チリの風  その927  2020年2月15日―21日

サンティアゴのこの2月は過去10年間で一番気温が低い月になりました。会社に行くとき長袖のシャツを着ました。ところが週末から来週は再び30度の暑さに戻るとか。と言っても昼は30度の暑さですが、朝晩は10度まで下がります。
さて月曜から金曜まで会社で仕事。土曜日はサッカー教室、日曜日は仲間とマラソン練習。こうして毎日、幸せに暮らしています。少しづつコロナ問題の起きる前の頃に戻っています。
さて1年ぶりのサッカー教室は十数名の参加者で楽しく練習。やっぱり子供は可愛いです。来月の練習日も決まりましたから通常化です。30年以上もやっていますから、サッカー教室は私の生きがいです。大袈裟ですねと言われるかな。

(政治)

1)ピニェラ動向
 あちこちに顔を出していますが、もう夏休みが終わったのか、休み中も働いているのか分かりません。彼もワクチンをうちました。「このワクチンは有効です。チリ人全員がワクチンをうてるよう努力をしています」とコメント。
 世論調査で、彼を支持する人は23%に上昇しました。他の国なら40,50%は普通でしょうが、彼の場合、少し前に7%まで落ちていますから、23%まで来るのは急上昇です。ワクチンが順調に接種されていることが評価を上げているのでしょうね。
2)地方選挙
 4月11日(日)に選挙があります。州知事、市長、市会議員、それに憲法委員会のメンバーが選ばれます。しかしこのコロナ問題で多くの人が列を作って待つのを防ぐため、今回は二日に分けて投票するのはどうかと提案されました。つまり土曜日と日曜日です。どうなるでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
  ポンド当たり3.99ドルともう4ドルの大台まであとわずか。過去最高は4.6ドルですから、それに近づく勢いがあるとか。
  これで今年の税収入は15億ドルの増加になると言われますが、宝くじに当たったようです。
  昨年の最低は2.09ドルでしたから、約2倍になったわけです。中国などの需要は減少せず、現在のストックは最低レベルだから、このまま来年まで行くだろうと予想されています。もちろんそんなプロの予想は今までの経験だと当たらない方が多いですが。
  このためチリペソは1ドル700ペソに近づき、世界の中で対ドルで最も急上昇している通貨のうちの一つとか。チリがそれだけ強くなったのではなく銅の価格がそれだけ上がったからですね。まぁ、同じかな。
ビッドコインが値を上げていますが、銅価格の上昇もそれと同じで、需要供給の関係ではなく、誰かの投資で値段が上がっているのだと思いますが、どうかな。
2)失業率
残念、少し増えたようです。10.7%。まだ経済復活が確定していないのでしょうね。
 それでも厚生年金の2回目の引き出しを手にした市民がそれまでの借金を払ったので未払・不払い者の数が428万人に減少し、2016年のレベルに戻ったとか。

3)果物の汚染
  チリの果物がコロナで汚染されていると中国の税関でストップがかかったというニュースが流れましたが、それは間違いだったようです。私は騙されたのですね。時間がたっても中国政府の確認はなく、中国に持ち込んだサクランボがどこへ回ったかも報道無し。つまり中国の市場に入ったのでしょう。ただそのニュースで中国人がサクランボを買うのを止め、市場価格が大きく落ちたというのは報道されています。そんなウソのニュースを流して何のメリットがあるのかな、騙される私がアホなのは確かですが。

(一般)

1)コロナ問題
  悪い状況は継続。それは新規患者4000人、死亡100名、感染者の割合は7%と言うレベルが連日続いています。
ワクチンの接種者はどんどん増えて300万人まであとわずか。チリのような小さな国で300万人と言うのは素晴らしい数字です。このまま400,500万人まで行きそうです。
  しかし現状は上記の数字の様に悪い事態が一向に良くならないというわけですが、市民はほとんどそれを気にしていないようで、この週末、モネダ宮殿近くの公園で大勢の市民が集まりパーティを開催。戸外パーティで近くの住民がクレームしても続いたとか。
それに関連してカジノがオープンしました。カジノも閉まったままだとオーナーも従業員も生活できませんからね。体操するジムや映画館もオープンしていきそう。
  3月から学校が始まりますが、静かに進んで行くのか、クラス内でコロナが爆発するのか。
  教員組合は始めるべきではないと授業開始にクレームしています。文部大臣は「教師は子供に教えるというのが天職のはずだが、彼らの動きを見ていると何とかして仕事をしないようにしていると見える」と苦言を呈しています。        
チリでは普通、2月と言えばバケーションのシーズンで、市内の車の動きは少なく落ち着きます。それが3月になれば休みから戻って全員職場に戻り、子供が学校に行くためその送迎に車が使われ、道路に車があふれます。2月までの青空が3月からスモッグに覆われた黒い空になります。今年もそれが繰り返されるのか、それとも今までとは違った3月になるのか?
もちろん現在の在宅勤務の人が減らなければ渋滞騒ぎは軽いでしょう。
2)暴動騒ぎ 
毎週金曜日のイタリア広場の騒ぎで今週は19人が逮捕され、警官5名が負傷しました。警察側はこれはデモ隊ではなく暴動グループの集会だとコメントしています。今のチリでは同じかな?
さていつものようにマプチェ騒ぎで南部で17台のトラック・重機に火がつけられました。覆面グループが林業会社などの駐車場に侵入し、警備の人間を脅してから放火を始めるわけで、トラックのオーナーの一人はカメラの前で涙を流しながら、「保険がなかったので借金だけが残り、明日から仕事もできない」確かに厳しいですね。彼の責任はないですから。
3)移民
先週、不法移民の一部を強制帰国させましたが、今週は移民がイミグレを通らず不正に入国してくるのが激減しました。ところでコロンビア政府がべネスエラ不法移民約100万人に一時滞在ビザを与えました。何年かしてそれが永住ビザになるわけです。これがあると子供の教育などいろいろメリットがあります。隣国なので政治的にもコロンビアにはその移民を利用するメリットがあるのでしょうね。
チリは一時、ラテンアメリカの中で一番移民希望者に人気のある国でしたが、最近は少し風が変わりました。それでもチリ中どこに行っても移民が働いています。昨年、バケーションで北のサン・ペドロ・デ・アタカマに行った時も、南のプエルト ナタレスに行った時も移民の人のサービスを受けました。サンティアゴでも毎日行くレストランでどこでも移民がいます。スペイン語が違うのですぐ分かります。
今年はその動きがどのように継続するのか、もしくは変化するでしょう。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦が終わりました。1部リーグ転落を抱えた最後の戦いで人気のコロコロはコンセ大学に1対0で勝ち1部残留を確定。
もちろん、新シーズンを迎え選手の入れ替えが目立っています。
新シーズン(今シーズン)は観客を入れて試合をするという噂が高まっています。
どうなるかな。

