チリの風 その985 2022年3月28日―4月3日

夏時間が終わって時間の無理がなくなりました。私の一番好きな街路樹リキダンバルの紅葉が進んでいます。
今週は、いつもと違うことが二つありました。先ず、民間健康保険会社イサプレの料金が値上げされますが、それに反対する組織が運動をしています。ある弁護士グループから誘われたので、その事務所に行って話し合いをし、私も反対グループに加盟しました。弁護士の話では、ほとんど100%値上げは避けられるだろうとのこと。裁判所の判決で、現行より料金が下がる可能性もあるらしい。どうなるか楽しみです。
もう一つはチリの身分証明書カルネの更新で、市民登録事務所に行きました。外国人は5年ごとに更新ですが、今までは街の中心街の外人登録局に行きました。毎回、すぐには手配が終わらず、2,3回行かされるほどでした。それは必要書類が多く手続きが複雑だったからです。そのため列を作って待たされるました。それが今回は何と5分で完成しました。先ず入所するのに長い列がありましたが、係官に中高年ですと言うと、すぐに中に入れてくれました。そして、今までの様にいろんな書類を見せることなく即手続きが完成しました。今月末に新しいカードが入手可能とか。これは彼らの最新システムの中に必要な情報が全部用意されていると言う証拠ですね、素晴らしい。チリはこの点で進んできています。
もちろん、仲間と山歩きをしました。そしてマラソン練習も、週日に一人でちゃんと10キロ、日曜日は仲間と楽しく走っています。
新年度の学校でのサッカー教室・登山教室の準備も進んでいます。

いつものように幸せな一週間でした。

(政治)

1)ボリッチ動向
外交問題ですが、二つあります。今週からボリビアの訴えでハーグ国際法廷でシララ川問題の論議が始まりました。その川の水をチリが不正使用していると言うものです。ボリビアからチリに流れてくる川ですから。下流に位置するチリが、その水を利用するのは不正ではないと思われますが。
それから4月2日はフォークランド戦争が始まって40年の記念日でした。その時、南米全ての国がアルゼンチンを応援しましたが、チリだけイギリスの味方をしました。さてその島に現在199名のチリ人が住んでいます(人口の6%とか)。大半が、1990年以降に渡った人たちです。あんな孤島でも、楽しく住めるのですね。
今日、ボリッチがアルゼンチン訪問を始めました。5名の大臣を率いて同国に到着。明日から公式行事が始まります。
2)マプチェ問題
先日、内務大臣がアラウカニア州(第9州)を訪問し、マプチェの集落を訪問しようとした時、銃による脅しを受けました。
今週はその北のビオビオ州(第8州)のカニェテに内務次官が訪問すると、道路が封鎖されて町に入ることが出来ません。
さてそのカニェテで殺人事件がありました。元警官が殺されましたが、捕まった二人は17歳で、ものを盗もうとして襲ったとか。そんな小さな町でも、そういう殺人事件が起きるようになったのですね。悲しい。
それから、その地区で老夫婦が持つ土地に覆面部隊が来て、3週間以内にお前たちはここから出て行けと命令をしました。その様子がちゃんと録画されテレビのニュースに出ました。以前、そうして家が燃やされ老夫婦が焼死しましたが、警察は何もできないのかな?ビデオがあるから覆面をしたその男を特定して逮捕するのは可能と思いますが。
ボリッチはピニェラがやっていた軍隊を前面に出して暴力行為を抑えるのは間違いとして、1週間前に軍隊を撤退させましたが、状況は悪くなっています。こうして毎日起きる事件に打つ手はないのでしょうか。なんと土曜日に、第9州で11軒の家が燃やされ、車両も多く焼けました。マプチェのグループが犯行声明を出しています。野党だけでなく、与党からも安全対策として打つ手はないのかとボリッチ政権に反対する声が上がっています。
ここで、やっぱり軍隊が必要とすれば赤っ恥ですね。
内務大臣がその問題に関し、そこをアラウカノと言わずワォルマプとしたところ、アルゼンチンからクレームが出ました。アラウカノはチリだけですが、ワォルマプは両国に住むマプチェを意味するからとか。もちろん彼女はそんな深い意味を知らずに使ったのでしょうね。チリ側は小さな問題を大げさに言わないでほしいとコメント。どうなるかな?
3)警察長官の不正問題
裁判所に呼び出された元長官は黙秘をしたので、裁判にする価値があるかどうか調べる5日間の間、施設に収容されることになりました。裁判所に行って自分の意見を述べないと言うのはどういう考えなのでしょう。彼が有罪になって刑務所に入れば、後任者は不正をする気にならないでしょうね。

 

(経済)

1)経済見通し
中銀の発表ですが、昨年11.7%を記録した経済成長は今年は1-2%だろうとか。この2月の成長率は6.8%で、昨年平均から大きく下がってきています。
またインフレは昨年よりひどく10%が見込まれるらしい。
このため派手な消費をさせないため公定歩合を7%と2009年以来の高い数字にしました。
2023年はさらに低成長率が見込まれるが、その原因は新憲法が原因になるだろうとのこと。いやはや。確かにチリの命綱の鉱山関連事業は新憲法で国有化が可能になるとすれば、誰も投資はしませんね。
新聞の社説で、新憲法でチリの民主主義が危機に面していると書かれています。
コロナで落ち込んだ2020年から2021年は大きく取り戻したわけですが、大手679社の数字で21年は20年より売り上げが29.5%上昇し、利益は461%の大幅増になっています。さぁ2022年はどうかな?
2)株式市場
順調に伸びていき、今週は4907ポイントと2019年10月以降で初めて5000ポイントに近づくところに来ました。
3)銅価格と為替
1ポンド4.65ドルで終えました。一時4.71ドルと上昇しましたが、残念、最後は普通のレベルでした。為替は
1ドル787ペソとペソ高になっています。

(一般)

1)コロナ問題 
 現政権のコロナ対策がはっきりしないと言われ始めました。
 土曜日の新規感染者数は4823人で82日ぶりの低い数字。陽性率は6.6%でした。このまま治まって行くのかな?
2)青年闘士の日
これは37年前、軍事政権時に反政府運動家が殺された事件を記念する運動ですが、毎年デモ隊と警察が激しくぶつかります。
今年もそれで55名の逮捕者が出ました。警察官の負傷も記録されています。
先週、警官が発砲してデモ隊員が負傷した事件で、内務大臣は警察軍を批判しましたが、その警官はデモ隊から暴行を受けているビデオが出ると、彼女は一変して、私たちは警察の横にいて、警察の活動を応援したいとしました。このコメントに対し共産党の区長が、警官を応援するなんて、右翼的だなとクレーム。いやはやですね。
新聞の風刺漫画に内務大臣が出ました。制服交換として、白い医者の服の下に警官のユニフォームでした。彼女は内務大臣になる前は医師協会の会長でしたから。笑ってしまいますね。
この件に関し、新聞の社説で「内務大臣もやっと社会の秩序の維持が大事だと理解したのだろう」と書かれました。3年前の社会騒乱の時、ボリッチのグループは反政府としてデモをしていたのですが。
土曜日の11軒の家の放火事件で政府は現地警察に面談を申し入れました。
警察軍の新長官が、「こうした暴力事件に私たちは何も手を打てないと言われるのは同意出来かねるし、犯罪グループを抑えようとすると人権問題と言われるのもどうも」とコメントしています。
3)不法占拠
全国345の市町村の内、3分の1の地区で空き地を使った不法占拠が行われています。そこに掘っ立て小屋を建て、生活するわけです。最近の厚生年金の引き出しで入手した金で材料を買って小屋を作ったと言う話も出ています。都内のセリジョスではもう1万人が住んでおり、都内最大の不法占拠地区になっています。ボリッチはどんな手を打つのかな?

