放送が始まって100年記念の週でした。その番組の中で特に思い出される番組として1973年の軍事革命が起きたとき、アジェンデ大統領がラヂオの番組で「これが私が皆さんに送る最後のメッセージです」としたこととか。確かにショックな放送ですね。

(スポーツ)

1)サッカー
 今週はいつものリーグ戦はお休みで、チリカップ戦が行われました。1部と2部リーグが争うカップで、今週でベスト8のチームが決まりました。
 その中にカトリカがいます。しかし何とコロコロはまさかの敗退、もう一つのチリ大学は明日の月曜日に試合が予定されています。


以上