新監督を迎えたチリ代表チームのニュースが少ないです。


以上

チリの風 その926  2020年2月8日ー14日

サンティアゴはもう秋の雰囲気です。2月後半に行われるビーニャの音楽祭が終わったら秋になるのが通年でしたが、今年はコロナ問題でその音楽祭は中止。それで少し早めに秋が来たようです。朝晩は涼しく半そでで歩いていると寒いほど。
土曜日の夜、少し霧雨が降りました。温度が下がって湿度があればもう山火事はなくなりそうですね。心配された山火事は今年も少しはありましたが、大惨事にはなりませんでした。
さて秋になると木の実が熟しはじめます。私はいつも栗の実を拾いますから、その内、おいしい栗ご飯が食べられそうです。
今週で仕事を始めて4週間が過ぎました。何とかがんばっています。
週末のスポーツはいつもの通り。秋晴れの日曜日は今週も仲間と3人でマラソン練習。そうそう1年ぶりに日本人学校のサッカー教室が再開です。来週20日の土曜日。子供とまた一緒にスポーツが出来ると思うだけで幸せになります。
福島でまた大きな地震があったそうですが、チリでも報道されました。日本とチリは地震の兄弟国ですから、来週大きな地震がチリで起きるかも?

(政治)

1)ピニェラ動向
  南のフツロノと言うところに彼は別荘を持っていますが、そこで夏休みを楽しんでいます。彼も他の中高年と同じようにワクチン注射を実施しました。そして「皆さんのためにコロナワクチンを用意しました。これでコロナ問題が少し和らぐことを願っています」とにっこり笑ってコメント。確かにコロナ問題が落ち着けば、彼の4年間の仕事も普通の正当な評価が出されるでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅の価格が金曜日3.75ドルで終わりました。今週は過去10年近くで最高の数字が記録されました。チリの大蔵省は大喜びですね。税収が予定より大幅にアップしますから。このため為替は1ドル722ペソとパソ高が続いています。
  銅価格の高い数字は中国の輸入量が減少しないからですが、どうして中国はそれほど良い経済状態をキープ出来るのかな?不思議です。

2)観光開発
  チリ経済省は2.5億ドルを観光開発に使用すると発表しました、日本のGOTOと似たような計画ですね。どういう結果になるか楽しみです。

(一般)

1)コロナ問題
  一向に収束しそうにありません。新規患者4000名、死亡者100名、感染率7%のレベルが続いています。それでも自宅待機令の緩和が進んでいます。夜間外出禁止令も、その時間を遅らせようという声が聞こえます。そうするとレストランが夜通常に営業できるからです。つまり病気抑制と経済開発を天秤にかけているのでしょうね。しかしワクチンの接種数は既に180万人を超えています。人口当たりでは世界で上位10に近いところにいます。ラテンアメリカのリーダーです。
  今までは中高年が対象でしたが、次は教育関係者。3月から新学年が始まりますから、来週から先生や学校関係者へのワクチン接種が始まります。51万人への接種が予定されています。もっとも教員組合からコロナが収まるまで学校での授業は再開すべきではないとのクレームがでています。
  ペルーはチリ向け特別ツァーを企画しましたが、それはチリに行ってワクチンをうつというものです。チリではワクチンは自由に無料で接種できるからです。厚生省は怒って住民権のない外人には接種しないと発表。しかしそれでは移民の中で登録作業中とかの人が外されるとなります。そこで、外人でも現在チリに住んでいるなら住民証を持っていなくても接種可能と、うろうろしました。
  昨年3月からのコロナ騒ぎで、大げさに言うとチリ人の生活が変わりました。仕事を失う、給料が下がるなどの基本的な経済のことから、男女間の暴力事件が2019年は82件だったのが2020年は190件と1.9倍に激増しました。その他1年でチリ人の体重はどう変わったかいくつかの機関が調査しました。そのうちの一つの結果ですが、なんと7キロ増えたとか。何もしないでモリモリ食べたのでしょうね。私の場合では週に7日間の自宅待機令が4か月出たとき、体重は3キロ増えました。その後、外に出るのが許されてマラソン・登山を始めると1か月で元の体重に戻りました。

2)移民問題
  移民が連日、大挙して不法に入国していましたが、少しその勢いが弱まったとか。その理由は一つ目は正規のイミグレの近くに軍隊を張り付け、不法に入国する移民を取り締まり始めたこと。それからすでに入国している移民の一部をその母国に強制送還させることを決めたからです。違法移民を乗せた最初の飛行機はコロンビア・べネスエラを向けて今週に飛び立ちました。夢を求め、何日も荷物をもって家族を連れて歩いてきた人が、母国に強制送還させられたら、泣くでしょうね。自分の人生はこれほど運がないのかと。
  さてその移民が空き地を不法占拠して家を建て住んでいます。現在のその占拠地の数は254か所で昨年より41%も増えています。昨年は47617家族でしたが、今年はそれに11765家族も増えました。その家族に聞いてみると、ペルー人のおばさんは「リマから来ました。3年半前です。プエンテ・アルトのレストランで働いていましたが、コロナで店が閉まり、職を失い、家賃が払えません。それで人から聞いて、ここに来ればただで住めるので、ここに住むはじめました」ほかの人もほとんど同じような事情でしょうね。チリ人も沢山いるはずですが、不法占拠地には移民が多いとか。
4)警察との争い
  先日、警官が信号の所で芸を見せる大道芸人を射殺しましたが、それが尾を引いて、各地でグループが警官を襲っています。毎週金曜日のイタリア広場のデモ隊とのぶつかりで、デモ隊の火炎瓶が警察の車を焼き(全焼)、警官が負傷。その日、警官がかなり負傷しました。つまり以前の様に警官は怖いというイメージがデモ隊の間で薄れてきたんですね。まだまだこの問題は深刻化しそうです。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦はすべての試合が終わり、優勝はカトリカで3年連続。でもいつも書くように今年のリーグ戦は過去最低レベルで全く盛り上がりませんでした。水曜日にカトリカがホームの試合で引き分けで優勝が決まりましたが、ファンが喜んで大騒ぎなんかありません。ふつうは試合の後、ファンが喜んで球場から降りてきて地下鉄の駅の周りで騒ぐので警官が出ますが、今年は球場に誰も入れませんから、騒ぎは全くなし。
 さて下位グループは注目のコロコロは引き分けで、1部リーグ残留が決定せず、水曜日のコンセ大学戦が勝負になりました。