(スポーツ)

1)サッカー
ワールドカップの南米予選の最終戦が行われ、チリはホームでウルグアイと対戦し、0対2で惨敗。南米で10チーム中7位で全試合を終えました。これで2回連続、ワールドカップに参加できません。チリ代表チームの監督は交替になります。
FIFAのランキングで、毎回の様にランクを下げ、今は28位になっています。一桁だった時期が懐かしいですね。
国内リーグ戦は宿敵のカトリカ対チリ大学が行われ、最近、連敗しているカトリカが勝ちました。
順位は1位はコロコロ、2位はコブレサル、3位はニュブレンセです。
カトリカは7位、チリ大学は9位です。


以上

チリの風 その984 2022年3月21日ー27日

秋になってきました。朝、散歩に出ると寒いほどで、今まで日陰を捜して歩いていたのに、今では太陽の当たっているところを歩いています。
交通渋滞がひどいです。特に朝ですが、私の住居の窓から外の交差点を見ていると車があふれています。
今は7時半ころまで暗いですが、冬時間になると6時半から明るくなるわけで、それが待ち遠しいです。
今週はインフルエンザの予防注射を打ちました。その接種場所は以前、コロナワクチンの3回目の接種をした公園です。
その時は3時間も待たされましたが、今回はほとんど誰もいませんでした。副作用もなくバッチリ。さぁ、この冬は風邪もひかないかな?そこから区役所の無料周回バスで家に戻ってきました。チリも国民にいろいろサービスをしています。
土曜日は登山教室。今回はいつもと違って隣の山岳公園で川めぐりコースを歩きました。山岳公園の入山者が溢れるほどでしたが、それはコロナ問題が少なくなっているからでしょう。
私たちのグループは12名の参加者でしたが、つり橋が一人ずつしか渡れないので、そこはすごい混みようでした。
日曜日はマラソン練習、いつもの通りです。こうして毎日、充実した生活を送れるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 二つの世論調査で政権1週間の彼を支持するは50%、47%でした。ほとんど同じ数字ですね。
 私の考えでは今週の彼の行動で一番目立つのは大使任命です。その中で目立つのが二人います。一人はこの大統領選挙で社会党から出た女性で、彼女をチリの国連大使に任命。これは社会党にごまをすったのかな?
もう一人は共産党員で労働者連合の会長をしていたフィゲロアで、彼女をアルゼンチン大使にしました。フィゲロアは昔、国会の後ろの席で議事を見学しているとき、大蔵大臣を糾弾しはじめ、係員の阻止を無視して怒声を上げ続けたので実力排除されました。その時、ボリッチは彼女の近くにいました。

それから彼は空軍設立92周年記念日のパレードに参加しました。大統領になる前は、こんな行事は不要だと思っていたのでしょうが、今は大統領になったので、それに出席しました。

国会で各自が積み立てた厚生年金の5回目の引き出し案が討議されています。ボリッチはそれに反対していますが、左翼グループの多くが賛成し、成立を図っています。共産党の区長が、少し前まで野党グループが総力を挙げて国民のために闘ってきたのに、どうして新政権は違った見解を取るのだとクレームしています。
国民が自分の積み立てた年金基礎を引き出せば、年金をもらう年齢になった時、その額が激減するのは当然で、それを国民のために戦っているとする与党グループ(先月までの野党グループ)の考えは異常です。

こうしたことからボリッチは仲間に呼びかけました。与党として統一戦線を組もうということです。今までの中道左翼政権はキリスト教民主党DC、社会党PS、そこから分かれたPPDが3大政党でした。今回はその時期は見下されていた新左翼共産党が主力で、今までの政権と大きく変わっています。それを旧主力と新主力とすると、まるで仲間と言うより敵対グループのようになるわけです。新聞の特集でその中で特に社会党共産党の意見の違いが大きいとされています。
もっとも新主力の中も新左翼共産党は対立していますが。
ボリッチの呼びかけが成功するか、全く役に立たないかの二つの可能性があります。
2)新憲法委員会 
期間内に新憲法案は出来上がらないと、3か月期間を延長し、7月5日に成立することになりました。
もう最近同じことが言われますが、この新憲法は一般チリ人が納得するものではないだろう、つまりそのれを認定するかどうかの国民投票で拒否されるだろうと言われています。今の中央政権制を変えて、アメリカ合衆国の様に各州に自治を任せると言う意見もあるとか。新憲法の是非に一部づつ投票するわけではないから、全体として認めるとするのは大きな一歩を踏み出すことになりますね。
それを嫌がって拒否をすれば、ボリッチが心配するようにまた社会騒乱が再発しそうです。
3)元アントファガスタ市長の海外逃亡
汚職の罪で有罪になり、5年間の服役が決まった元市長が、刑務所に入る替わりに欧州に逃げました。2,3週間、欧州で滞在するならわかりますが、そこで住み始めれば、国際警察の手が入るのは当然で、海外逃亡したその人の考えが良く分かりません。欧州から強制送還されてチリに戻って来た時、どんなコメントをするのかな?

(経済)

1)新政権の経済政策
 厚生年金の5回目の引き出しや、ウクラニア問題を前にしながら、今年も高い経済成長を目指すとすることは極めて困難と思われますが、ボリッチ政権は国民に、もしくは支持者に夢を与えるのを当面の目標にするようです。
それに関してすぐにばけの皮が剥がれるコメントより真実を説明する方が良いのではと新聞に書かれました。
2)ガソリン・灯油価格の安定化
 チリではMEPCOと言うシステムがあり、毎日の価格の上昇の割合が決まっています。下降の場合も同じです。
 それを超えた数字を市場が要求すれば、時間をかけてその価格にするわけです。
 その基礎に政府が資本を注入し、一層の安定化をもくろむことになりました。
 ガソリンだけでなく、冬になって一般家庭が必要とする灯油にもそれを運用します。

3)銅価格と為替
 銅は1ポンド4.66ドルと先週より少し上がりました。そのため為替はペソが強くなり、1ドル790ペソでした。
 しかしこうして銅価格が高値安定しているのはチリにとって最高のニュースですね。ボリッチ応援のようです。
4)株式市場 チリの株式市場が世界1位の上昇です。
 誰も理解できません。ロシアのウクラニア侵入以降、チリの株式市場は13%の上昇を記録し、それは世界1位だとか。
 どうしてかな?