 所でチリ代表チームの監督が決まりました。ウルグアイ人のマルティン ラサルテで昔チリのチーム(カトリカとチリ大学)の監督をしていました。ワールドカップの南米予選は間近ですが、大丈夫かな。


以上

チリの風 その925 2021年2月1日ー7日

先週の週末は雨になったサンティアゴですが、その後、また夏の気候に戻り、木曜日は32度まで上がりました。
所が週末に雲が出て、土-日曜日とも朝は涼しい気候。このまま秋になるのかな?
さて私の住むラス・コンデス区は自宅待機令が緩み、週末も自由に歩けるようになりました。で、土曜日は一人でマラソン練習をしてからフェリア(青空市場)に行って花を買いました。もう10数年続いている習慣ですが、最近はコロナ問題で途切れていました。日曜日はまた仲間とマラソン練習、4名で楽しく走り、そのあとベランダでコーヒーを飲みながら会話を楽しむ。こんな風に少しづつ元に戻っていくのがうれしいです。
会社の仕事にも慣れてきました。それから子供夫妻が孫を連れて訪ねてくれました。来週から日本人学校が開校とか。サッカー教室も再開できるかな?
毎週書いているように私の周りに幸せが沢山あります。

(政治)

1)ピニェラ動向
  彼はバケーションに入って、マスコミから消えました、その前に大勢の人への予防注射が始まったことについて、これは将来への希望が見込まれる本当の喜びですとコメントしています。

(経済)

1)貿易.
 1月の貿易の数字が発表されました。中国様様でした。
 チリの輸出は前年対比8%アップの約80億ドルと素晴らしい数字で、相手先の上位は中国、アメリカそして日本でした。ただそれぞれの数字が、中国向けが47%、アメリカは12%、日本は9%で圧倒的な中国の数字が目立ちます。もう中国以外に重要客先はないという雰囲気です。そしてその内訳は銅関連とサクランボで80%と、輸出品目はその二つしかないという感じ。極端ですね。
貿易合計は4.5%のアップですが、輸入は前年より1.5%下がりました。つまり輸出は伸びて輸入は減少というのが現状ですね。
さてそのサクランボの話題ですが、2012年には5万トンが輸出されました。それが2020年には23.2万トンまで上昇。今年は中国向けの売り上げが20億ドルと想定されています。
先日、中国の税関でチリ産サクランボがコロナに汚染されていると報道されましたが、それが虚偽とか間違いだった可能性があると言われます。そしてこっそりか堂々とかは分かりませんが、中国市場に入っているとか。ただ価格ですが、現在の価格はキロ当たり2ドルでこれは少し前の半額とか。何か不可解ですね。どうして本当のことを発表しないのかな?
輸出する前に価格は合意してあるので、途中で価格を変えるのは理解できませんが、輸入禁止とかになるなら半額でも売るというのでしょうか。
新聞に「ほとんど全部の輸出先が中国という状況を変え、世界各地に客を探すべき」との論調が掲載されています。当然ですね。

(一般)

1)コロナ問題
 先日チリに到着した大量のワクチンが市民に注射されはじめました。既に約60万人に実施されたとか。中高年が最初の目標で今週は80代、90代の人でしたが、来週は70代の人を対象にするようです。週末も注射場はオープンで沢山の人が押し寄せていました。(駐車場ではありません。注射をする広場です)
私の嫁さんの父親は90歳近くですが、なんでも来週マイプ区役所関係の人が自宅に来て予防注射をしてくれるとか。チリもなかなかやりますね。
所で病気の実態ですが、先週と変わりません。連日約4000人の新規患者、約100人の死亡者、それに新規感染率は約7%です。ですからワクチンが効果を発揮して、それらの数字が下がっていけばピニェラでなくとも万歳と言いたいですね。
逆に、病気は治まっていないのに自宅待機令が緩んだのは政治的見地からでしょうね。経済活動復活を狙ってですね。さぁどうなるかな?

2)マプチェ問題
 毎週同じですが、放火騒ぎが継続です。
 南部でトラック4台に火がつけられ、運転手2人がけがをしました。トラック組合は政府に対応を要求し、政府が正しい反応をしないなら道路の封鎖を実施するとしています。昨年似たような事件が起き、その時は内務大臣が交替させられました。
そのほかに今週もカバーニャ(ロッヂ)が何軒も燃やされるなど事件は継続です。機関銃などを持ったマプチェグループが俺たちの仲間を刑務所から出せとクレームする写真が発表されています。
3)不法移民問題
 毎日、多くの不法移民がチリ北部から入ってきます。イミグレ事務所を通らず、ペルー、ボリビアの国境線を渡ってくるわけです。今週のその移民の2人の女性が死亡しました。ボリビアからのルートは高地ですから、昼間は暑く、夜間は冷え込みます。マイナスまで下がるとか。もちろん、彼らはホテルに泊まることはなく、道路のそばで毛布を使って寒さに対抗します。
チリ新左翼は彼らを保護しようという発言をしています。また人権委員会が現地を訪問して政府を批判しました。現地の町長はそれを批判していますが。
そんなことがあったので、政府はそのボリビア国境近くの街から海岸地区の中心イキケまで(距離は約200キロ)バスを用意して彼らを運びました、イキケの市長は難民が毎日増えて収容所の能力を超えるのは明白、責任を私たちに押し付けるのはやめてもらいたいと悲鳴をあげています。
もちろん、移民援護でなく、チリ人で仕事がなく生活に困っている人間を保護する方が先だろうという意見もあります。
その移民はほとんどべネスエラ人です。老若男女、赤ちゃんからおじいちゃんまでいます。私の職場にべネスエラ人がいますので、この件を聞いてみると、軽く、「彼らは犯罪者だろう」とのこと。同じ国民の仲間を助けようとは思わないようです。
チリは失業率がまだ10%を超えて厳しい状況ですが、外人がチリを目指して来るわけですね。

4)パンギプジ問題
 南部のロス・リオス州にある観光地パンギプジで殺人事件がありました。そこで街頭芸人の青年が警官の尋問を無視したので揉めはじめ、青年が手にしていたものを武器にして警官に襲い掛かろうとしたので警官は彼に発砲、それが当たって彼は死亡しました。その事件を見た市民が、地区の警察署、市役所などを襲い放火。それが広がって多くの建物が延焼。なんと全部で10カ所の家屋が燃えました。金曜日の夜のニュースはこの事件が延々と続きました。
誰かが撮影したビデオがニュースに出ていますが、事故の最初の所はわかりませんが、警官が発砲するところは完全に映像に入っています。この先その警官はどういう処置を受けるのでしょうか。青年が襲い掛かったというのが認められれば正当防衛ですね。
その警官は留置され、月曜日に裁判所に。しかしその後の放火事件が多すぎる、ひどすぎる。地区の消防署は何をしていたのかな?
その翌日も、彼の死亡を憤るグループが警察署を襲い、衝突。それがサンティアゴにも飛び火してあちこちでデモ隊と警察がぶつかりました。公共バスも1台全焼しています。
彼の死体はサンティアゴに移され、葬式が行われますが、また警察との衝突が起きるでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
  残り2試合と2020年シーズンの最後が近づいています。今週は首位のカトリカが勝ち2位のラ・カレラが引き分けたため勝ち点の差は5になりました。次の試合はその2チームが対戦しますので、それでカトリカが勝つか引き分けると優勝が決定。3年連続の優勝に成ります。
普通なら、サッカーファンがあちこちで騒ぐのですが、今年はそんな雰囲気は全くなし。サッカーファンは消えたのかという感じです。
下位の方では下から3番目のコロコロが2番目のイキケと対戦。引き分けに終わったので順位の交替は無し。

所でチリ代表チームの監督はいまだに決定しません。サッカー協会は何を考えているのかな?


以上

チリの風  その924  2,021年1月25日―31日

珍しい、今年初めてサンティアゴに雨が降りました。金曜日の夜、かなりの雨量で、私の部屋の前の道を、少し坂になっているので、雨水が川の様になりました。土曜日も午後に雨になり雷もかなりの数でした。西部のマイプ地区では霰が降ったとか。ここは今、夏ですよ。

週末は自宅待機令ですが、早朝は外出が許されるので土曜日、久しぶりに丘に上がると、いつもは見えない街の向こう側の海岸山脈が見えました。
日曜日は朝、晴れていたのでいつものマラソン練習をしました。こうしてスポーツを楽しめるのは幸せです。
そうそう会社員生活の2週目が終わりましたが、そうして仕事が出来るのも幸せです。
家に帰ってきて嫁さんと話していても幸せと感じるし、私は幸せ人間です。運があります。外人の私がチリに住み着いて生活を楽しめるなんて。

(政治)

1)ピニェラ動向
  隣国アルゼンチンのフェルナンデス大統領がチリを訪問してきました。火曜日にモネダ宮殿で面談。しかし不思議ですね、フェルナンデスのチリでの動向がほとんど報道されません。全く無視しているみたい。あいつらは不愉快だが、仕方がないから招待したという雰囲気でしょうか、不思議です。
  新聞の投書欄にチリとアルゼンチンは政治・経済・一般で連携して行かなければいけないのにこの面談でそんな雰囲気はなかった。また南極の領土問題も話が出ていない。それでは何のために彼はチリに来たのかとありました。
  貧困家庭援助の次の作戦が発表されました。前回と同じく、政府機関に依頼を出せば来月末に一人当たり8万から10万ペソの援助金が出ます。これは約5百万人に届くとか。それから中国から来たワクチンを彼は空港で見ました。毎日10万人を目標に北から南まで全国各地で注射するとか。先ずは60歳以上の中高年齢層。強制ではなく各自の自由で、費用は無料とか。
  ピニェラは夏休みに入りますが、その別荘でワクチンを注射するらしい。
  さて今年はピニェラにとって大統領職の最後の年。バケーションから戻ったら、今年の目標を大きく掲げる必要があります。さぁどうなるかな?
2)外交
  チリから出たサクランボがコロナ汚染をしていたと中国が発表し、通関できません。その果物のチリからの輸出先はほとんど中国で(90%以上とか)そこで拒否されたらそれらはどこに向かうのでしょう。なんでも2300コンテナーもあるとか。最近急騰している海上運送費を考えればチリに戻して国内で投げ売りをするのは考えられません。じゃ近くのアジアの市場ですね。日本はどうかな?
  所でチリ側はその果物の汚染はチリから始まったのではないだろうとしています。つまり中国の問題ではないかというわけです。それは二つ可能性があって、入国した果物を調べる段階で汚染したか、先方が嫌がらせをしているかでしょうね。
  例えば、先日、チリは日本と通信関連で契約を結びましたが、それをなぜ中国と手を組まなかったのだと嫌がらせをする(これは私の想像ですが)ということもありますね。しかしチリが中国を怖がらないでちゃんと対応するというのは素晴らしい。まさか、先方がそれならチリの銅は買わないとすると、ペルーから購入するのでしょうか。

(経済)