(一般)

1)コロナ問題
 今週の新規患者数は8000人前後で。先週より少なくなっています。そして陽性率も下がって10%以下が多いです。
陽性者数は一時は10万人を超えていましたが、今週は35000人とかなり下がってきています。病床もかなり余裕が出てきたとか。
 このまま収まるかな????
  
2)武器の盗難
 信じられないことが起きました。軍が保存している銃が何十丁と盗まれました。銃を積んだ車が軍の施設を抜け出すのにチェックは無いのでしょうか。まさか、軍の車で運び出されたのかな?
一般人が一人逮捕されましたが、良く分かりません。軍の誰かが関連しているのは間違いないでしょうね。
しかしそんな犯罪では、遅かれ早かれ関係者は全員逮捕されると、犯人グループは思わないのかな?

3)学生デモ
金曜日、全国各地で学生デモがあり、奨学金がこの10年間、全く増額されていないとクレームしました。
昔、そのデモ隊のリーダーをしていたのが今の大統領です。そのデモ隊に覆面をしたグループが加わり、騒動を起こし始めました。それを抑えるため警官が、放水車などを使いましたが、一部で発砲もあったとかで、その弾丸でデモ隊の一人が負傷しました。3年前から全く変わっていませんね。
政府は、これを重大事件とし警察軍に調査を指示しました。警察と政府の対立が始まるかな?右翼の議員は、この事件で逮捕者数と警官の負傷者数がほとんど同じと言うことは、デモ隊が警察軍に攻撃をかけていたことは自明で、警官が自衛処置として銃を使用したのは認められると政府を批判しました。
それから先週もありましたが、女子学生が校内での性的事件を訴えていますが、今年に入って現在まで48の訴えが文部省に入っています。
4)マプチェ問題
ボリッチ新政権の目玉になるかと思われましたが、マプチェ問題は全く進展していません。
数年前に、住居に火をつけ、中にいた老夫婦が焼死した事件で服役していた二人のマプチェが、刑務所内でハンガーストライキをして、政治犯として釈放せよと要求しました。裁判所は、彼らの刑の一部を軽くして、今日から日曜日に外出できるようにしました。もちろん、この処置に反対する声も大きくなっています。
マプチェのグループで最も暴力的な組織のCAMは政府との対話をするつもりはないらしい。政府のコメント・現地訪問で関係が良くなるとか、問題の軽減が図れる可能性はないとされています。
マプチェが麻薬と深く関係し、反政府のための闘争の経済基盤を手にしたことも問題の深刻化を大きくしているとか。
つまり近い将来に何かが良くなる可能性はほとんどないらしい。

(スポーツ)

1)サッカー
 今回、ワールドカップの南米予選の最終2試合があります。その最初の試合が今週有りました。
 チリは敵地でブラジルと対決し、0対4で惨敗しました。
 私は負けると思っていましたから、その通りでした。
 昔は、こうした試合を気合を入れてみました。
 チリのゴールが決まると、窓を開けて、通行中の人にも喜びをわけるため、大声で「ゴー―――ル」と叫んでいました。上層階の人から「うるさい、中国人」と言われたこともあります。
 今は全くそんな気になりません。
 最終戦は来週、チリで対ウルグアイ戦です。チリがアメリカ杯で優勝していた時、どの国と対戦しても勝ちそうだった事が懐かしいです。今はどこと試合をしても負けそうです。
国内リーグ戦ですが、1試合残っていた試合が行われ、そのけ結果、7試合が終わった段階で、首位はコブレサル、ついでコロコロ。3位はニュブレンセです。人気のチリ大学は8位、カトリカは9位と振るいません。

以上

チリの風 その983 2022年3月14日―20日

最高気温が30度の日が続いていたサンティアゴですが、立秋の日、日曜日は曇って涼しかったです。
さて今週も忙しく毎日を楽しみました。
一番、緊張したのは金曜日で、午前中、不動産屋に付き添われて中高年女性がここに来ました。
彼女はここの近くの一軒家に住んでいますが、ご主人がなくなったのでそこを出てマンションに住みたくなったとか。最後にここが気に入ったとコメントしました。
午後は仲間に頼まれたマプチェの講義をしました。質疑応答も入れて1時間半ほど話しました。
先月はパタゴニア、今月はマプチェの話をしましたが、この調子だと南部移住の夢が実現すれば、現地のチリの学校で日本の歴史や文化の話をすることになるのでしょうか?
さて木曜日の山歩きは仲間と第1展望台の上に位置するサボテン公園へ行きました。そこのサボテンに寄生植物が赤い花を咲かせているのを見ました。
それから一人で郊外のマイポ峡谷にいって散歩しました。そこまで地下鉄とバスを乗り継いで片道2時間です。
久しぶりに娘が来て夕食を一緒にしました。彼女の毎日の生活の様子を聞きました。
土曜日は久しぶりの日本人学校のサッカー教室。20名ほどの参加者で楽しく練習しました。
ラソンは、先週の事故の後、また10キロを走れるようになりました。日曜日のマラソン練習はいつもの通り、仲間と楽しく走りました。

私は幸運です。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領に就任して1週間がたちました。
いろんなことがありましたが、やっぱりマプチェ問題が最大の話題でしょうね。内務大臣は即時、その第9州アラウカニアに飛び、マプチェ側の組織とその被害を受けた側の両方に面談しようとしました。ところが、現地に着いてすぐに、彼女の近くで銃弾が飛び回り、予定を中止しました。(その内務大臣は出張から帰ってPCR検査をしたところ陽性でした???)
マプチェ側は政府は右でも左でも同じだ。自分たちの土地に無断で侵入し、武器を使ってそこを取り上げた凶悪政府の後継者だとするのでしょうね。歴史的にはそれは真実です。
しかし現実的にはそうした動きでは同州の発展はなく、これからも苦しい生活が続くと言うことを考えた方が良いと思うのですが、どうでしょう。新憲法委員会で同州の自治州化が出されています。

外遊
ボリッチの最初の外遊は4月の初めにアルゼンチンに決定です。
先週の就任式で同国の大統領がボリッチにすり寄りましたね。

憲法委員会
ボリッチはこの件で、新憲法国民投票で否決されれば、また社会騒乱が起きるのではないかと心配するとしました。
共産党はこの件に関し、政府は中道ではなく、新憲法制定に向けて動くべきだと警告しています。
もっとも政権内で新左翼と旧左翼の混乱・対立がいつも噂されています。

大統領の恩赦
この前の社会騒乱で逮捕された犯人を釈放する動きがあります。
私にすれば放火・略奪事件の犯人は政治犯ではないですが、ボリッチにすれば昔の仲間と言う感じかもしれません。
選挙前からそれを公約していたボリッチはその中の183人に関し、ピニェラ政府が国として裁判所に訴えていたのを取り消しました。
その一人は火炎爆弾を投げていました。私の想像では、彼はそれが人生の楽しみで、デモがあれば必ず爆弾を持って参加し、それが燃え上がるのを見ると、にっこり笑って家に戻っていたのでしょう。有罪ではないですか?