1)経済成長率
  昨年の数字ですが、1,2月は正常の上昇。ところが3月からマイナス成長になり、10月までそれが継続。しかし11月に少しでしたがプラスに転換されたので、もう明かりは見えたと思われました。ところが12月になって、全般は上向きでしたが、チリの命綱の鉱山関係が大きく落ち込み、総合でマイナスが確定。(4%くらいの落ち込み)このため年間でマイナス6%になりそうとか。まだ最終数字ではありませんが。
  12月に鉱山関係の数字が悪くなったことに関しては、素人の私は銅価格が上がっているのにどうして生産が落ちたのか分かりませんが、プロの人にすれば、「今年の予算は達成した。従って来年1月に計画しているメンテナンスを早めに実施して、生産は来年1月に置いておく」とするかもしれませんね。もちろんこれは銅価格が高めに安定することが条件ですが。
2)失業率
  年の最後、10-12月の数字は10.3%と以前より少しは良くなりましたが、期待されたほどの上昇は無し。7月が最悪の状態でそれ以降毎月少しづつ良くなりました。もっとも仕事が見つかったと言っても契約書にサインする正規の仕事ではなく私的な仕事が大半だったらしい(推定62%)。つまりいつまた失業するかわからないわけです。
3)銅価格と為替
銅価格はポンド当たり3.57ドルと高値安定、為替は1ドル733ペソ。800ペソに近づいていた時と大きな違いです。

(一般)

1)コロナ問題
  高め安定という感じです。全部の項目で1か月前の2倍のレベルです。例えば現在は一日の感染者数は4000
  人を超え、死亡者は100人に近く、PCR検査の陽性者の割合は7%を超えています。(少し前は1500人、
  50人、3.5%という感じ)
  今月の感染者数は11.8万人で、これは昨年6月以来の高い数字。いかに緊迫しているかが分かりますね。クリスマスと年末年始の集まりが、急な増加の原因と言われますが、そのシーズンが終わったのに数字は下がりません。秘密パーティは毎週同じで、今週も逮捕者が出ています。チリ人の考えが分かりません。もっとも欧州などで同じことは起こっていますが。
  今年に入ってコロナ関連で病院を変えた患者は715人ですが、最後の週に76人も病院を移動しています。緊急病棟がいっぱいだったとかいう理由ですが、また各地で病床が足りなくなっているわけです。昨年はサンティアゴの地下鉄の利用者が前年対比約60%減少したそうですが、それは学生がいないのと、自宅勤務の会社が多いからですね。毎日私はメトロを使用していますが、往復とも座席に座っています。乗客が少ないからですが、今年もそんなペースになるでしょう。
  日本のGO TOと似た感じですが、チリの夏休み計画が議論されています。1年間働いてきた労働者がバケーションを取るのは当然、それを受け入れるホテル・レストランの営業も当然と一方では言われますが、その観光客が地方にコロナを持ち込むならそれを抑えようとする動きも当然です。政府はそれを考慮しながら夏休み計画案の維持・または変更を検討する必要があると新聞の社説に出ました。
  南部の観光地プコン、昨年末の皆既日食があった所ですが、その市長の特集記事が出ました。彼は先日、60年間連れ添った奥様をコロナで亡くしました。そして街が完全自宅待機令に入り、ホテル・レストランは運営できません。デモ隊も出るほど反対運動がありますが、彼は何をすべきでしょう。
2)マプチェ問題
  昨年の数字ですが、マプチェ関連の暴力事件が122件と前年対比69%も増えているとか。アラウカニア州とビオビオ州が中心ですが、事件の数と関連の場所の拡大が続いています。つまり問題解決もしくは縮小と全く逆の方向に向かっています。右のピニェラも左のバチェレットも何もできなかったというのははっきりしています。次の大統領もこの件に関しては無力でしょうね。 
  マプチェグループのリーダーが大麻の栽培で調べられていますが、別に不思議なことはないですね、自分でそれを利用しているか、製品を部下に販売させているのでしょう。
  ところでマプチェの青年を殺した警察官が、今週16年の刑が決まりました。いまだに何故その警官が発砲したのか分かりませんがいつかその犯人が白状するでしょうね。
2)大雨
  チリの中央部と南部で大雨が降りました。首都圏では金・土曜日で約40ミリの降雨。近郊のカホン・デル・マイポで濁流が家屋を襲い多くの家に被害が出ました。冬には雨が降るが、夏はほとんど降らないというのが通常ですが、今年は1月から今までと違った動きになりました。サンティアゴの今回の降雨量は1950年以来、過去70年に見られなかった大雨でした。

(スポーツ)

1)サッカー
  首位のカトリカも2位のラ・カレラも負けたので勝ち点差は変わらず3。また下位争いでは、人気のコロコロが勝ったので下から3位を確保です。


以上

チリの風 その923 2021年1月18日-24日

最高気温32度-最低12度という感じの日が毎日続くサンティアゴです。
チリはコロナ問題がぶり返していますが、表面的には市民の生活はあまり変わっているようには見えません。
しかし私の人生は変わりました。今週から会社員になって、毎日、事務所で働いています。最初の3か月はどこでも試用で、その期間が過ぎれば本採用になります。新年に新しい風が吹いたわけですが、幸せです。
それで今まで週に5日はスポーツをしていましたが、今週は週末だけでした、サンティアゴは週末は外出禁止ですが、朝早い時間は許可なく外に出られるので、二日ともマラソン練習をして汗をかきました。土曜日はそれほどでもありませんでしたが、日曜日は散歩する人、自転車に乗る人、マラソン練習と多くの人がスポーツを楽しんでいました。
さぁ来週はどうなるかな?

(政治)