環境保全エスカス
ボリッチは公約通りその条約にサインをしました。それはラテンアメリカ・カリブの諸国が環境保全で同調しようとする条約ですが、ピニェラはサインするのをためらっていました。既に24か国がサインしています。
これが通ると大気汚染問題などに手を入れやすくなりますね。この条約は国会に送られました。

首都圏の水不足
ボリッチは水不足から断水が起きる可能性があると警告しました。新聞に、区によって各自の水の消費量が大きく異なると発表されました。一日・一人当たりの水の消費が多いのはピルケが211リットル。バルネチェア198リットル。逆に少ないのはエル・タボで25リットル、エル・キスコ26リットルです。大変な差がありますね。その理由は説明されていません。私の住んでいるラスコンデスは87リットルでした。それほどひどくなないですね。

警察首脳の不正問題
陸軍の場合と同じですが、不正問題は継続です。どうしてそういう組織を改善できないのですか?
内部の監査組織を見直すとか、不正事件のトップを重罪にするとか、ボリッチには手を打ってもらいたいです。
 

(経済)

1)経済成長率
 昨年のチリの成長率は11.7%で、なんと世界4位の高さ。(1位はパナマの18%でした)
 コロナで落ち込んだ2010年のマイナスを取り戻しました。個人消費・新規投資・貯蓄増加とかがプラスになっています。
 ただ今年はそれには遠い、低い数字が予想されています。

2)銅価格と為替
1ポンド4.65ドルと先週より少し上がりました。為替は1ドル798ペソとペソが少し強くなっています。
2020年に2.1ドル程まで落ち込んでいますから、同じ量の生産で2倍以上の収入ですね。
チリの国営銅公社は国庫に大きな額を毎年納入しています。その2020年は12.9億ドルでしたが、昨年は何と55億ドルと急上昇。それが今年もまだ上がるかもしれませんね。

(一般)

1)コロナ問題
新規患者数は連日1万人以上、陽性率は15%ほどと悪い数字が継続ですが、もう病気の件は話題にならなくなっています。
確かに緊急病棟が足りないと言うことはないようです。自宅待機令などの規制は首都圏ではありません。

2)ロラパロサ音楽祭
もうコロナ問題は終わったのでしょうか、この週末、久しぶりの音楽祭が都内で開催され、毎日7万5千人の観衆が集まりました。
全く距離を置かないで、マスクもしないで満員の観衆が音楽を楽しんでいました。大丈夫かな?

3)女子学生デモ
学校内で暴力行為、性的いじめなどが止まらないと女子学生の抗議デモがありました。
ボリッチはどんな手を打つのかな?
4)夏時間の終わり
来月、4月2日の土曜日から、夏時間が終わり、自然時間に戻ります。つまり朝は1時間、太陽が出るのが遅くなり夕方は1時間、夜の来るのが遅くなるわけです。
5)山火事
パタゴニアの中心のフエゴ島の山火事は1か月以上燃え続き、1300ヘクタールを焼きましたが、今週やっと鎮火したらしい。良かった、しかしいつまた山火事が起きるか分かりませんね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦の結果ですが、人気3チームの成績はコロコロは勝利、チリ大学は引き分け、カトリカはまた負けて4連敗。
順位は首位はコブレサル、2位はコロコロ、3位はニュブレンセでした。ただ3位のチームは明日に試合があるので、それに勝てば1位になります。
1部リーグ16チームの中でカトリカは7位、チリ大学は10位と振るいません。
もうすぐ、ワールドカップの南米予選の最終戦があります。どうなるかな?
ワールドカップの南米予選の最終戦が近づいています。あまり期待できませんが、対ブラジル。ウルグアイに勝てば本大会に出られるようです。


以上

チリの風 その982 2022年3月7日―13日

サンティアゴの最高気温と最低気温の差は20度の日が多いです。例えば31度と11度とか。
それでも秋の気配が濃くなってきました。紅葉もすすんでいます。

さて、今週は事故にあってしまいました。火曜日、マラソン練習をしていると車庫から出てきた車にぶつかりました。
私は転倒してあちこちに擦り傷。それでも何とか持ち直しました。木曜日の山歩きは山に登るのは無理でしたが、仲間と麓歩きをしました。
週末、私たちは仲間の夫婦と昼食を一緒にしました。4人で会話とおいしい食事を楽しみました。
日曜日はいつもののマラソン練習、まだ本調子ではないので、仲間の後を軽く4,5キロ走りました。
国税局に今年の家屋税に関する質問をしに行きました。
そして先月と同じように頼まれて「マプチェの講義」をしますが、その練習を毎日しています。

夜、ベッドに入って、今日も面白かったと毎晩、幸せを感謝しています。

(政治)

1)ボリッチ動向
 新大統領が就任しました。今までなかったことですが、その日、彼はネクタイをしめませんでした。
 隣州バルパライソの国会議事堂で就任式をしてから、首都に戻りモネダ宮殿に入り窓から外の聴衆に就任後の最初の演説をしました。
 宮殿前の憲法広場のあふれるほどの聴衆がそれを聞きました。約半時間のスピーチでした。
 なかなかの出来です。彼の4年間がどんな風に進むかドキドキします。汚染で苦しんでいる町の名前を上げ、大気汚染を即時抑えることにしたいとコメント。素晴らしいですね。マプチェに関しては軍隊を出して抑えるのが究極の政策ではないだろう。彼らもチリの国民だから、彼らを助ける方向にしなければいけない。
 経済に関しても全体が上向きになるべきで、一部の人間の懐を考える政策はとらない。超富裕層からの税金を上げ貧困層の援助に充てるのは当然だろう・・・・さぁどうなるかな?

 就任式の翌日、カトリックの大聖堂のミサに出席しました。カトリックは近年のスキャンダルで国民の信頼を失っていますが、新大統領としては表面は今までどおりに頭を下げるのでしょうね。
 その式典の後、ボリッチは年少児暴行事件で訴えられている神父がそこに参加していたことを取り上げ、厳しいクレームをしました。被害者の声を聞くつもりはないのか、組織として反省はないのかと言うわけです。

 さて就任式に参加した各国首脳の中で、アルゼンチンの大統領が彼を4月に招待しました。そして必要なら天然ガスをチリに 輸出すると提案してきました。アルゼンチンはチリより政治・経済ともに厳しい状況です。
 日本の小田原外務副大臣がボリッチに会ってポケモンのプレゼントをしたら喜ばれたとニュースになりました。

 さて、ボリッチ政権の問題点として、政権内の意見の統一があげられています。共産党新左翼でしょう。そして新憲法 委員会とどう接触していくかも注目されています。政策としては移民・マプチェそして麻薬対策をどうすすめるかが課題です。ピニェラは最後の時期、ほとんど有力な手を打てませんでしたから。
そのマプチェの件ですが、彼は軍隊で地区を抑えると言う方針はとらない。来週、内務大臣を派遣し、マプチェ側、被害者側の双方と会議し、段階的に軍隊を引き揚げることにしたいとしました。
全く逆の動きですが、今日、テログループの攻撃が記録されました。
さぁどうなるかな。
2)ピニェラ動向
 任期の最後の週を何とか過ごしました。最後の市民調査で彼を支持するは24%、不支持は71%でした。
 3月8日の国際婦人デイをモネダで祝いました。その日、チリ各地で街頭デモがありました。大きな混乱は無かったですが。
 新陸軍長官の就任式に出席しました。新長官は陸軍の恥になるような事件が二度と起こらないようにするとコメント。
 当然ですね。
  そしてピニェラは全テレビ局を通じてお別れの挨拶をしました。私はそれを見ましたが、なんだか、一生懸命やって来たのに運がなかったと愚痴をこぼしているように聞こえました???
 共産党の幹部が今回のピニェラ政権は歴史上最悪のものだとコメントすると、それに対して「いや違う、最悪の政権はアジェンデのそれだ」とするコメントが新聞に掲載されました。
 確かにボリッチが鉱山の国有化を図ってアジェンデのコピ―になるのは止めてほしいですね。


 さてピニェラはこの週末、家族とともにパタゴニアに行くらしい。トレス・デル・パイネの山を見ながら散歩するのでしょうか。休暇が終わって戻ってくると、彼の持っている幾つもの機関の幹部として働くのでしょう。

今週の大統領府の広報はこの二人を現職・前職ではなく「大統領」として取り扱いました。

(経済)

1)銅価格と為替
 月曜日銅の価格は1ポンド当たり4.87ドルと過去最高を記録しましたが、次の日から落ち込み金曜日は4.6ドルと先週とほぼ同じでした。これはいつも思いますが、誰かの投資の対象になっていて、銅の需要供給の値段が上下するのではないのでしょうね。
為替もいつものように上下して1ドル806ペソで終わりました。
銅価格と同じように原油価格も高くなり、ガソリンの値段がどこまで上がるか予想も出来ません。
2)物価上昇率IPC
 2月の数字は0.3%、過去12か月は7.8%。これは過去13年で最悪の数字です。
新聞にロシアのウクライナ侵入でチリ経済に与える影響として食料品・ガソリン価格の上昇からインフレが一層ひどくなると書かれています。そしてそれが経済成長率を低くすることも考えられています。
3)最低賃金の上昇
現行の最低賃金は35万ペソで、その期限は5月1日です。それではその次の日から最低賃金はどこまで上がるのでしょう。
40万ペソと言う予測と50万ペソまで上がると言う見方も出ています。
1900年は26000ペソ、2000年は10万ペソ、2010年は17200ペソと少しづつ上がってきましたが、この10年は急上昇です。

(一般)

1)コロナ問題
 毎日15000人ほどの新規患者が出て、陽性率は17%くらい、一向に良くなりません。
 それでももうコロナの問題は以前の様に大きなニュースにはなりません。
4回目の接種を終えた人は150万人。人口の8%までいったとか。ワクチンは順調に到着しているようです。
2)学校
 新学年が始まりました。通常なら生徒の参加率は病気・怪我の子供を除くとほぼ100%ですが、今年は80%弱とか。
 親か子供が、学校での授業を嫌がる・もしくは反対するのでしょう・・・・。
 新政権の文部大臣は学校に行くことを強制させてはいけないとコメント。学校で授業を受けるのが通常とする
 私の感覚とはかけ離れた大臣です。
3)ウクラニア問題
正常化が全く進んでいないように見えますね。今週、そこから脱出した2人のチリ人が帰国してきました。
日常生活が壊滅したとしています。無事に帰国できたのは幸運ですね。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3チームの結果は最近優勝が続いていたカトリカはまた負けて3連敗。もうどこにでも負けると言う雰囲気。コロコロは明日の月曜日に試合。チリ大学は自分のサッカー場がないので、この週末の試合を実施できるところがなく延期になりました。この結果、リーグ戦の首位はニュブレンセ、次いでコブレサル、3位はクリコでした。
この先、大混戦が続きそうです。
チリの1部リーグでプレーする外人選手の分析で、大半がアルゼンチンでした。なんと54人(63%)、2番目がウルグアイ17%。ブラジルはわずか2%でした???


以上

チリの風 その981 2022年2月28日-3月6日

最高気温が30度とまだ残暑の雰囲気が消えないサンティアゴですが、今日は曇って25度で落ち着きました。また明日から30度に戻るとか。それでも朝晩はかなり涼しくなっています。
血栓症の薬が効いているかどうかチェックする血液検査を受けるため病院に行きました。
3月に入り、夏休みが終わり、仕事・学校
に行く人が一気に増えました。交通量がこの水曜日の場合、先週対比33%アップし交通渋滞が深刻化です。
山歩きはいつもの第1展望台へ。先日のアポキンドの滝コースの3分の1ほどの距離ですが、帰りは小走りでした。自然の中を楽しむと言うよりほとんどトレーニングの気持ちです。
ラソン練習もちゃんと楽しみました。週日は一人で、週末は仲間と走っています。
昨年の今頃、会社員生活をしていました。コロナが終われば、またガイド・通訳の仕事が来るのは間違いないので
そのため心身ともに鍛えておく必要があります。甘いかな?
それでもこれらの毎日の努力は私のボケ防止にはなっているでしょう。

(政治)