1)ピニェラ動向
  今月中に4百万人分のワクチンが到着すると胸を張って報告しました。今までは1万人分とかの小さな数字でしたが、今月はその100倍で4百万人分が中国から到着するとか。この調子で行くと確かに国民全体にワクチンをうつことができそうですね。でも中国製ワクチンは役に立つでしょうか。
 それから来週、アルゼンチンの大統領フェルナンデスがチリを訪問します。いろいろ問題があって隣国大統領とまだ一度も会っていませんが、任期の最後になってとうとう面談が実現します。コロナ問題でアルゼンチンがチリを馬鹿にしていた時期がありましたが、今ではアルゼンチンの方が厳しい状況。コロナ以外も似たようなものですね。
2)選挙運動
新聞社のWEBに候補者名のリストが出ました。そこに自分の身分証明書の番号を入れるとその地区の候補者表が出てきます、私の住む区は11地区ですが、新憲法委員会の候補者は60名ほど。そんなに多くの候補者からどうやって適切な人を選ぶのかな?
ところで議員だった人も上院・下院合わせて12名それに立候補しています。その中には先日まで現役議員で、この選挙に立候補するため辞職した人もいます。その一人はチリで初めて憲法を国民の手で作成するのに自分はどうしても参加したかったと言っています。
話は違いますが、都知事選挙に立候補した人が、この地方選挙に勝たなければ年末の大統領選挙に勝てるわけがないとしています。右と左の争いだけでなく、同じグループの与党内、野党内での争い、さらに同一党のRN内の争いとか新左翼グループ内の争いとか、もう尽きることがない闘争が継続です。素人の私には勝手にやってくれという気がしますが。ブリオネス大蔵大臣は内外で高い評価を得ていますが、その彼が来週、大臣職を止め、立候補することになりそうです。私は彼が好きなので、もし彼が立候補すれば彼に投票します。チリが民政化してから7人大統領が出ましたが、その全員7人に私は投票しています。私が入れたから勝ったのではないですが、私は勝つ候補者を見る目があるのでしょうね。ホンマやで、この話は。
候補者として与党側は最右翼のUDIから現職区長のラビンとマテイ、RNから元党首のデスボルデス、そのほかに元国立銀行総裁のシチェル、そして大蔵大臣のブリオネスなどがいます。野党側からはDCのリンコンかウンドゥラガ、PPD党首のムニョス、社会党から元大臣のナルバエス、彼女はバチェレットの支持を受けています。そのほかに数名の候補者の名が出ています。一番有力なのは共産党のハドゥエ区長、新左翼は前回の候補者サンチェスが新憲法委員会に出たのでまだ決まらず、先日の厚生年金払い戻しで派手なプレーをしたヒレスが有力候補とか。合計するともう30人以上が立候補宣言しています。

(経済)

1)物価上昇率IPC
 12月のIPCは0.3%、通年では3.0%でした。チリの昨年はコロナで大混乱しましたが、物価上昇率は通常の数字で終わり、一安心。
2)銅価格と為替
 銅の価格はポンド当たり3.57ドルと長い間、高めの数字が継続です。それで為替もペソ高で1ドル715ペソまで戻りました。

(一般)

1)コロナ問題
 患者数は増加しています。三日続けて4000人を突破。PCR検査の陽性率が連続して7%を超えています。緊急病室に関しては1007病床が用意されていますが、そのうち739が使用中です。毎週のように各地のコロナ関連のレベルが変動しますが、今週は25地区で下のレベルに下がりました。週末は外に出られないレベル2か、全日外に出られないレベル1かです、逆に6地区は上のレベルに上がりました。
ところで秘密パーティが連日続いていますが、そんなパーティに参加した人間の発病率は通常より高いと言われます。一人の病人がその他大勢に病原菌をばらまいているわけですね。警察が来れば全員逮捕されるわけで、なぜ秘密パーティが続くのか不可解、豪邸とかレストランとかがパーティに使われていますが、そのオーナーは多大の罰金を払わされていますから、会場を貸して儲けるというのは理屈に合いません。???土曜日の夜も数十人逮捕されています。移動の特別許可として夏休みシステムがあり、すでに百万人が申請したとか。厚生省はそのルールを変更すべきか検討しています。
2)反政府運動
 3週連続で金曜日にイタリア広場近くでデモ隊と警察がぶつかりました。しかし笑ってしまうのはその数で、今週の参加者は当初600人ほどでした。2年前は何万人ではなく何十万人もが集まってデモをしたというのは覚えています、そのデモで15名が逮捕されました。その会場に近い地下鉄の駅が6駅も封鎖されました。しかし最近は駅に放火。破壊活動は起きていません。
今日の日曜日、私の住居の前にある公園に大勢の自転車が集まりました。何を叫んでいるか聞きとれませんでしたが、30分ほどしてから、数百人のメンバー全員が自転車に乗って行進を始めました。1昨年の末にはこうしたデモも盛んでしたが、最近では初めて。これもまた元に戻るのかな?
3)地震騒ぎ
 夜のテレビのニュース番組は9時から10時半ですが、土曜日の番組は各局とも地震のニュースを全時間で報道!!!それは3つの理由がありました。番組の始まる少し前に南極のチリの基地近くで大きな地震。その後、チリの緊急局から各自の携帯に避難警報が流れました。私の携帯もうるさいベルが鳴り続け、それを何とか消そうとしても消えません。そしたらサンティアゴも大きく揺れ始め、私はまたリフォームしたばかりの部屋が壊れるのかと心配。緊急局は地震を先読みしたのと思わされました。南極の地震から津波が来るとして海岸地方では高台へ移動する人が増え、現地の警察はマイクで避難を呼びかけました。ところが結論は緊急局の警報はエラーで、間違って各自に通報したということになり、サンティアゴ地震もスキー場のあるファレジョーネスとかで大きな被害はありませんでした。1時間半の大騒ぎは緊急局のエラーで始まり、お詫びで終わりました。今日、さらに報道されたのは緊急局の連絡ミスは担当の人間の失敗ではなくシステムが間違って設定されていたとのこと。地震に関係のない地区に誤って連絡するシステムになっていたというわけです。
4)基本料金未払
ガス・電気・水道などの未払があっても栓を閉めることはできないとコロナ問題で失業した人を助けるためが政府は発表しましたが、そんな状態の人が50万人近くいるとか。政府は次にどんな手を打つのでしょうか。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦で最下位対下から3位のチームが争いました。昨日のその試合は、通常なら誰も見向きもしないでしょうが,今週はチリ中が見守りました。というのは最下位はついこの間、南米大会で準決勝まで進んだコキンボで、下から三つめは人気のコロコロでした。その結果はコロコロが勝ち、下から3位をキープし、2部リーグに落ちる可能性はほとんどなくなりました、優勝して喜ぶのではなく2部に転落しないことを大喜びしています???。上位は首位のカトリカと2位のカレラは試合数は同じで、勝ち点の差は3と動きはありません。チリ代表チームの監督まだ決まりませんが、欧州から連れてくるというアイデアは消えて南米から監督を選ぶらしい。