1)ピニェラ動向
モネダ宮殿でのコロナ問題が落ち着いてきたと一般市民を招待した集まりで、参加者の若い女性から水をかけられました。かなりの量でした。彼女の祖父がその後、ピニェラに面談して不始末を詫びました。ピニェラは問題を大げさにはしないとしています。水だったので濡れただけですが、それが毒性のものならかなりの大事故になったのは間違いなく、彼の周りを警護する部隊が機能していなかったのですね。
そして今週から新学年が始まったので、ピニェラは公立学校を訪問して、授業の開始を祝いました。
任期終了まであと1週間になった彼ですが、新聞の論文で、政治・経済・一般の3分野で彼は大きな間違いをしたとされました。民政化が始まって30年間、チリは安全・正常を保っていましたが、2019年10月の社会騒乱ですべてが壊れました。ピニェラはそれを防ぐ・抑える力を持っていませんでした。また中道右派は政界で大きな勢力を持っていました。その例として2016年に右翼の市長・区長は45%でしたが、現在は22%です。右翼政党の破綻・分裂は顕著です。経済に関しても2021年、近来にないひどいインフレが起きましたが、今年はそれを上回るかもしれないとか。コントロールが出来ていません。
こうして史上最低の大統領としてピニェラは歴任に名前を残しそうです。
また、陸軍長官事件です。長官は近日中に退職することになっていましたが、公金不正使用で裁判にかかることになったので陸軍に迷惑をかけないため、今週辞任しました。そのお別れ式典に政府からは誰も参加しませんでした。彼は政府から見捨てられたと思ったらしいですが、裁判にかかる様な不正をした人間を援助するわけはないですね。そんな人間を長官に選んだ政府の責任ははっきりしています。彼が有罪になって刑務所に入るのを待ちたいです。
2)ボリッチ動向
 太平洋の孤島から戻ってきて、来週に始まる彼の就任式について準備を始めました。
 新内務大臣になるシチェスは現行の南部の特別区令を継続する可能性はあるとコメント。以前はマプチェと会話を始め法令による拘束はしないとしていたのですが、現実はそう甘くはないようです。
 今週も、南部地区で覆面部隊が放火事件をあちこちで起こしています。
3)新憲法委員会
毎日、ニュースになりますが、一体どうなるのか良く分かりません。銅・リチウムなどの鉱山を国有化する方針が出ています。司法界の改正で裁判官の雇用システムを変えるとなれば、現職の裁判官が職を失う可能性もあるとか。裁判官が不快感を表明することになるでしょうね。また一般市民と先住民の裁判システムを並行して実施するとなれば、マプチェで麻薬で逮捕された犯人は、一般裁判所でなく先住民裁判所に行くことになりますが、そんな必要があるのかな?
上院議長のDC党員が、この新憲法が出来上がれば、私は反対に票を投じることになりそうだとコメント。
時間と金をかけて無駄な仕事をしたと言う結論が待っているのかな?

(経済)

1)政府機関イマセック
チリの経済成長に関し1月は予想されたより低い数字だったと発表。昨年後半の盛り上がった雰囲気が停滞してきたのは数字に出ていますね。
2)銅価格と為替
銅の価格は歴史上最高値に近づき、ウクライナ問題が続けば、さらに上がると言われています。
1ポンド4.74ドルで為替は1ドル801ペソでした。
3)リチウム
 リチウムの価格も上がっていますが、チリのリチウム鉱山会社のソキミチSQMは大きな利益を出しています。
 2020年に1.6億ドルだった利益が2021年に5.9億ドルになりました。チリのその会社に中国が資本を入れています。

(一般)

1)コロナ問題
 2月のコロナによる死亡者数は2632人で21年6月以来の悪い数字。今週は連日陽性率20%台、2万人程度の新規患者が出ています。そうした悪い状況にもかかわらず、首都圏はレベル4に引き上げられました。つまり、行動の自由が認められ、集会などの規制も殆どありません。昨年は自宅待機になっていたのに、今年は政策が大きく異なります。このまま落ち着いていくのかな?
教員組合などが授業の開始は教師・生徒の安全に大問題になるとクレームしていましたが、通常授業が始まっています。

2)移民問題
 首都圏のあちこちの道路・広場にテントが張られ、そこで生活する人が増加の一途です。中にはチリ人もいますが、大半は移民で、仕事がなく生き延びるには路上生活しかないわけです。
政府・各区が彼らに援助の手を差し出すと言うのはまだありません。
3)山火事
首都圏から隣州のバルパライソに行く道路の森林で火災が発生し交通が一時ストップしました。
4)安全度
国際機関の発表ですが、世界の国の中でテロリスト活動などから安全が保てない国のリストで、チリはなんと世界18位になりました。ラテンアメリカの中ではコロンビア(14位)に次いで2番目にひどい国になっています。
昨年は362回のテロ活動が記録されているとか。ほとんど毎日ですね。昨年は47位でしたから急激に悪化しています。
極左グループの他に合計8つのグループが関係しています。
今日も覆面部隊の放火事件が起き、数台の重機が全焼。それはマプチェのグループの犯罪だと確認されています。
新政権はこの事態をどう軽減していくか、注目されますね。
5)ロシア・ウクライナ問題
先週と同じく、今週も毎日テレビのニュースはこの話題ばかりです。ロシアが何をしたいのか、どこまで続けたいのかよく理解できませんが、サンティアゴロシア大使館の前でウクライナ応援のグループが抗議行動をしました。
150万人以上の人が外国に出たそうですが、その人たちのこれからの生活は大変ですね。その中のチリ人は一部が来週チリに帰国するとか。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の話題は人気2チーム、コロコロとチリ大学の試合です。予想の通り、毎年同じ結果ですが、今年もコロコロがチリ大学に勝ちました。しかし首位のカトリカが負けて大混乱になりました。
5試合目が終わった段階で1位はニュブレンセ、2位はコブレサル、3位はパレスチノです。
カトリカは4位、コロコロは5位、チリ大学は11位でした。
つまり人気の大チームが振るわず、地方の小チームが勝っているわけです。
2)テニス
 デービスカップが始まり、チリはスロバキアと対戦しました。ワールドリーグ1で、ビーニャのテニス場です。
チリはこれに勝利をおさめ、次の9月の試合まで国際レベルをキープです。
 思い出します。2004年にこのデービスカップ戦で、日本はチリと、今回と同じビーニャのテニス場で対戦し、何と0対5で全敗しました。
私は日本応援にそこまで行きました。その時、日本選手が集まった日本人の応援団に、少しテニス・レッスンをしてくれました。


以上

チリの風 その981 2022年2月28日-3月6日

最高気温が30度とまだ残暑の雰囲気が消えないサンティアゴですが、今日は曇って25度で落ち着きました。また明日から30度に戻るとか。それでも朝晩はかなり涼しくなっています。
血栓症の薬が効いているかどうかチェックする血液検査を受けるため病院に行きました。
3月に入り、夏休みが終わり、仕事・学校
に行く人が一気に増えました。交通量がこの水曜日の場合、先週対比33%アップし交通渋滞が深刻化です。
山歩きはいつもの第1展望台へ。先日のアポキンドの滝コースの3分の1ほどの距離ですが、帰りは小走りでした。自然の中を楽しむと言うよりほとんどトレーニングの気持ちです。
ラソン練習もちゃんと楽しみました。週日は一人で、週末は仲間と走っています。
昨年の今頃、会社員生活をしていました。コロナが終われば、またガイド・通訳の仕事が来るのは間違いないので
そのため心身ともに鍛えておく必要があります。甘いかな?
それでもこれらの毎日の努力は私のボケ防止にはなっているでしょう。

(政治)

1)ピニェラ動向
モネダ宮殿でのコロナ問題が落ち着いてきたと一般市民を招待した集まりで、参加者の若い女性から水をかけられました。かなりの量でした。彼女の祖父がその後、ピニェラに面談して不始末を詫びました。ピニェラは問題を大げさにはしないとしています。水だったので濡れただけですが、それが毒性のものならかなりの大事故になったのは間違いなく、彼の周りを警護する部隊が機能していなかったのですね。
そして今週から新学年が始まったので、ピニェラは公立学校を訪問して、授業の開始を祝いました。
任期終了まであと1週間になった彼ですが、新聞の論文で、政治・経済・一般の3分野で彼は大きな間違いをしたとされました。民政化が始まって30年間、チリは安全・正常を保っていましたが、2019年10月の社会騒乱ですべてが壊れました。ピニェラはそれを防ぐ・抑える力を持っていませんでした。また中道右派は政界で大きな勢力を持っていました。その例として2016年に右翼の市長・区長は45%でしたが、現在は22%です。右翼政党の破綻・分裂は顕著です。経済に関しても2021年、近来にないひどいインフレが起きましたが、今年はそれを上回るかもしれないとか。コントロールが出来ていません。
こうして史上最低の大統領としてピニェラは歴任に名前を残しそうです。
また、陸軍長官事件です。長官は近日中に退職することになっていましたが、公金不正使用で裁判にかかることになったので陸軍に迷惑をかけないため、今週辞任しました。そのお別れ式典に政府からは誰も参加しませんでした。彼は政府から見捨てられたと思ったらしいですが、裁判にかかる様な不正をした人間を援助するわけはないですね。そんな人間を長官に選んだ政府の責任ははっきりしています。彼が有罪になって刑務所に入るのを待ちたいです。
2)ボリッチ動向
 太平洋の孤島から戻ってきて、来週に始まる彼の就任式について準備を始めました。
 新内務大臣になるシチェスは現行の南部の特別区令を継続する可能性はあるとコメント。以前はマプチェと会話を始め法令による拘束はしないとしていたのですが、現実はそう甘くはないようです。
 今週も、南部地区で覆面部隊が放火事件をあちこちで起こしています。
3)新憲法委員会
毎日、ニュースになりますが、一体どうなるのか良く分かりません。銅・リチウムなどの鉱山を国有化する方針が出ています。司法界の改正で裁判官の雇用システムを変えるとなれば、現職の裁判官が職を失う可能性もあるとか。裁判官が不快感を表明することになるでしょうね。また一般市民と先住民の裁判システムを並行して実施するとなれば、マプチェで麻薬で逮捕された犯人は、一般裁判所でなく先住民裁判所に行くことになりますが、そんな必要があるのかな?
上院議長のDC党員が、この新憲法が出来上がれば、私は反対に票を投じることになりそうだとコメント。
時間と金をかけて無駄な仕事をしたと言う結論が待っているのかな?

(経済)

1)政府機関イマセック
チリの経済成長に関し1月は予想されたより低い数字だったと発表。昨年後半の盛り上がった雰囲気が停滞してきたのは数字に出ていますね。
2)銅価格と為替
銅の価格は歴史上最高値に近づき、ウクライナ問題が続けば、さらに上がると言われています。
1ポンド4.74ドルで為替は1ドル801ペソでした。
3)リチウム
 リチウムの価格も上がっていますが、チリのリチウム鉱山会社のソキミチSQMは大きな利益を出しています。
 2020年に1.6億ドルだった利益が2021年に5.9億ドルになりました。チリのその会社に中国が資本を入れています。

(一般)

1)コロナ問題
 2月のコロナによる死亡者数は2632人で21年6月以来の悪い数字。今週は連日陽性率20%台、2万人程度の新規患者が出ています。そうした悪い状況にもかかわらず、首都圏はレベル4に引き上げられました。つまり、行動の自由が認められ、集会などの規制も殆どありません。昨年は自宅待機になっていたのに、今年は政策が大きく異なります。このまま落ち着いていくのかな?
教員組合などが授業の開始は教師・生徒の安全に大問題になるとクレームしていましたが、通常授業が始まっています。

2)移民問題
 首都圏のあちこちの道路・広場にテントが張られ、そこで生活する人が増加の一途です。中にはチリ人もいますが、大半は移民で、仕事がなく生き延びるには路上生活しかないわけです。
政府・各区が彼らに援助の手を差し出すと言うのはまだありません。
3)山火事
首都圏から隣州のバルパライソに行く道路の森林で火災が発生し交通が一時ストップしました。
4)安全度
国際機関の発表ですが、世界の国の中でテロリスト活動などから安全が保てない国のリストで、チリはなんと世界18位になりました。ラテンアメリカの中ではコロンビア(14位)に次いで2番目にひどい国になっています。
昨年は362回のテロ活動が記録されているとか。ほとんど毎日ですね。昨年は47位でしたから急激に悪化しています。
極左グループの他に合計8つのグループが関係しています。
今日も覆面部隊の放火事件が起き、数台の重機が全焼。それはマプチェのグループの犯罪だと確認されています。
新政権はこの事態をどう軽減していくか、注目されますね。
5)ロシア・ウクライナ問題
先週と同じく、今週も毎日テレビのニュースはこの話題ばかりです。ロシアが何をしたいのか、どこまで続けたいのかよく理解できませんが、サンティアゴロシア大使館の前でウクライナ応援のグループが抗議行動をしました。
150万人以上の人が外国に出たそうですが、その人たちのこれからの生活は大変ですね。その中のチリ人は一部が来週チリに帰国するとか。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の話題は人気2チーム、コロコロとチリ大学の試合です。予想の通り、毎年同じ結果ですが、今年もコロコロがチリ大学に勝ちました。しかし首位のカトリカが負けて大混乱になりました。
5試合目が終わった段階で1位はニュブレンセ、2位はコブレサル、3位はパレスチノです。
カトリカは4位、コロコロは5位、チリ大学は11位でした。
つまり人気の大チームが振るわず、地方の小チームが勝っているわけです。
2)テニス
 デービスカップが始まり、チリはスロバキアと対戦しました。ワールドリーグ1で、ビーニャのテニス場です。
チリはこれに勝利をおさめ、次の9月の試合まで国際レベルをキープです。
 思い出します。2004年にこのデービスカップ戦で、日本はチリと、今回と同じビーニャのテニス場で対戦し、何と0対5で全敗しました。
私は日本応援にそこまで行きました。その時、日本選手が集まった日本人の応援団に、少しテニス・レッスンをしてくれました。