以上

チリの風  その922  2021年1月11日―17日

暑い日が続いています。昨年は珍しいほどの高温でしたが、今年もそれが継続中。雨は全く降らず、乾燥しきっています。
さて7週間かかった私の住居のリフォームがやっと終了。騒音とほこりの苦しみが終わりです。週末は、嫁さんと二人で掃除に追われました。ほこりまみれだったので家具・衣服とかが元に戻るのは少し時間がかかりそうです。ところである日、4人の職人さんを近くのレストランに招待してランチを一緒に取りました。私を入れたその5人の国籍は・・・ペルー人二人、ボリビア人一人、ハイチ人一人それに私。チリ人は一人もいませんでした???
そして仕事の話が来ました。この先、どうなるかな?
スポーツは続けています。 

(政治)

1)ピニェラ動向
 世論調査で彼を支持するという人が19%になりました。毎回少しづつ増えています。
 バルパライソ州のキリプエの山火事を心配するとモネダ宮殿で彼はコメントしました。すでに3500ヘクタールが燃え、11軒の家屋が焼失しました。まだまだ各地で火事が増えそうです。悲しいのはその火事の原因が放火と言われていることです。

2)国会
 話題になっているのはTPP11問題と妊娠中絶法案です。妊娠中絶法案は隣国アルゼンチンで先日成立し、熱狂的な国民のお祝いがありましたが、チリではそれほど盛り上がっていません。さぁどうなるでしょう。
さて選挙のある4月に近づいていますが、今一つ盛り上がりません。どの州・区に誰が立候補したかなど基本的な事実がちゃんと報道されていません。ただところどころ情報が出ます。例えば首都圏のマイプ区では与党の区長が再選を狙うのに対し、野党側が5人の候補者を立てているとされていますが、そこは選挙前から与党現職が勝ちますね。今年末の大統領選挙に関しては与党側のプロビンシア区長マテイが前国立銀行総裁に関し、彼は金持ちを狙った政策をとるつもりだと嫌がらせ。右も左も同志争いは苛烈です。
3)日チ協定
 日本とチリの間で、海底ケーブルや5Gと言った情報通信分野に関する覚書が調印されました。どんどん覚書が拡大してほしいもの。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅価格はポンド当たり3.62ドルと高値安定。為替は不思議なことにドルが強くなり1ドル735ペソで閉めました。一時1ドル750ペソになりそうな雰囲気もありました。

(一般)

1)コロナ問題
 半年前のピークに近づいています。毎日4000人ほどの新規患者がでています。厚生省は病院に緊急病棟の病床を35%増やしてほしいと要請しました。このままいくと全首都圏、もしくは一部の区は週日自宅待機の最悪状況になりそうです。今週は約9万人分のワクチンが着きましたが、それでは少なすぎるし、ワクチンをうった病院関係者が発病したケースも出てワクチンがすべてを救うというわけにはいきません。新聞の論調に都市閉鎖が病気の拡散の抑制効力を持つと政府は考え実行しているが、それが住民にどういう影響を与えているかも検討してほしいと出ました。
 で、今週から、週末に関し、新条件です。それはサンティアゴの場合は外出禁止ですが、朝7時から8時半まで二日とも許可なしに外に出て散歩・マラソンなどが可能になりました。それを利用して私は外に出ましたが、確かに何人もの人がマラソン・散歩を楽しんでいました。
2)マプチェ問題
この問題もいつまで続くのか分かりません。先日私服警官PDIが射殺されたラ・アラウカニア州のテムクイクイ地区に800人という大量の警官が入り、麻薬組織を調べていますが、そのグループは単なるピストル以上の重火器を所有し、警察との銃撃戦を全く恐れもしないで実行しています。地域住民が、ほとんどマプチェですが、その犯罪組織を退けるというより政府・警察の動きに反対するという感じだとか。2年前の理由不明の警察官のマプチェ青年射殺事件がその背景になるのでしょうか。林業会社の重機や家屋への放火が継続です。

(スポーツ)

1)サッカー
  国内リーグ戦
  首位カトリカ、2位カレラは変わらず勝ち点の差は6.ただしカレラは1試合少ないです。注目のコロコロは日曜日チリ大学と対戦、チリでの最も話題になる対戦ですが、もちろん観客はなくプレーされました。試合は引き分けで両チームともに面目を保ちました。コロコロは下から3番目ですが、下位のチームとの差は少ないのに試合数の差は多いので、いつ逆転されるかわかりません。現在最下位はコキンボでコロコロより4試合少なく勝ち点の差は4点です。
  南米カップ
  準決勝に進出のコキンボはホームの試合をパラグアイでアルゼンチンのチームと対戦、第3国でホームの試合をするというのは理解に苦しみますが、南米サッカー協会がチリはコロナ問題でおかしいと判断したわけですね。さてその試合は0対0の引き分けだったので、今週、敵地の試合で1対1など引き分けでも得点が入ればコキンボの勝ちになります。で、その結果は・・残念2対4で惨敗。これで国内リーグ戦に集中できますが、今は最下位です。チリ代表チーム監督のルエダは母国コロンビアの代表監督に就任、チリぼ監督はまだ決まらず空席、もう少しすると今年度のワールドカップ南米予選が開始されますが。
2)ダカールラリー
  世界大会でチリの選手が活躍するのは素晴らしい、いや珍しいですが、今年のラリーではロペスが軽4輪部門で優勝しました。昨年は3位、1昨年には優勝していますから、完全に世界のトップクラスということが証明されています。


以上

チリの風 その921 2021年1月4日―10日

日本はあちこちで大雪のニュースがありますね。
夏のサンティアゴは毎日30度の暑い日が続いています。南の方で山火事のため市民が自宅から避難する地区が出ています。
さて今年最初の山歩きはラ・プラサ山岳公園に行きました。山登りというより麓歩きでしたが、歩いていると中高年の登山者に会いました。元気に歩いていますねと言うと「私 スペイン語 わからない」と回答あり、英語で話し始めました。彼はリタイヤ―で家でのんびりしていたが、奥さんが仕事でチリに来たのでついてきたとか。彼女はここの大使館で働らいている由。北欧の人でした。私がここに40年以上いますと言うと、ピノチェットの時代だねとすぐに反応しました。長い立ち話でしたが、年を取っても山歩きを楽しみましょうと言って別れました。マラソン練習も一人で走っています。

(政治)