以上

チリの風 その980 2022年2月21日ー27日

天気予報が当たって水曜日、サンティアゴは今年初めての雨になりました。
窓から外を見ていると道路が濡れていきます。懐かしい風景でした。
翌日、山歩きをしました。水たまりは無かったですが、道路は湿っていました。この雨で動物や植物で生き延びたのがいるでしょうね。
そして気温が下がり、夕方にセーターを着るようになりました。季節の替わりかな。もっとも土曜日は最高気温が30度まで上がりました。
日曜日は、先ず一人でウォーミングアップをし、9時から仲間とマラソン練習です。ゴール地点で立ち話を楽しんでから、家に戻り、ベランダの椅子に座ってコーヒー・ケーキを楽しみます。そのあと新聞をゆっくり読むのが習慣です。もう10年以上それが続いています。
今週は山登り・丘歩きとマラソンで5日間スポーツを楽しみました。

(政治)

1)ピニェラ動向
3月11日に任期が終わりますが、ピニェラの動きはパッとしません。
今週は南部の湖州(第10州)に行き、本土とその前に位置するチロエ島にかけられている橋の建設を観察しました。その橋は2025年に完成とか。今はフェリーに乗って島に渡りますが、その完成時から車・バスで直接に島に上陸です。
そしてサンティアゴの飛行場の完成式に出席しました。5年かかりましたが、やっと完成。来週から使用が始まります。南米で1番近代化した空港とか。
さて今日2月27日はチリ人にとって忘れられない南部大地震の日です。もう12年前ですが、まだよく思い出します。ピニェラはビオビオ州(第8州)に行って被害者の人たちを励ましました。
しかし彼の今週の行動は、本当に単純な仕事ですね。

さて今週から新旧大臣の面談が始まりました。現行大臣が新大臣に現状を連絡しています。一つだけ問題になったのは大蔵大臣で、新大臣が現行大臣に貧困労働者への援助IFEを3か月継続するとした事について、任期が終わった後のことを発表するのはいかがなものかとしました。ピニェラはこれを受けて、「私は市民のためを思って、年金でも、貧困層援助でもコロナワクチン確保でもやってきた。IFEについて問題があれば、もちろんそれは私の責任だ」としました。
任期の後のことに関与するはルール違反なのに、それを知っていながら目立とうとしたのでしょうか。
今週の市民調査で彼を支持するは21%、支持しないは72%でした。
4年の任期が終わりかけていますが、マスコミに「長い期間のお仕事お疲れさまでした」と言うニュアンスの報道は全くありません。可哀そうですね。
今週のチリのニュースはウクライナ問題が中心でした。ピニェラもボリッチも二人ともロシアの同国侵入は容認できないとしています。そこに53人のチリ人が住んでいて、そのうちの5家族は隣のポーランドに移動したとか。彼らの携帯電話からビデオをとってチリに送ってきています。大変な生活ですね。
チリのテレビ局は異常で、夜のニュースはほとんど全部このニュースです。チリ国内のことも報道されません。夏休みが終わり、この週末、大勢の人が帰郷します。学校も始まりますから、来週から交通渋滞が大問題になるでしょう。
そんなニュースもないなんて・・・それほどロシアに集中する必要があるのかな?
ボリッチが太平洋の孤島からこの週末、首都に戻って来たようですが、ニュースには出ません。

2)新憲法委員会
どんどん進んでいるようですが、国会の2院制度が1院になる可能性があるとか。下院だけで、上院はいらないとされそうですが、上院議員は職を失いますね。議員数が多すぎると言う声に私は賛成しますが、議会を一つにすると言うのはどうでしょう。世界のほとんどの国で2院制をひいているのはちゃんと理由があるからだと思いますが、違うかな?
さて新大蔵大臣のマルセルは税制改正を最重要項目に挙げています。新憲法委員会はどういうかな?

(経済)

1)経済成長率の予想
 現行大蔵大臣セルダは今年度の見通し2.5-3.5%について、おそらく低い方の2.5%が正解になるだろうと低めの成長を示唆しました。世界の情勢は厳しいですからね。原油価格上昇からガソリン価格が上がり、それがすべての物価に影響すると言われています。
2)銅価格と為替
銅価格は1ポンド当たり4.5ドルとほとんど先週と同じ。為替は1ドル807ペソとペソ安に動きました。
この銅価格の高値安定はチリ経済に大きな援助となっていますが、その例として国営銅公社コデルコは2021年161万トンを生産、その売り上げの利益74億ドルの内56億ドルを国庫に納入しました。それは10年ぶりの高い数字で、2020年の2.6倍でした。
昨年のチリからの輸出品目は、1位が銅で531億ドル、2位はサーモンで49億ドル、3位は鉄で24億ドル。4位はワインで15億ドルでした。いかに銅の地位が大きいかが分かります。でもいつまでそれが続くかな?

(一般)

1)コロナ問題
 火曜日、感染者数が1万8千人になった時、この数字は久しぶりの低い数字でこれは第3波の終焉のシンボルと言われましたが、翌日からまた増えています。つまり火曜日はPCR検査数が他の日より少なかっただけです。陽性率は25%ほどで同じ。
つまり陽性率が下がらなければ、コロナがおさまって来ていると言う見方はおかしいですね。
これまでに陽性になったチリ人の数は3百万人を超えています。
今週も150万人分のワクチンがついて、4回目の接種も問題ないとされています。
世界の貧困国でコロナで破綻したところはないようですから、ワクチン・自宅待機などをしなくても自然に集団で免疫ができていくのでしょうか。
2)マプチェ
国会で南部に軍隊を駐屯させる法案を3月11日まで延長しました。そこで新政権はどう対処するのか決定する必要があります。
木材会社の従業員が覆面グループに襲われ、二人が銃殺されました。いつまで続くのかなと言う感じです。
また南部で火事が継続ですが、その大半は放火と言われ、火事で死亡した人が出ました。
さて北部の不法移民問題も継続で、移民希望者は夜の暗闇の中を地元のガイドの後をついて越境しています。
彼らが歩きにくいようにチリ側の土地に機械で溝を掘っています。つまり簡単には通れません。それでも溝のない所を捜し
入ってきます。何かゲームでもやっているようです。もちろん命を懸けてですが。
イースター島のモアイが152年ぶりに島に戻ります。イースター島を自国の領土だとしたチリ政府が海軍の船を島に送り
戻ってくるときに、モアイを盗んだもの。それがまた海軍の船で元の島に戻ります。大英博物館にも同じように盗まれたモアイが飾ってありますが、力があれば何でも好きなことが出来ると言う証拠ですね。盗んだものを堂々と飾るなんて。エジプトから盗んだものもそこに飾られています。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦は4試合が終わりました。人気3チームの成績はコロコロ・カトリカは負けました。チリ大学は先週と同じく4試合目は明日です。先週の試合は負けました。
今日までの所、首位はカトリカ、次いでパレスチーノとニュブレンセ、コロコロは8位です。チリ大学は7位ですが、明日の試合に勝てば首位に躍り出ます。
ワールドカップの南米予選の最後の2試合が3月に行われますが、ほとんど盛り上がっていません。
さて最後のホームの試合、対ウルグアイ戦はカトリカのホームグランドのサン・カルロスで実施されるとか。


以上