1)ピニェラ動向
  320万の家族に(約780万人)最高10万ペソの援助を与えると発表。大盤振る舞いとは言えませんが、こつこつ貧しい家族の援護をしています。
  マプチェとの問題で、犯罪グループを摘発するのは当然だが、それはマプチェ全体との敵対ではないとコメント。そして新憲法設定委員に立候補するとまた大臣が二人辞任しましたので、ピニェラはその後任を選びました。もう誰がやっても同じという雰囲気。ピニェラが辞任しても同じかな?
2)選挙
  今年は選挙の年です。
  4月に地方選挙(知事・市長など)と新憲法設立委員を選び、10月に大統領と国会議員選挙があります。
  いつも同じことを書いていますが、右も左もバラバラで相手と戦うのか味方とぶつかるのかわかりません。野党側は新左翼共産党グループと社会党などの旧左翼グループに分かれ、与党側は最右翼UDIと中道右翼に分かれそう。
  UDI党で大統領候補になりそうなラビンは今までと同じような敵対性を止め、私が大統領になれば相手側の意見も聞くとUDI党の政策はとらないとコメント???
  知事や市長の選挙でもどこで、誰が勝つかわからない状況です。新憲法委員の候補者受付の締め切りは明日です。

(経済)

1)物価上昇率IPC
  先月のIPCは0.3%。そして昨年の年間物価上昇率は3%でした。その中で目立つのは食料品で8.1%も上昇。失業者などの人には厳しい状況ですね。
2)銅価格と為替
  銅の値段はポンド当たり3.64ドルと高値安定。お得意様の中国は今年の経済成長率は7%と予想され、銅の高値は全く問題なく続くと言われますが、本当でしょうか。このため為替は1ドル710ペソとなりました。一時600ペソ台にまでドルは落ちています。ドルが弱いのかチリペソが強いのかわかりませんが極端な状況という雰囲気です。 

2)新車の販売
  2020年は2010年以来の低い数字でした。昨年の売り上げは前年対比31%減の25.9万台。生産国ランキングは1位中国、2位韓国、3位インドそして4位日本でした。

(一般)

1)コロナ問題
 半年前のピークに近づいています。8日は4201人の感染者数でしたが、それは6月29日以来の高い数字。患者総数も11,12月は1万人ほどでしたが、今週2万人を超えました。それからPCR検査で陽性率が3とか4%だったのが、また7,8,9%に上昇してきました。それが患者数の急激な上昇の原因ですね。
 そこで問題になるのは毎週同じですが、今週も全国各地で不法なパーティが行われ多数の人が逮捕されています。サンティアゴだけでなく北のカラマ、隣州の海岸地区、南部の街とかいろいろです。その一つで捕まった二人の青年が、国会議員の息子でした。同議員は「全く話になりません、申し訳ありません」とコメント。そのパーティの参加者に20名の陽性患者が見つかっています。しかし派手な騒音で騒いでいれば近くの人が警察に連絡するのは当然で捕まったら厳しい目にあうとか考えないのでしょうかね。欧州でも頻繁に起きていますが、私には全く理解できない考え方です。
 このまま患者数が増えると病院のベッドが不足し始め、対応として緊急以外の手術は延期と言われています。首都圏でも患者数の多い区はレベル1に落ちて週に7日間自宅待機になるかもしれません。私の頭の中に昨年のその嫌な思い出がまだ残っていますが・・・
2)マプチェ問題
 毎週のように問題が出ますが、そのアラウカニア州で二つの殺人事件がありました。その距離は20キロと近いところでした。一つは麻薬組織を調べていた私服警官が相手の銃弾に当たり死亡。彼の葬式はサンティアゴで行われピニェラも参列しましたもう一つは農園でその管理人が銃撃され死亡。彼は昨年、乗っていた車が襲われています。その農園を占拠しようとするグループがいるわけで、彼は狙われていたわけです。その人はUDI党員で同地の市会議員を目指していました。
 内務大臣がこの二つの殺人事件を重視してテムコに飛びました。そして、その殺害された人の農園に追悼を捧げようと行った時、中に入るのを止められ、「お前らは口では何でも言うが、全く無実の人間が殺されることを防ごうとはしない。ここに来るな、どこへでも行け」とののしられました。
 いつも思うように組織は高度化していますが、その費用を麻薬を扱って賄うのでしょう。ここで政府が失敗すればメキシコやコロンビアの様に麻薬組織が地下で国を支配するということになりかねません。ピニェラが言うようにマプチェがすべて麻薬組織に入っているわけではありませんが、その組織を摘発できなければ遅かれ早かれ組織が地域を庇護(?)する形で支配下に入れるでしょう。
 それから2年前にマプチェの青年が警官に殺された事件がありましたが、今週、その元警官は有罪判決を受け近日中に刑期が確認されます。私はまだなぜその警官が彼に発砲したのか理解できません。その事故のあったのは今回の事件と同じ地区です。
3)外人旅行者
 2020年は110万人と前年より75%マイナス。1900年代のような低い数字でした。過去最高だったのは2017年で645万人。そこから毎年数字が小さくなっています。今年も昨年より10%ほど下がりそうとか。もちろん外人観光客だけでなく国内線も大幅減少で昨年は1250万人。これは2370万人だった一昨年の47%減とほとんど半減でした。今のところ、夏休み許可を政府が認めたので、市民はあちこちへ旅を始めた様子です。私の友人夫婦もラ・セレナに訪問中です。
 4)大学入試
 2グループに分けて、2日づつの試験がありました。13.1万と13.8万人でした。初日、一部の学生が文部省の建物の入り口を塞ぐデモをしましたが、入試は大きな問題なく終わりました。コロナ問題で今回入試を受けられなかった学生のため22,23日に最終入試があります。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦
 一番試合数の多いチームは29試合、少ないの25試合と、大きな差があるので順位はこの先変わることは当然ですが、首位はカトリカで2位はカレラと変わりません。一方、最下位争いの方は最下位18位だったコロコロが勝って16位に進出。しかしその下の2チームは試合数が少ないので、彼らが次の試合に勝つとまたコロコロが最下位に戻ります。
 南米カップ
 準決勝に残ったコキンボの試合が今週、本拠地のコキンボであるはずでしたが、南米サッカー協会の指示でサンティアゴに変更され、その後、さらにチリではできないとパラグアイで実施すると再変更。コロナ問題で選手の出入国をするのにチリは問題が多すぎると政治問題化??しています。これからどうなるのかな。


以上